週末、離れて暮らす高齢の両親の家に帰ったところ、知らない間にシロアリ駆除と耐震補強工事の契約をしていたことが判った。
驚いて事情を聞くと、まず、シロアリの無料点検の名目で、担当者が訪問してきたらしい。
戸建住宅の床下に、作業員に潜ってもらい、無料点検を受けたところ、作業員が床下から木材の破片のような物を持って出てきて、勧誘を受けたとのことだった。 |
担当者からは、
「床下の湿気が酷いですね。床下の換気がされていないので、湿気がこもっています。湿度が高い状態は、シロアリが大好きな環境です」
「これを見て下さい。さっき床下で見つけた木材の破片です。床下の木部が、ところどころ、シロアリに食われてぼろぼろになっています」
「これはシロアリに食われて、海綿状になった柱の一部です。はがれおちて床下に転がっていました」
「シロアリは、地中や排水管を伝って、湿度や温度の高い、木造家屋の床下のような、住みやすい環境に集まってきます」
「既に木部がところどころシロアリにやられています。大きな巣のようなものもありましたので、いまのうちに消毒しておかないと、いずれ家の柱や主要な構造部まで食い進み、全体がやられてしまいます」
「家に住み着くシロアリの種類には、ヤマトシロアリ、イエシロアリ、アメリカカンザイシロアリがありますが、たとえば、イエシロアリは、巣で100万匹ほど繁殖します」
「いますぐに家が倒壊するわけではありませんが、このまま放置していると、いずれ地震や台風に耐えられなくなってしまいます」
「湿気が酷くて、基礎部分もかなり痛んでいますね。コンクリート基礎部分が劣化してクラックが入っています。コンクリート基礎のエポキシ樹脂による補修が必要な状態です」
「木部も、シロアリに食われて傷んでいる個所、湿気にやられて傷んでいる個所があります」
「補強用の金物を全体に設置して、地震にも耐えられるようにしないといけません。家の重さを支えられるよう、ジャッキもたくさん設置しておきましょう」
「床下は、常に乾燥させておかないといけません。シロアリの繁殖だけでなく、湿気が招く基礎部分の劣化の原因となります」
「応急措置として、床下に調湿剤を散布しておきましょう。床下調湿剤を60袋ほど散布しておけば、当面はなんとかなります」
「乾燥した状態を保つため、床下に換気扇を10台くらい設置して、床下の空気を常に入れ替える必要があります」
「たとえば、屋根裏にも、屋根裏換気扇を設置しますよね?それと同じで、湿気の多い床下にも換気扇を設置するのが合理的です」
「床下の奥の方の空気を撹拌する送風機と、外の空気と入れ替える床下換気扇を設置しましょう」
「家の基礎にも関ることです。このまま放置していると、大変なことになりますよ」
などと説明され、怖くなってしまい、勧められるまま、契約してしまったらしい。 |
確かに、築30年ほどの木造住宅なので、シロアリがいても不思議ではないが、どうも話しが出来すぎていて、不自然に思える。
全部あわせて100万円を超える契約が本当に必要だったのか、疑問を感じる。
無料点検といいながら、結局高額な契約をすることになっている点についても、疑問を感じる。 |