ある日、自宅マンションに男性が訪問してきた。
「キッチンの使用方法について、説明に伺いました」
「説明のために、全てのお部屋を回っています」
などと言って、部屋に上がりこんできた。 |
男性が部屋に入ると、キッチンのシンクについて、説明を始めた。
「キッチンのシンクに、新しい設備を設置することができるようになりました」
「新しい設備を設置することで、キッチンの生ゴミを、そのまま水と一緒に流すことが出来るようになります。このディスポーザーは、欧米では一般に普及している設備で、日本でも普及が進んでいる設備です」
「欧米の進んだディスポーザーには、割れたお皿ごと破砕できる機械もあるんですよ」
「日本でも、最新のタワーマンションなどでは、ディスポーザーは標準的な設備になりつつあります」
「このマンションは最新の建築技術で建てられていますので、ディスポーザーを使用しても大丈夫です。他のお部屋でもディスポーザーを設置するところが増えています」
などと説明しながら、ディスポーザーを設置するよう勧誘が始まった。 |
機械自体は便利な物なので、興味を感じた。
「他の部屋でも設置が進んでいる」という説明もあり、勧められるまま、設置してもらうことにした。
契約書にサインすると、そのまま設置工事が始まった。シンク下の排水管を切り取り、機械を設置してもらったが、思いの他、工事は早く完了した。 |
契約後、何度かディスポーザーを使ってみたが、思っていたよりも大きな音がした。下の階から苦情が来そうで、使い難く感じた。
また、何度か使って感じたことだが、生ゴミを排水管に流し込むことに、抵抗を感じた。
気になってマンション管理会社に問い合わせたところ、他の部屋からも何件か問い合わせが来ているらしい。訪問販売業者は、マンションの管理会社とは何の関係もない業者とのことだった。
また、マンションの管理規約で、ディスポーザーの使用は禁止されていることが判った。自分の住むマンションには、ディスポーザーの排水を処理できる処理槽が無く、条例でも、単体でのディスポーザーの設置が認められていないことも判った。
既にディスポーザーを設置済みで、何度か使用してしまったが、まだ契約から8日間は経過していない。今からでもクーリングオフできるだろうか?
もしクーリングオフした場合、既に工事した箇所を、元の状態に戻してもらえるのだろうか? |