第150回国会-衆議院-商工委員会-03号 2000/11/01
平成十二年十一月一日(水曜日)  午前九時一分開議


 出席委員
   委員長 古屋 圭司君
   理事 青山  丘君 理事 小此木八郎君
   理事 岸田 文雄君 理事 武部  勤君
   理事 中山 義活君 理事 松本  龍君
   理事 久保 哲司君 理事 達増 拓也君
      伊藤 達也君    小野 晋也君
      大村 秀章君    奥谷  通君
      梶山 弘志君    小林 興起君
      河野 太郎君    坂本 剛二君
      新藤 義孝君    砂田 圭佑君
      野田 聖子君    林  義郎君
      細田 博之君    山口 泰明君
      大谷 信盛君    大畠 章宏君
      北橋 健治君    後藤  斎君
      鈴木 康友君    中津川博郷君
      松野 頼久君    山内  功君
      山田 敏雅君    赤羽 一嘉君
      太田 昭宏君    塩田  晋君
      塩川 鉄也君    吉井 英勝君
      大島 令子君    原  陽子君
      宇田川芳雄君    西川太一郎君
    ……………………………………………
   通商産業大臣       平沼 赳夫君
   国務大臣
   (経済企画庁長官)    堺屋 太一君
   金融再生政務次官     宮本 一三君
   経済企画政務次官     小野 晋也君
   通商産業政務次官     坂本 剛二君
   通商産業政務次官     伊藤 達也君

   政府参考人
   (警察庁生活安全局生活環境課生活経済対策室長)  粟野 友介君
   政府参考人
   (経済企画庁国民生活局長)            池田  実君
   政府参考人
   (文部大臣官房審議官)  玉井日出夫君
   政府参考人
   (通商産業大臣官房商務流通審議官)        杉山 秀二君
   参考人
   (国民生活センター理事長)            糠谷 真平君
   商工委員会専門員     酒井 喜隆君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 連合審査会開会申入れに関する件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件

 訪問販売等に関する法律及び割賦販売法の一部を改正する法律案(内閣提出第八号)





    午前九時一分開議

     ――――◇―――――

古屋委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、訪問販売等に関する法律及び割賦販売法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、参考人として国民生活センター理事長糠谷真平君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

古屋委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 引き続き、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として通商産業大臣官房商務流通審議官杉山秀二君、経済企画庁国民生活局長池田実君、警察庁生活安全局生活経済対策室長粟野友介君及び文部大臣官房審議官玉井日出夫君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

古屋委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。



    ―――――――――――――



古屋委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山口泰明君。


山口(泰)委員 おはようございます。自由民主党の山口泰明でございます。
 訪問販売法のことなんでございますけれども、一点、我が選挙区に関することで、小川信用金庫が破綻をいたしまして、資産が没収されるなど生活権が脅かされている緊急事態から、大変恐縮でございますけれども、何点かお伺いをしたいと思います。

 今、地元の深刻な声として、形態は別としても、大手金融・保険会社、最近では熊谷、ハザマ等に国の資金を投入したのに、どうして私たち中小・小企業には同じように国の支援がないのでしょうかというのが本当に切実な声であります。中小・小企業にも今までもいろいろな対応はとられてきたわけでありますけれども、平成の不況を耐え抜き、ようやく日差しの見えるところまで頑張ってきた会社が、突如、小川信用金庫の倒産で融資が受けられずに死に体になってしまっているわけであります。
 そこで、対策を講じていただきたいことを以下申し上げます。

 まず一点目として、引き受けの埼玉県信用金庫は速やかに融資が受けられるよう促進してほしいこと。二つ目としては、小川信用金庫と取引をしている会社または個人は、倒産や自己破産に至ることのないよう、債務返済については返済可能な、できれば長期返済にしていただきたい。また、大手銀行のようにほとんど債権放棄してほしいとまでは言いませんけれども、せめて半分ぐらいはしてほしいというのが中小企業者の切実な声でもあります。
 特に、サラリーマン、住宅ローン契約者が約九千人ぐらいいるわけでありますけれども、この住宅ローン会社、埼玉中央保証というのが、実は、小川信用金庫の系列にあるために清算法人として現在検討をされているわけであります。保証会社が倒産するという事態になれば、住宅ローン契約者の債務も整理回収機構に回されるのか、また残金数千万円を直ちに返済する義務があるのか。
 その方針並びに不安解消のために以上四点をお聞きしたいと思うんですが、よろしくお願いいたします。


宮本政務次官 お答えを申し上げたいと思います。
 四点の御質問でございますが、最初に、地元の中小企業への融資を促進するように指導してほしいというお話でございます。
 確かに、金融機関の経営破綻に伴いまして地域経済に非常に深刻な影響を与えるわけでございますが、この影響を最小限に食いとめなきゃいかぬ、これは当然でございますし、またそのために一生懸命努力をいたしている次第でございます。
 ただ、申し上げるまでもございませんけれども、民間の金融機関の個々の融資対応につきましては、基本的には各金融機関の自主的な経営判断ということで決定されているわけでございます。したがいまして、個々の融資対応につきまして監督当局が介入するというようなことは当然できませんが、いずれにいたしましても、当局といたしましては、金融機関の健全な取引先への資金供給が円滑に行われないというような事態が生じないように、状況を見守りながら適切に対応してまいりたいというふうに考えております。

 それから、第二点についてでございます。取引先が倒産あるいは自己破産しないように、返済について長期返済に変更することができないかという御指摘でございます。
 ごもっともな要望だというふうな感じはわかるわけでございますが、返済条件についてでございますが、この変更も含めまして、やはり債務者と金融機関との当事者間の話で決められるべきものでございまして、これもなかなか当局として一々どうということにはならないわけでございます。しかし、何はともあれ、健全な金融取引先、これが資金供給で困るというふうなことのないようにできるだけ努力をしてまいりたい、このように考えております。

 それから第三点でございますが、債務者に対して債権放棄をやっているところもあるじゃないか、せめて半分ぐらいどうかというお話でございます。
 業況が悪化して事業継続が厳しい融資先に対しまして、金融機関が債権放棄を含めた支援を行うかどうかということにつきましては、これはやはり経済合理性ということが問題でございまして、債権放棄を含めた支援について合理性がある場合、しかも、関連する複数の金融機関や債務者という相互に利害の対立する関係者がございますから、そういった方々も含めて、関係者がそれぞれぎりぎりの経営判断を行った上で、個別的、具体的に、ケース・バイ・ケースにそういった対応を判断されているわけでございますので、当局としてもこれについて直接にコメントするというようなことはできないという点も、ひとつ御理解を願いたいと思います。

 それから、最後の御指摘でございます。
 確かに、住宅ローンの契約者が非常に大きな数に上っております。その住宅ローンの債権の保証の立場にある保証会社がまた清算法人になるというような事態が生じたわけでございますだけに、非常に大きな影響が出たわけでございます。
 一般的に、破綻した金融機関の資産の切り分けといいますか、受け皿の金融機関に受けてもらう場合とそうでない場合というふうな問題につきましても、破綻金融機関あるいは受け皿の金融機関相互間におきまして、取引先の事情等をそれぞれ個別に総合的に判断して、どうするかというような結論を出しているわけでございます。したがいまして、先生のお尋ねの問題について、個々の事情に即して当事者間で決定していただきたいというふうに答える以外に当局としてはないわけでございます。
 また、整理回収機構においては、債務者の実態把握に努めております。それとともに、債務者の立場にも十分配慮した上で回収を行うことといたしておりますが、いずれにいたしましても、約定どおりに債務を返済しているということでありますれば、これは期限の利益を失うということはないというふうに思っております。
 以上でございます。


山口(泰)委員 ちょっと、はいわかりましたとは言えないのですが、ぜひ、中坊さんの言葉じゃありませんけれども、血も涙もある行政をしていただければ大変ありがたい、対応していただきたい。
 もう時間がなくなってしまったものですから、一点、簡潔に。
 今、消費生活センターが全部縮小の方向でいってしまうのですが、これからどんどん、問題は三倍ぐらいにふえているわけでありますから、その辺について。時間がありませんけれども、それだけお聞きしたいのでございます。


池田政府参考人 お答えいたします。
 地方の消費生活センターについての御質問ですが、消費者契約法が来年の四月から施行されるということで、消費生活センターの役割というのは一層高まっていくものと思っております。確かに、先生おっしゃるとおり、一部の都道府県で、市町村での消費生活センターが拡充されてきたとか、行財政の効率化ということを背景にして縮小の動きがあるということは承知しております。私どもとしましては、こうした消費生活センター縮小の動きが適切な苦情処理を妨げることがないように、地方自治体に要請を行ってきました。
 さらに、国民生活審議会に地方消費者行政に関する検討委員会というものを設置しまして、各地の地方消費生活センターの苦情相談業務のあり方について調査審議していただきまして、ことしの七月に、都道府県にも苦情相談処理を行う固有の責務があるのだということなどを内容とする報告書を取りまとめていただいております。都道府県の消費生活センターのあり方については、各都道府県において自主的に判断されるべき事項ではありますが、この報告書を参考として、都道府県が消費者行政を適切に推進するよう、都道府県に対して私の名前をもって要請を行っているところであります。

 また、国の支援として、経済企画庁として、今後とも、先生御承知のとおり、PIO―NET、全国消費生活情報ネットワークシステムの充実、あるいは国民生活センターにおける研修の実施、あるいは相談業務に対する情報提供等を行って生活相談員の支援を行う、そういうようなことを通じて、各地の消費生活センターの充実強化に向けた支援に努めていきたいと思っております。

山口(泰)委員 では、質問を終わります。ありがとうございました。





古屋委員長 赤羽一嘉君。

赤羽委員 公明党の赤羽一嘉でございます。
 限られた時間でございますので、質問に入りたいと思います。
 まず、訪問販売等に関する法律につきましてお尋ねしたいのは、消費者契約法との関係についてでございます。
 消費者利益の擁護のための基本ルールを定めた消費者契約法が、本年五月、通常国会で成立したわけでございます。これまでは、消費者利益の擁護につきましては民事ルールとしての消費者契約法による救済が一般原則であって、それが十分でない場合には個別法による対応がなされるということになったはずでございます。
 今回の訪問販売法の改正につきましては、消費者契約法が成立して以降初めて消費者保護の個別法が成立をするわけでございますが、消費者契約法では今回のトラブルになった事案に十分対応できない、解決には不十分だとする根拠はどこにあるのか、消費者契約法との関連性について御説明をいただきたいと思います。


平沼国務大臣 消費者契約法は、事業者、消費者間の契約に係るトラブルについて、例えば事業者による虚偽の説明があった場合などにおいて、事後的な救済策として契約の取り消し等を認める民事法上の一般ルールを定めたところであります。
 このため、トラブルに遭った消費者には消費者契約法によって救済の道が開かれますけれども、問題のある業者が引き続き事業を行った場合、他の消費者との間でさらにトラブルを生じさせるおそれがあるわけであります。したがって、トラブル予防には不十分なところがあります。
 したがって、今回の内職・モニター商法のように、特定の形態の悪質な商法についてトラブルが急増する。例えば、内職・モニター商法の苦情相談件数は、平成元年は約二千件でございましたけれども、十一年はこれが一万七千件になっている。こういうふうにして急増するといった問題に対応するためには、消費者契約法による事後的な救済策のみでは十分とは言えない。
 このため、本法律案により事業者の義務を定めまして、悪質な商法を取り締まるための行政規制のルールや刑罰を定めて、厳正な法執行によるトラブルの未然防止を図る必要がある、こういう考え方であります。
 したがって、両法は補完関係にあって、車の両輪のような感じですけれども、両者相まって消費者保護の実を上げる、こういう考え方でお願いをいたしております。


赤羽委員 私も、今大臣の御答弁にあったように、トラブルの処理については二つの側面がある、こういったことはそのとおりだと思います。
 まさに、こういったマルチ商法とか内職・モニター商法をしている業者というのは、恐らく、ある意味では、たちの悪い人が取り締まられてはまた姿形を変えて繰り返し行う。こういった悪質な業者というのは、なかなか根を絶つことが難しいのではないか。そういった意味で、悪質業者取締法としての今回の法律改正というのは、なされるべきだというふうに思っております。

 その中で、例えば内職・モニター商法ですと、このパソコンを買ってくれればこういった商売ができますよ、それは、その人だけに対してすれば履行はできるかもしれませんが、そういった商売をずっとすれば、不景気な時代においしい話をつくっていくというのはそんな簡単な話じゃなくて、そんな商売があるならパソコンを売るような商売をしなくたって成り立つ、非常に矛盾を抱えているわけですね。

 その悪質な事業者に対する取り締まりの側面で、要するに、クレジット会社が自分の加盟店の審査を一層厳格に行うということが私は大事なんじゃないか。経営実態が不明確だとか悪質な事業者を排除していくということが必要なのではないかというふうに思うのです。
 逆に言うと、そういったクレジット会社も、これだけの状況が厳しいときですから、顧客をふやしたい。非常にその辺が、顧客管理というのは、加盟店審査というのはあいまいになる傾向があるのではないか。しかし、そこをしっかり厳格に取り締まることが、いわゆるマルチ商法とか内職・モニター商法における悪質業者取り締まりが大事だと今大臣御答弁いただきましたけれども、本当に最も大事な点ではないかと思うのですが、この点についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。


坂本政務次官 ただいま御指摘のありました件は、先生のおっしゃるとおりでございます。
 これまでも、通達上の指導に加え、機会をとらえては、業界に対して加盟店管理の徹底を図るよう要請してまいったところであります。
 ことし一月に、改めて当省からクレジット業界に対して、加盟店管理の徹底を図るよう要請したところでありますが、これを受けてクレジット業界各社は、消費者トラブルの多い商品、役務等を取り扱う約九千の加盟店につきまして、その販売方法等のチェックを行ったわけでございます。その結果、販売方法に懸念のあるものとして、七十六の加盟店との取引を停止いたしました。それから、百八十九の加盟店に対して販売方法等の改善要請を行ったとの報告を受けております。
 当省といたしましては、引き続き、クレジット業界における加盟店管理の徹底について、あらゆる機会を通して指導をしてまいりたいと考えております。


赤羽委員 また、今回の改正点に入っていると思いますが、契約書面の交付を義務づけている、これは大変大事だというふうに思っております。
 契約自体は、商売の契約というのは、多分口頭で行ってもその成立は認められるというのが一般的な考え方かと思いますが、消費生活センターの苦情例なんかをインターネットで引いてみますと、言った言わないの水かけ論、だまされた、証拠がなかなか残っていない、こういったようなことがある事例が多いものですから、この契約書面の交付というのは大事だと思いますし、また、クーリングオフの期間を二十日間にするという中で、これも交付時から二十日間というふうにされているものだと思いますが、そういったことも大変重要なことではないかと思います。

 私はいつもこの契約書、私自身生命保険に入るときとかにいろいろ思いますが、契約書の裏面に物すごく細かい字で、非常に消費者の側に不利になると言ったら言い過ぎですけれども、読みこなせないような文面で、かつ細かい字で、非常にあいまいな、一般の人では読み取りにくい文言になっているケースが多いと思います。
 この契約書面の交付と同時に、契約書面の表記の仕方、大事なことを明確に書くということはもちろんですが、当事者が読んでわかるような契約書づくりというものを行っていくべきではないかと思いますが、その点についてのお考えをお聞かせください。


坂本政務次官 今回の改正法案における内職・モニター商法に関する規制では、事業者に対して、契約内容を明示した書面を消費者に交付することを義務づけております。そして、この書面の記載事項としては、その詳細は省令で規定することとしておりますが、事業者に対して、御指摘のような業務の提供条件や収入の計算方法、金銭的負担の内容などの契約内容を具体的かつ明確に記載するよう求めております。
 具体的には、販売する商品の性能とか品質等、あるいは今おっしゃったクーリングオフ等の契約の解除に関する事項、こういうことを細かく義務づけることによって、ふなれな個人が契約内容をよく知らなかったりあるいは契約内容があいまいなまま契約を締結することが防止されるとともに、後日契約内容をめぐるトラブルが生じた際には有力な証拠となるように期待をされているところであります。


赤羽委員 契約書面の表記で、なるべく消費者保護の観点に立って御指導をお願いしたいと思います。
 次に、マルチ商法に関して、警察庁の方に来ていただいていると思いますので、お聞きしたいと思います。
 現行制度では、組織に加盟するに当たって条件とされる特定負担が二万円以上のものに限って規制をしておりますが、警察のお話を漏れ聞くところによると、これが摘発の障害になっている。だからここを何とかしてほしいという警察当局からの要請があったというふうに聞いておりますが、その障害となっている実態はどうなのかということが一点。
 また、今回は罰則規定そのものの改正はなされていないわけです。そのなされていない条件の中で、負担額の下限額の二万円というものが撤廃されるということ、この改正がなされることによってどれほど悪質業者の摘発が改善されていくのか、その警察庁の決意をお聞かせいただきたいと思います。


粟野政府参考人 お答えいたします。
 現行制度におきましては、マルチ商法に関して、悪質な業者が、訪問販売法の規制がかからないように特定負担の金額を二万円未満に抑える脱法的行為を行った場合、訪問販売法の適用対象外となっております。警察といたしましては、そのような場合であっても、個々の商法の実態に応じ、何らかの違法行為がないかどうかを検討しつつ捜査しているのが実態でございます。しかしながら、捜査が長期化し、その間に消費者被害が拡大するという問題が生じていることから、通商産業省に対しまして、連鎖販売取引の特定負担基準の撤廃を要請したところでございます。
 警察といたしましては、法改正がなされたならば、その趣旨を十分に踏まえまして、悪質業者の違法行為について積極的な取り締まりを行うととともに、関係行政機関、団体とも連携しながら、広報啓発活動を推進し、消費者被害の防止に努めてまいる所存でございます。


赤羽委員 訪問販売の取り締まり件数に比べて、マルチ商法の件数というのは非常に少なくなっている。その状況の中で、マルチ商法の七、八割が二万円の基準額を下回っているというふうにも聞いております。ですから、二万円という下限額を撤廃し、摘発の根拠となるところができるわけですから、悪質なマルチ商法を行っている悪質業者の根絶やしをしていただくように、ぜひ強く要請をしたいと思います。

 引き続き、今山口議員が最後に質問されたことと重なりますが、消費生活センターについてちょっと伺いたいと思います。
 やはり私、いろいろ考えるのですけれども、法制度の改正をするということは大事ですが、いろいろな事案をインターネットで見ていますと、仲裁に入った消費生活センターの担当者がどれほど丁寧にフォローするか、これで事が決着がつくかどうか。それをしないと、結局は泣き寝入りされている。
 特に私が驚いたのは、被害者が障害者のケースが物すごく多いのですね。今回クーリングオフを二十日間にするというのは大事な改正ですけれども、要するに、障害者の方の場合、クーリングオフが二十日間に延びても、その中で自覚して物事を対処できる、契約を変更できるというようなことには余りならないと思うのです。どうも事案を見ていますと、もうにっちもさっちもいかなくなって、どうなんだということで、第三者が消費生活センターに駆け込んで、そしてその消費生活センターの人が丁寧に話を聞いた場合に、いろいろかけ合って、当事者を呼んで仲裁をする、それで契約を不履行にさせる。
 こういったことの意味では、制度を整えるということは大事ですけれども、悪質な業者を取り締まるという側面の制度改正というのはいいと思うのですが、消費者の、実態の被害者の保護という意味では、どこまでいってもやはり現場の消費生活センターの皆さんのファンクションというのは物すごく大事だというふうに思っております。

 そのファンクションが、先ほどの御質問にもありましたけれども、最近、行政改革の流れの中で、都道府県ではなくしていくというような方向にあるというのは、これはまさに、車の両輪のための法改正とはいいながら、現実として片っ方の車輪がなくなっていくことにつながってしまっては、何のための法改正かわからないというふうに私は思っております。
 経済企画庁は、各都道府県にある、市町村にあるセンターについてどれだけ権限があるのかはわかりませんが、それを人ごとにしていってしまっては、まさに画竜点睛を欠くような状況であると思いますので、ぜひ、もともとこの消費生活センターをつくられた由来ということから、経済企画庁の長官としての御見解と御決意を聞かせていただきたいというふうに思います。


堺屋国務大臣 委員御指摘のように、消費者行政を円滑に行うためにはやはり現場の消費者センターの活動というのが非常に重要でございますし、苦情件数なども急速に増加しております。しかるに、消費者行政関係の都道府県、市町村等の予算を見ますと、毎年、財政の厳しさを反映いたしまして、数%ずつ減少しており、一部の都道府県では、この数を減らし、市町村の消費者センターで代行してほしいというような傾向があらわれております。

 平成十三年四月の消費者契約法の施行に伴いまして、消費者センターの役割は一層高まっていくものと思われるわけですけれども、市町村での消費者センターの充実、これも、市町村の方も必ずしも予算がふえていないで、むしろ減っているという実態があるのですが、それと行政の効率化ということを背景といたしまして、一部の都道府県で消費者センターが縮小する動きがあるというのは、私どもとしてはまことに残念なことだと考えております。

 また、経済企画庁といたしましては、国民生活審議会に地方消費者行政に関する検討委員会を設置いたしまして、各地の消費生活センターの苦情相談業務のあり方について調査審議していただき、ことしの七月に、都道府県にも苦情相談処理に伴う固有の責務のあることを内容とする「都道府県と市町村における苦情相談・処理業務のあり方について」と題します報告を取りまとめていただきました。
 都道府県の消費者センターのあり方については、もちろん各都道府県自身がお決めになることでございますが、都道府県に対して、この国民生活審議会の報告を参考として消費者行政を適切に推進していただくよう要請しているところであります。
 企画庁といたしましては、今後ともPIO―NETの充実などによりまして、国民生活センターにおける研修の充実、相談業務に関する情報提供等による消費生活相談員への支援などを通じて、各地の消費者生活センターの充実強化に向けて努力してまいりたいと考えております。


赤羽委員 まさに行政改革というのは大事な視点でありますけれども、国民にとってよりよい行政を行っていくというのがその本義だと思いますので、政治的なリーダーシップを発揮して、こういうことを廃止していくような都道府県については、どういった状況なのかを聞き取り調査を行うなどの措置をぜひお願いしたいというふうに思っております。
 時間がありませんが、最後に大臣にお聞きしたいのは、要するに商取引というのは、インターネットの普及なんかにもよって、現状変わってきておりますし、これからますます新たな取引形態が出てくることが予想されます。その新しい取引形態の中で、考えられないような、現行法では想定できないようなトラブルも生じる可能性というのは十分にある。これは否定できないところでありますし、また、今の法制度を一生懸命やったとしても、結局契約者たり得る当事者の自立意識というか、契約概念、そういったものの啓発というのも大事だと思います。
 先ほど私申し上げました障害者が被害者になるというのも、そんな簡単に一朝一夕でいくような解決法もなかなかないと思いますが、この法改正で満足することなく、今後状況が変化していく中で、この問題については引き続き責任官庁として責任をとっていくということについての御決意を聞かせていただき、質問を終わりにさせていただきます。


平沼国務大臣 委員御指摘のように、消費者トラブル防止のためには、消費者自身が自己責任を認識してトラブルに巻き込まれないように十分注意を払うことが最も有効だ、私どももそう思っております。
 そのために、消費者に対して悪質商法や消費者トラブルの実態、関係法制等について十分な情報を提供して、消費者の注意を喚起することが重要と考えてきておりまして、通産省といたしまして、従来から都道府県や関係団体と連携協力しながら、説明会、パンフレット作成、そしてその配布、それから、本年十月から十二月まで、全国の九局で、十三テーマにわたって、テレビ番組等で高齢者そして若年層、主婦などを対象にしたわかりやすい情報の提供などに努めてきたところです。
 御指摘の障害者の方々については、なかなか難しい問題がありますけれども、やはりいろいろ工夫をして、障害をお持ちの方々がいたずらにトラブルに巻き込まれないように万全たる措置を通産省としてもこれから引き続き打ってまいりたい、このように思っております。

赤羽委員 どうもありがとうございました。





古屋委員長 大畠章宏君。


大畠委員 民主党の大畠章宏でございます。
 訪問販売等に関する法律及び割賦販売法の一部を改正する法律案について、質問をさせていただきたいと思います。
 正直なところ、今回の法律案の内容については率直に評価をしたいと思います。しかし、不十分なところもございますので、そういうものを確認するという意味で何点か質問し、民主党の時間内での中山理事やその他の同僚議員の質問に譲りたいと思います。

 最初にこの法律案についてちょっと伺いたいと思うのですが、今回、この改正案では、訪問販売等に関する法律から、特定商取引に関する法律ということに、法律の名前を変えることになるわけであります。
 そこでお伺いしたいと思いますが、過去の法律の流れを見ますと、訪問販売等に関する法律の最初の立法というのは一九七六年。当時社会問題化していたマルチ商法は、連鎖販売取引と称され、同法の規制対象となりました。

 当時の総理大臣の諮問機関である国民生活審議会が、マルチ商法は社会的に無価値であり直ちに禁止すべきものと提言しましたが、立法技術的に困難とされ、また、よいマルチと悪いマルチがあるとのことから、悪質なマルチを実質的に禁止する目的を持った行為規制法として法律は誕生したところであります。
 この実質禁止という立法趣旨は、その後同法が改正された一九八八年及び一九九六年も、通産省当局は国会において、踏襲することを確認しています。
 今回の法律改正で、法律の名前は特定商取引に関する法律となるわけでありますが、その立法趣旨は今回も踏襲されると理解していいのかどうか、最初に伺いたいと思います。


平沼国務大臣 いわゆるマルチ商法を対象とする連鎖販売取引規制というのは、委員御指摘のとおり、昭和五十一年の法制定時以来、連鎖販売型の取引をできるだけ広く対象として、事業者に契約内容を明示した書面等により顧客への明確な情報提供を義務づけるとともに、不実告知や威迫、困惑などの不当な勧誘行為を禁止して厳正に取り締まることによって、悪質なマルチ商法については今おっしゃったように実質的に禁止する、こういう基本的な考え方は変えておりません。その考えに立っております。
 今回の改正は、最近のマルチ商法に関する消費者トラブルの増加を踏まえて、規制逃れを防止するため、負担金額による適用除外制度を廃止するとともに、誇大な広告の禁止など広告規制を強化するものでもあります。
 この改正内容は、先ほど述べた法制定時以来の連鎖販売取引規制の基本的な考え方に立ちまして、その趣旨を一層徹底し、より実効あるものとするためのものである、こういう考え方に立ってお願いをいたしております。


大畠委員 わかりました。これまでの法の趣旨は踏襲するということの確認をさせていただきました。
 次に、正直なところ、ここ数年非常に被害者が増大しまして、それをどうするかということで今回の法律の改正案の提出になったと思いますが、最近のマルチ商法等々の、あるいはモニター商法等々の被害状況の推移と実態について、国民生活センターにお伺いしたいと思います。


糠谷参考人 お答えを申し上げます。
 私どもが運営をいたしております全国消費生活情報ネットワークシステム、いわゆるPIO―NETと言っておりますけれども、そこで把握しておりますデータで御説明申し上げます。

 最近の、いわゆるマルチ、マルチまがい商法と私ども言っておりますけれども、それの苦情相談件数でございますが、平成七年度六千六百五十六件、平成八年度九千九百三十九件、九年度一万四千四百四十一件、十年度一万六千四十五件、十一年度が一万七千八百四十二件ということで、十年度以降、増加率は低くなってきておりますけれども、依然増加を続けているという状況でございます。

 次に、モニター商法でございますけれども、モニター商法の苦情相談件数は、平成七年度が七百八十八件、八年度が千百二十件、九年度が千五百五十八件、十年度が二千二百十六件、十一年度は五千四百九十三件となっております。十一年度は若干、幾つかの倒産事例等がございまして相談件数が急増したということもございまして、十二年度に入りまして、レベルは低くなっております。数字としては減少しておりますけれども、依然高水準である、こういう状況でございます。


大畠委員 今お話があったものが日本の経済成長だったらいいなと思うんですが、苦情件数がえらいふえているわけですね。今のお話だと、平成七年度六千六百五十六件が、平成十一年度は一万七千八百四十二件。さらに、モニター商法等々では七百件あたりが五千件までふえている。十倍近いふえですね。
 実態はそうなんだと思うんですが、時間があったらまたお伺いしたいんですが、大臣、ことしになってからの情報はどうかと私も事務局に聞いたら、情報がまちまちだから、ことしのものは集めていませんと言うんですよ。もう十月時点なんですね。きょうは十一月ですね。十カ月過ぎてもまだ統計が上がってきていないというのは、IT社会の中において、私は、何かずれているんじゃないか。十一年度までのお話がありましたが、十二年度と聞いたら、出せませんと言うんですね。

 もしも政府がIT社会を目指すというのであれば、こういう被害者の状況は毎月毎月とにかく集計して上がってくるようにしないといけないんじゃないかと私は思いまして、委員長、これは質問通告もしていませんが、IT社会を目指す、IT国会という臨時国会になっていますが、やはり情報が下からきちっと上がってくるということが、一番臨機応変にできるわけですよ。そこら辺も、五年間でえらい被害者がふえているという情報は四月の段階でも聞いていたんだけれども、四月の段階の話と全く同じ話しか十月の段階でも出てこない事態が、私は、どこか真剣さがないんじゃないかという感じがしますよ。
 大臣、これは大臣が号令をかけてもらって、もっと全国の情報をスピーディーに集めて、それをキャッチして、また対応していく、そういう体制をつくるように指示してくれませんか。


平沼国務大臣 経企庁とよく御相談をしながら、やはり今先生御指摘のように、インターネット革命、こういう形で推進をしておりますので、そのような観点も取り入れて、よく連携をとって迅速な対応に努めてまいりたい、こういうふうに思います。


糠谷参考人 御説明が十分でなくて申しわけございませんでした。
 平成十二年度に入ってからの数字でございますけれども、十月三十一日現在まで、当然、数字としては把握をしてございます。
 モニター商法の相談件数でございますが、今年度に入って、十月三十一日までで一千五十五件でございます。


大畠委員 モニター商法に関して一千五十五件。平成十一年度に一万七千件もあったんですよ、それが一千件なんかに減るわけがない。だから、どこかが詰まっているんですよ、情報の漏れが。
 大臣、去年が一万七千、ずっとふえてきたんですよ。それが急に一千件なんかになるわけがないんだ。だから、そういう情報の上げ方が非常に不十分だと私は思う。
 これは答弁要りませんが、とにかく、大臣が答弁されたように、もうちょっと正確な情報がきちっと上がるようにしてください。そんな、十月時点で一千件なんという情報で、それを真に受けて委員会で答弁するなんというのは、ちょっとあれですよ。もうちょっと真剣にやってもらいたいと思うんですね。
 答弁、何かありますか。


糠谷参考人 モニター商法の件数は、平成十一年度が五千四百九十三件でございます。それで、十二年度が、十月三十一日現在で一千五十五件でございます。(大畠委員「マルチ商法は」と呼ぶ)マルチにつきましては、私、今手持ちは十月二十九日現在の数字でございますけれども、六千八百七十三件でございます。ということで、レベルは依然として高い、こういうことでございます。
 モニターでございますけれども、昨年度は特殊要因があってかなり大幅にふえた、そういう状況でございます。


大畠委員 いずれにしても、前年度五千件近くあったのが一千件という話で、もうちょっとデータの信頼性を高めるように努力してもらいたいと思うんです。
 それから、次の質問に移りますが、ことしの四月の商工委員会において、消費者契約法の質疑を行いました。そのときに、いろいろやりとりがあったんですが、警察当局の話としては、この当時、警察庁の生活安全局長の黒澤さんが、法令の規定の整備が図られることが検討されます場合には、私どもの取り締まり等を通じて承知しております実態あるいは問題点につきまして、関係省庁に対して所要の協力を行うなどいたしてまいりたいと考えておりますという答弁をされ、その後のさまざまな意見交換があった後、いわゆる特定負担二万円以上という条項がやはりひっかかっている、これは先ほど赤羽さんもお話しされましたから、今回の法改正で警察当局としては行動しやすくなったと考えているところであります。

 いずれにしても今回の改正、すなわち九六年の法改正時に通産省当局が通達でカバーしていたものを、裁判では通産省通達と逆の判断が出ていた、こういう事例があって、これを受けて通達を正式に法文化したと受けとめているところでありますが、ここまで法律改正をしたわけでありますから、警察当局としては、とにかく万難を排して、先ほど赤羽さんもおっしゃっていましたけれども、徹底して取り締まるということができると思いますが、警察当局のお考えを伺いたいと思うんです。


粟野政府参考人 今回の法改正によりまして、特定負担を二万円以下に抑える脱法的行為が規制の対象となることから、取り締まりを通じまして、消費者被害防止に資するものと考えております。
 警察といたしましては、従来から、国民の取り締まり要望や悪質商法の実態に即した取り締まりを行ってきたところでございますが、今回の法改正が行われましたら、その趣旨を十分に踏まえまして、違法行為につきまして積極的な取り締まりをしてまいる所存でございます。


大畠委員 それから、いろいろな話を聞いていますと、捕まえても捕まえても、二年以下の懲役あるいは三百万円以下の罰金という話になっていて、少年法がこの間改正されましたけれども、もう織り込み済みなんですね。万一捕まったら二年間だけ我慢すればいい、出てこられるからというようなたぐいで、これはまさに、前回質疑がありましたが、一罰百戒に当たりますが、万が一捕まった場合には我慢してくればいいと。

 平成十一年度、一万七千八百四十二件も苦情相談がありながら、検挙件数が二件ということで、検挙件数と被害者のトータル件数というのは大体逆比例といいますか、検挙件数が少なければ被害がふえるという、結局、どうも私はもう織り込んでいるのだと思うのですよ。もうとにかくやりたいだけやれ、万が一見つかったら、二年間だけ我慢すればいい、三百万円だ。こういうことでは、警察当局が一生懸命取り締まったってまたすっと出てくるということでは、非常に警察当局も取り締まりがいがないのかな。
 そういう意味では、詐欺罪が十年以下の刑でありますが、半分ぐらいの五年以下の刑にするとか、少し罰則強化も検討すべきではないかと私は思いますが、この件について伺いたいと思います。


伊藤政務次官 罰則の強化については、昨年の法改正において、法の抑止力を高めるべく、一年以下の懲役を二年以下、百万円以下の罰金を三百万円以下とするなど、懲役刑及び罰金刑それぞれにつき強化を図ったところであります。
 この罰則の強化により、本法による罰則の水準は、他の消費者保護関連の法律の罰則などから見ても妥当な水準になっているものと考えております。例えば、不実告知に対する罰則を見れば、本法では二年以下の懲役または三百万円以下の罰金となっているのに対し、ゴルフ法が一年以下の懲役または百万円以下の罰金、預託法が二年以下の懲役または百万円以下の罰金となっているところであります。


大畠委員 伊藤政務次官の答弁はわかります。それは一つの見識だと思うのですけれども、さっきのモニター商法と同じように、あるいはマルチ商法もそうですが、国民の実態というものを敏感に感じ取って対策をしなければならないのですよ。横にらみでオーケーだからまあいいだろうというわけにいかない。被害が一万七千件等々の推移を続ける、あるいはなかなか減らない。私は、一言で言えば、この被害者の数を半分ぐらいに減らしたいのですよ。
 だから、そこら辺は、横にらみで同等ですといったって、被害者がなかなか減らないとか増加傾向にあるというときは、やはり何かの手を打たなければならぬ、そういう敏感な反応、あるいは社会の変化に対する敏感な反応を、伊藤政務次官、もうちょっとよく考えて、罰則強化に向けてもさらに検討していただきたいということを申し上げておきたいと思います。

 それから、通産省は、立法趣旨にかなう行政を展開せよということで期待が大きいわけでありますが、PIO―NET、先ほどありましたけれども、私は、とにかくこの際半減させるという目標を持ってやっていただきたいと思うのです。
 具体的にどんなことをやったらいいかといろいろ私自身も考えてみましたが、例えば行政当局みずからの、訪問販売法の立法趣旨、今回の法律改正の趣旨を徹底させるとか、あるいは消費者行政の法の周知徹底を図るとか、被害増大業者の氏名公表及び営業停止命令の実施とか、信販会社に対する行政指導の強化、加盟店管理問題等いろいろありますが、そういうものを強化するとか、消費者教育、啓発のさらなる強化、とにかく、あらゆることをこの法律の改正を契機にやっていただきたいと思いますが、通産省当局の具体的な考えを伺いたいと思います。


伊藤政務次官 罰則の強化と並んで、今委員から御指摘がございましたように、このトラブルの件数を半減していくためには、立法趣旨にかなう行政の推進をしっかりやっていかなければいけないと考えております。
 通産省としましては、これまでも都道府県と協力しつつ、事業者に対する指示や報告徴収などの行政措置の実施に努めてきているところであります。加えて、来年一月には、法執行をさらに強化するため、それを専門に担う消費経済対策課を新設し、取り締まりへの取り組みを一層強化することとしております。

 また、消費者に対する情報提供については、従来から消費者団体や地方自治体などとともに連携協力しながら、先ほど大臣からもお話がございましたように、パンフレットの作成、配布、テレビ番組の作成、放映等を通じ、悪質なマルチ商法やトラブルの実態等、消費者に対する必要な情報提供に努めてきたところであります。
 今後とも一層積極的に取り組んでいきたいというふうに思っております。


大畠委員 今の答弁の中で、特にここのところはどうですか。被害増大業者の氏名公表並びに営業停止命令の実施。ここら辺なんですよ、一罰百戒というのは。この企業はこんな悪いことをしましたよというのを明らかにすることが、他の業者に対して、ああ、ここらまでやったらやり過ぎなんだなという警鐘になるんですよ。ここのところの再答弁を求めます。政務次官の自分の考えで言わなければだめだ。


伊藤政務次官 行政措置を実施した際の公表については、業務停止命令を行った場合にはこれまでも事業者名等を公表してきたところであります。また、指示についてこれまで公表した実績はありませんが、消費者トラブルの拡大の防止など消費者利益の保護の観点から、特に必要があると認めた場合には公表が適当な場合があると考えたことから、今後個別ケースごとに消費者トラブルの実態も踏まえ適切に判断をしていきたいというふうに考えております。


大畠委員 正確な答弁も必要なんですが、やはり政治家同士の話をしようというのがあれですから、伊藤さんらしい話が聞けたらいいなと思いましたけれども、わかりました。
 最後になりますが、とにかく脱法行為に対しては即対応してほしいという期待が寄せられています。これまではマルチ対策は規制と脱法の繰り返し、こんな感じだったのですが、今後どのように対策を行うのか、通産大臣のお考えを聞きたいと思いますが、その前に警察当局、どうですか。この際、法律改正に伴って全国一斉取り締まりを行う、そのぐらいの気概を持ってやってもらいたいと思うのですが、警察当局の決意と大臣からの、脱法行為に対しては即いろいろな行動を行うという決意をお二人から伺って、質問を終わりたいと思います。


粟野政府参考人 警察といたしましては、今回の法改正によりまして、これまで規制の対象になっていない業者が規制対象になってくるということで、その動き等もよく見きわめながら、全国警察に対してしっかり指示をしながら取り締まりをしてまいりたいと考えております。


平沼国務大臣 このマルチ商法に関しましては、昭和六十三年、平成八年、平成十一年、こうして三度にわたって規制対象の拡大、規制内容の強化、罰則の強化等、法改正を行ってきました。今委員御指摘のように、それだけ次から次に続いているわけであります。
 加えて今回、規制逃れを防止するため、負担金額による適用除外制度を撤廃しました。また、広告規制を強化するなど、悪質なマルチ商法を取り締まるための規制強化を行うことにいたしております。

 このような法改正を踏まえまして、今警察当局からもその意思表示がございましたけれども、警察等関係機関とも我々連携を密にいたしまして、法律の厳正な執行によりまして規制逃れの形態を強力に取り締まることが重要と考えております。
 今後も、法の網をかいくぐる、そういう新手の脱法行為があらわれる可能性も、先ほど委員御指摘のように否定できません。ですから、これに対しては、トラブルの実態等に十分に注意をして、必要に応じて迅速かつ機動的に、徹底的にやってまいりたい、こういうふうに思っております。


大畠委員 あと質問時間五分ということでございますが、今いろいろと質疑をさせていただきまして、通産省当局そして警察庁の決意等々はよくわかりました。
 私はこのマルチ商法問題に取り組んでもうかれこれ七、八年になりますが、私が頑張れば頑張るほど被害者がふえるような統計になっていて、これはどういうことなのかなと非常に理解に苦しんでおるんですが、先ほど言いましたように、規制と脱法の繰り返し。今大臣がおっしゃったように、とにかくこの商法は一回ひっかかったらもうひっかからないんですね。ところが、新しく生まれてきた人は全く未経験な人がたくさんいますから、そこに網をかぶせているわけですね。これの繰り返しで、非常に私は心を痛めていますし、ましてやこれからインターネットの時代に入っていきますと、新たなそういう商法というのを生み出していくと思うんですよ。

 それで私は、とにかく通産省、先ほど赤羽さんからもお話がありましたが、消費者センターとかそういう、地域の被害状況はどうかというものをタイムリーにといいますか瞬時に中央に集める仕組みというのは非常に重要だと思うんです。ああ、こんな商法がまた始まった、こんな被害者が出た、そういうものを、鋭敏にその情報を集めて、やはり法律的にあるいは警察当局の協力も求めながら、それをどうするかということを真剣にやる。
 伊藤さんの話を聞きますと、新しく対策のチームをつくったという話ですが、これをしっかりやってもらいたい。そのためには、センサーが壊れていたんでは対応がとれないんですね。先ほど糠谷理事長からもお話がありましたが、国民生活センターの方もしっかりやってもらいたい。神経が麻痺していたらやはり適切な対応がとれないんですよ。

 先ほど大臣からも御答弁がありました。今度、来年なんかはIT関連の予算をごっそりつけるということですから、このITの予算の中に、大臣、そこら辺、少なくとも地域の実態を即集めて対応できるというようなものをやってもらいたい。そして、その結果として、やっと二〇〇一年からは被害者の数が減り始めたと。そうじゃないと、焼け石に水の法律改正をしても、あるいは委員会でこうやって議論しても、私は救われないんですよ。
 ですから、再度大臣、後ろからメモが回っていますが、大臣の言葉で、ひとつこの問題についてはおれが大臣のうちに半減させるとか、あらゆる努力をして、そろそろそういう被害者を減少させるために全力を挙げる。これは小さな問題といえば小さな問題かもしれないけれども、被害者は多いんですよ、額はわずかかもしれませんが、多いので、ぜひそこら辺から、きめ細かな通産省としての対策をやっていただきたいと私は思いますので、改めてちょっと答弁を求めたいと思います。


平沼国務大臣 先ほどもちょっと申し上げましたけれども、やはり経企庁、そういうところと連携を密にして、先生が御指摘のような体制をとるように努力をしていきたいと思います。
 今、国の方にはIT戦略本部、戦略会議というのが開かれて、そして電子政府の実現ということを一日も早く確立をしよう、こういう大目標の中で、今回の補正予算あるいは来年度予算の中で、IT関連の予算もございますので、電子政府をつくるネットワークの中に、迅速な対応ができる、そういうものを、私どもも十分御意見を反映していきたい、こういうふうに思います。

大畠委員 終わります。




古屋委員長 中山義活君。

中山(義)委員 続いて、民主党の中山義活です。

〜中略〜

 それでは、訪販法の質問に入ります。
 実は、三チャンネルでこの間消費者契約法のシンポジウムをやっておりました。この中で、一つは、確かにおかしな人たちを取り締まることは大事だけれども、同時に、新しい社会の中で新しい契約法があるだろう。そしてまた、その契約法を、全部芽をつぶすのではなくて、将来の新しい時代に合った契約法を考えながら消費者契約法を考えていくべきだ。しかし同時に、大変危険性がある、だから、まずは消費者にも賢くなってもらわなければいけない、そういうような話もありました。
 今回、いよいよ個別法として訪問販売法の一部を改正します。考えてみますと、消費者契約法と今度の法律でやっと一人前になるのかな、または、言い方が悪いなら車の両輪というような言い方をした方がいいかもしれませんが、経済企画庁の立場と通産省の立場、それぞれ、今度の消費者契約法でなぜだめなのか、なぜこういう取締法をつくったのか、この辺の趣旨をまず御説明いただきたいと思います。


堺屋国務大臣 消費者行政につきましては、割賦販売法あるいは訪問販売法、その他個別の法律がいろいろとございます。固有の問題に着目しておりますが、一方、基本的な行政の問題といたしまして、基本的な商法の基準というのと二段構えになっているとお考えいただいていいと思います。
 基本的に、行政庁が取り締まりをし、行政処分を行い、時には処罰を科す、そういう強いものを特定の法律で定めている。事業者が引き起こしますトラブルの被害の拡大を防止し、個別分野におけるトラブルに迅速に対応し、個別分野における特殊な問題に対処するということでは、こういった特別法が有効だろうと思っております。

 一方、消費者契約法というのは、消費者と事業者、この間の締結されます契約のすべてを対象といたしまして、個々の消費者が、契約の申し込み、承諾の意思表示を取り消したり、あるいは消費者の利益を不当に害するような契約項目、条項が入っておるのを無効にしたり、消費者契約にかかわる広範な範囲のトラブルを、消費者みずからの努力によって公正かつ円滑に解決をするということを通じまして、消費者と事業者との情報の格差、あるいは専門知識の格差をなくして、一般的な取引をしよう。
 個別の問題、特定の問題と、一般的な消費者と事業者の関係を決めたもの、こういう形になっておりまして、まさに車の両輪というのが正確な表現ではないかと思っております。


平沼国務大臣 堺屋長官の御答弁に尽きていると思っておりますけれども、中山委員御指摘のとおり、消費者契約法というのは、繰り返しになりますけれども、事業者、消費者間での契約上のトラブルが生じた場合に、消費者の自己責任を前提としつつ、事後的な救済策として、不実告知があった場合には契約の取り消しを認めるなど、民事法上の一般ルールを内容としております。
 それに対して、訪問販売法というのは、これも委員御指摘のとおり、消費者トラブルを未然に防止するために、事業者に対して書面交付、こういったことの義務づけを行いまして、そして、悪質業者を取り締まるための行政上のルールを定めることを基本とするものであります。
 このように、二つの法律で消費者のトラブルの未然防止と事後救済のためのいわば、もう委員もその言葉をお使いになりましたけれども、車の両輪の役割を果たすものとして我々は考えさせていただいています。

 今回の訪問販売法の改正案は、このような訪問販売法の役割を踏まえて、いわゆる内職・モニター商法など、新手の非常に悪質な商法に対して、消費者のトラブルの未然防止のために必要な規制を新設するものであります。また、あわせて、最近ふえてきておりますインターネットの通販の進展に対応した消費者保護策も講じよう、こういうことにしております。
 今回の法改正によって、社会情勢の急速な変化に対応して実効ある消費者保護策を講ずることができる。先ほどの委員の御指摘の中でも、次から次に、大畠議員の御指摘もありましたけれども、こういうことをやって徹底をしていきたい、こういうふうに思っております。


中山(義)委員 消費者契約法の中では消費者とうたっておりますが、保護されるべき人たちがどういう人たちなのか。商売で少し金もうけしようという人がそういうのにひっかかるというのは、詐欺事件でよくあることなんですが、そのひっかかる側が、本当に自分がまじめに何かをやろうとしてひっかかったのか、それとも、自分に、何かうまくそれを利用して金をもうけようとしたのか、その辺の境目というのはあると思うんですね。
 一つは今、内職・モニターの場合、この法律の場合は、例えばSOHO、いわゆる自分の家を事務所にして何か新しい仕事をやりたい、こういう人が、新しい内職を紹介してもらったり、または何かモニターみたいなことをやってみたり、いろいろあると思うんですね。この辺で、保護されるべき人たちというのは、明確にはっきりした方がいいんじゃないですか。その辺、いかがでしょうか。


坂本政務次官 いわゆる内職・モニター商法は、有利な内職やモニター等の仕事を提供するので、それによって収入が得られると言って勧誘し、その仕事に必要であるとして高額の商品を購入させるが、実際には仕事はほとんど提供されないというようなものでございます。
 このような悪徳商法の被害に遭うのは、多くの場合、主婦や高齢者など商取引にふなれな個人であることから、事業者の不適切な行為によってこのような消費者に準ずるような個人に不当な被害が生ずることを防止するため、本法案による規制を行おうとするものであります。

 一方、既に商取引に習熟している者については、消費者保護を目的とする本規制の対象とする必要は認められないことから、保護対象は、事業所その他これに類似する施設において業務を行う個人は除外しており、純然たる事業者間取引とみなされるものは本規制の適用対象外となるわけでございます。健全な事業者であれば規制から除外される程度の内容となっているのでございます。


中山(義)委員 今簡単に言いましたけれども、さっきから言っているように、今のこの厳しい経済状況の中で、奥さんが、少しでも家計を助けよう、こういうことでむしろ積極的に自分から内職を探している場合、または先ほど言いましたように、家で仕事をしようというぐらいの気持ちで、小さなオフィスそれから自分の家でやるというような観点の方たちがどの辺に入るのかな、こういう質問なんです。
 この辺はしっかり把握しておきませんと、年寄りだとかまたは主婦だとかと簡単に言いますけれども、これからは主婦といえども、ちゃんとお金をもうけようとか、インターネットそれからパソコンを使う、すばらしいパソコンの使い手だっているわけですよ。その辺を考えて、ちょっと単純に分け過ぎるんじゃないか、こういう気がするんですが、いかがですか。


坂本政務次官 お答えします。
 ここでの「事業所その他これに類似する施設」とは、業務を行うことを目的とする相当程度の永続性を有する施設を意味するわけです。
 例えば、自宅とは別に店舗や事業専用の場所を有し、そこで業務を行う場合、あるいは関係の業規制法上の許可や届け出等をして事業を行っている場合については、一般的にこれに該当するものと考えられ、そういう個人は通常保護の対象外となるわけでございます。
 例えば、自宅にパソコンを置いて、主に趣味に使っているが、あわせて業務にも使うような場合は、これは一般的には事業所等には当たらず、そういう個人は保護の対象になるものと考えられております。
 おっしゃいますように、その区分けが非常に微妙なところもございます。したがいまして、健全に営業している事業者等については対象外となる、こう思います。


中山(義)委員 なぜこういう質問をしたかといいますと、どうも業者の方は、パソコンを使ったりインターネットを使ってこれは時代の先端を行く仕事なんですよといううたい文句で引っかかっちゃう場合が随分あるそうなんです。やはり相手側はいろいろな言葉を使いますが、逆に消費者の方は、または一部事業をやるんでしょうけれどもそういう人たちは、先端事業とかまたは引っかかりやすい条件を持ってこられたときについ乗ってしまうというようなことがありまして、むしろ消費者側が賢くならなきゃいけないという要素がすごく多いと思うんですよ。消費者契約法の中にも恐らくそういう部分がうたってあったと思うんですね。
 つまり、幾ら取り締まりをしても、消費者がどれだけ利口になるか、消費者がどれだけそういういろいろな世の中の変化というものをつかんでいるか、この辺、すごく大きな問題だと思うんです。後の電子商取引なんかにも出てきますけれども、そういうような、消費者がどういうふうに考えたらいいか、その辺の教育についてもしっかりやらなきゃいけないんですが、消費者契約法の理念からいうと、長官、どうですかそこは。


堺屋国務大臣 仰せのとおりでございまして、消費者契約法の中には、消費者にも情報を収集し理解する努力をするようにということも書いてございますし、もちろん事業者の方に情報を与えろということも書いてございます。
 広範な分野で規制緩和が進んでいきまして、消費者自身が選択をするという時代になってまいりますと、消費者が賢い選択をするということは大変重要なことだと思っております。その意味で、消費者みずからが考え、判断し得る能力を積極的に高めていくことが必要でございます。

 御指摘のとおり、特に消費者教育、これを低年齢層からやっていく必要があるんじゃないかということで、平成二年の学習指導要領の改訂に伴いまして、小中高の学校教育におきましても消費者教育が行われるようになっております。
 また、経済企画庁といたしましては、消費者教育に資するために、高校生などを対象とする消費者教育用の副読本を作成し、各都道府県の教育委員会及び全国の消費生活センターに配布をしております。また、消費生活のさまざまな場面における消費者取引に適正に対応できる能力を養うために、豊富な情報量の蓄積が可能なCD―ROMを活用した教材も作成しております。学校における消費者教育支援のための消費者教育専門家の派遣制度も実施いたします。このような事業をいたしまして、いろいろな面で新しい商法がどんどん出てまいりますから、それに追いついていこうということです。
 特に、インターネットの普及により、消費者取引の形態が一層多様化し、複雑化していく現状を考えますと、経済企画庁といたしましても、今後とも消費者啓発や消費者教育を積極的にやっていきたいと考えている次第でございます。


中山(義)委員 きょう論議しているのはむしろ取り締まる法律なんですが、その前に、やはり消費者が本当に利口になってもらわないと、どんどん被害というのは起きていくと思うんですね。しかも、新しい時代に向かって、当然我々の頭の中には、インターネットであるとかパソコンであるとか、そういうものを考えながらこの審議をしていきませんと、この審議は未来に向かった正しい審議とは言えないと思うんですよ。

 新しい問題点というのは、当然、電子商取引とかこういうものだと思うんですね、特に大きな問題になってくるのは。特に子供たちは、もう小さな時代からパソコンを扱っている。そうすると、インターネットも当然扱えるわけですから、画面に出てくる、いろいろなものがある、簡単にこれは契約しちゃうとか、私の息子なんかでも、知らないうちに何かどこかから集金が来てお金を払わなきゃならなくなるというのは、簡単にそういうもので取引ができる、そういうことがあり得るわけですね。
 そうすると、かなり学校教育でもそのことはしっかりやらなきゃいけないと思うんですよ。これは取締法としてやる前にそういう必要があると思うんですが、何か次の通常国会で電子商取引のルールについて法制化するというような話も出ているんですね。それは今回の法律とどういう関係があるんですかね、通産大臣。そういう話を聞いていますけれども。


伊藤政務次官 先生御指摘のとおり、インターネット取引というものが進展をしてまいりますと、消費者保護の問題というのは極めて重要であります。
 今回の法改正においては、インターネット通販の申し込みの際のクリックミス、クリックをして誤った場合ですね、その場合のトラブルを防止するため、申し込み画面においてわかりやすい表示を事業者に義務づける措置をとることとしております。
 具体的には、事業者が、申し込み画面の中で、あるボタンをクリックすればそれが有料の申し込みとなることを消費者にわかるよう明確に表示すること、さらに、申し込みをする際に、消費者が申し込み内容を再確認し、かつ訂正できるような措置をすることなどを義務づけるというふうにしてあります。


中山(義)委員 今の、こういう方法があるよということなんですけれども、やはり基本的な問題として、我々もインターネットをつけてやっと自分で消せるようになったような段階でございまして、いろいろ、子供が後ろについていると、何やっているんだ、おやじ、また変なところをとしょっちゅう言われるわけですね。子供に指導されながらおやじがやっているということは、若い年齢に行けば行くほどそういうものにたけているわけですから、逆に言えば、早く教育しないと間に合わないということですね。

 現実に、電子商取引というのは、実態を踏まえた教育をしていかないといけないと思うのですけれども、はっきり言って、我々の段階ではかなりの被害が出ている。この被害の実態を見ても、やはりさっき言った、主婦だとか高年齢者と言っていますが、恐らくもっと怖いのは、これを扱える子供たちが一番私は心配なんですよね。
 そういう面で、本当に、小さな子供たちが自由に扱える、パソコンで取引ができちゃうという実態をしっかり考えた上で、将来の問題点をしっかりえぐり出す、そういうことをしっかりやらなきゃいけない、こう思います。後の用意がよろしいので、ちょっとお一人ずつその辺について御答弁をいただいて、私の質問を終わりたいと思います。


堺屋国務大臣 今の電子商取引の問題でございますけれども、今度、IT担当大臣を拝命いたしましたので、またこの問題でも先生方にいろいろと教えていただく、御指導いただきたいと思っております。
 確かに今いろいろな形の取引が行われておりまして、トラブルの起こる場合もあります。そういった実態を調べつつ、この電子商取引を本当に安全で自由で、そして安価なものにしていくにはどうすればいいか、これは担当の通産省等とも諮りながら、世界で一番立派な電子商取引の慣習をつくっていきたいと考えております。よろしくお願いいたします。


伊藤政務次官 先ほどから委員が御指摘をされているように、インターネットの進展によってさまざまなトラブルが生じてくるだろうというふうに思います。そういう意味では、こうしたトラブルにしっかり適応できるように、関係の団体あるいはいろいろな消費者団体、政府関係機関、しっかり連携をして、そして消費者に対して必要な情報を適切に提供していくということをしっかりやっていかなければいけないというふうに思っております。
 また、委員が非常に深い問題意識を持っておられると思いますが、マーク制度も極めて有効でありますから、こういったものを広く普及していけるように、私どももしっかり支援をしていきたいというふうに考えております。

中山(義)委員 以上で質問を終わります。





古屋委員長 後藤斎君。


後藤(斎)委員 民主党の後藤斎でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 昔から、台風の後とか、風が吹くとおけ屋がもうかるという話がありまして、特に今般の法改正、訪問販売法のように、景気が悪くなるとそういう悪徳商法がはびこるというふうに思います。一方で、規制が強化をされていくと、その規制の目をかいくぐって、新しいビジネスも発生をし、少しでも楽をしてもうけようということにつながってくるというふうに思っています。

 今、景気が大変厳しい状況になっております。そんな中で、少しでも楽をして、また、もっといいビジネスがないかというふうな中で、庶民が思いあぐね、そして事業者も考えながらビジネスをして、訪問販売法といっても、きちっと商売をしている方もいるという認識にもひとつ立った上で、ただ、そんな中で、消費者の苦情が、この十年間ちょっと見てみましたら、一九九〇年、ちょうどバブルの絶頂期と言われたときだけが、国民生活センターさんがまとめられた資料によりますと、トラブル件数というか苦情件数が減っている年。
 そういう意味では、今、本気でやらなきゃいけないのは、もちろん規制強化というのも大切だと思いますが、経済を基本的によくしていく、景気をよくしていくということがまず一義的な、こういう純粋に悪徳商法が増大しないものになっていくと思いますが、まず冒頭に、景気について大臣の御所見をお伺いしたいと思います。


平沼国務大臣 今、委員から、ちょうどバブルの絶頂期の九〇年にはセンターに持ち込まれる苦情の数が減っている、こういう御指摘がありました。やはり経済状況がよければそういうことが起きない、私は、それはある意味では真理だと思っています。
 昔から、衣食足りて礼節を知るというような言葉がありますけれども、今、回復基調にあるこの景気を安定軌道に乗せて、持続的な形で景気がよくなってくれば、やはりそういう面ではこういった悪質なケースは減ってくる。ですから、そういう意味では景気対策というものもやることが非常に大きな効果がある、私はこのように考えています。


後藤(斎)委員 先ほど中山委員やほかの方からも御指摘がありましたが、本年取りまとめをしました消費者契約法は、自己責任に基づく透明で公正な競争社会の実現が求められている中で、消費者、事業者との契約に関する紛争解決の一般ルールを定めたということで、本年五月、そして施行が来年の四月一日からということで、今その周知徹底に御努力をなされていると思いますが、これは、先ほどもちょっとお話をしたような全体の規制緩和という大きな国策の流れの中で、市場に参加する者のルールの整備ということでは、政策運営を原則的に規制緩和の方向に転化をしたということだと理解をしております。

 ただ、先ほど来お話がありますように、トラブルが多発している。特に、今回の主目的であります内職・モニター商法に関する強化にしても、インターネットを使った通販、それについて新たな規制強化を今次の法改正に盛り込んでいます。もちろん、違法性を持った悪質な業者、事業者の取り締まりを徹底するということは当然なことではありますけれども、これだけ毎日、何か頭が、IT、ITというふうに言われるような、そんなこと、そして、来週の内閣委員会では連合審査も行われるというふうな形で、またIT基本法の中に踏み込んで話をしていくことになると思いますが、ただでさえ、現在のIT革命と称しても、実際、雇用は縮小傾向に行っております。

 昨年通産省さんが出された、今後五年間で百六十三万人程度、雇用が、逆に言えば効率化という中で減っていく。そして、現状を見るとまだ縮小傾向にいて、IT革命で期待をされる新規業態や雇用の増大という点は全く見込まれておりません。むしろ、これからこの訪問販売法という名称も変えていく中で、規制をするという部分だけ強調していくと、逆に新規事業者の事業意欲ないし発展性が見込まれないということも考慮していかなければならないというふうに思っております。

 最近、いろいろな勉強会等々で、電子商取引、これからどれだけ雇用を創出するかというと、予想では百五万人くらい電子商取引の部分で雇用増を見込んでおりますし、二〇〇三年には、訪問販売法の目的になっておるBツーC取引についても、現状よりもかなり増加をして、三兆二千億程度に伸びていくと。
 要は、先ほど来御議論があります消費者契約法と、今回の改正訪問販売法の規制的要件がバランスをとって初めて、これからの国民経済の健全な発展に寄与するという法目的が達成していけるのではないかというふうに考えておりますが、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。


平沼国務大臣 消費者契約法というのは、繰り返しになりますけれども、事業者、消費者間の契約にかかわるトラブルに関して、例えば虚偽の説明があった場合などについて事後的な救済策として契約の取り消し等を認める、民事法上の一般ルールを定めたものであります。これは来年四月より施行されることになっているわけでありますけれども、契約上のトラブルに関する消費者の救済に大きな効果が上がることを期待しているところであります。

 また、訪問販売法は、御指摘のとおり、内職・モニター商法のような悪質商法による消費者トラブルを未然に防止するため、事業者の義務を定めて、悪質業者を取り締まるための行政規制のルールを基本とするものとしております。このように両法は役割が異なって、言ってみれば車の両輪のように両法で相まってトラブルの未然防止に努める、こういうことであります。
 その両法のバランスをとりつつ、先生御指摘のように、新規の意欲ある、そして優良な、そういう事業者がこの法律によって阻害されないように、健全な事業の発展を妨げることのないように、私どもは訪問販売法の適用に努めてまいりたい、そう思っております。


後藤(斎)委員 この訪問販売法は、昭和五十一年にできて、過去四回にわたって法改正が行われております。それぞれ先ほど来お話がありますように、時代によって、取引形態の多様化とか、消費者トラブルの発生状況に合わせた一層の公正な取引とか、消費者利益の確保を図るというようなことで必要であったと思うのですが、四次にわたる法改正が具体的にどの程度効果があったのかということを検証していかなければ、これは、今次の法改正が大丈夫だというお話は先ほど来、御決意の中でいろいろございましたが、正直、四次改正が行われてからわずか一年しかたっていないわけですね。

 今回の内職・モニター商法にしても、ほかの新しく今回の法律に盛ったものにおいても、一年前にその形態もあったはずだったと思うのです。なぜ四次改正のときに盛らずに、一年後の今、こういう形で議論しながら対応しているのか。いろいろな手続上の問題もあったと思うのですが。そして、今回の五次改正というか抜本改正になると思いますが、においてどのような効果を見込んでいるのか。
 本気で、もし今まで効果が十分でないとかそういうものがあるのであれば、若干、どちらにウエートを持つかということなんですが、例えば事業者の簡単な届け出制みたいなものできちっと把握をしながらということも含めて考えていくべきだとも思うのですが、その点について、通産省のお考えをお伺いしたいと思います。


坂本政務次官 訪問販売法は、商取引に関する消費者トラブルの防止を目的として、昭和五十一年に、訪問販売、通信販売、連鎖販売取引いわゆるマルチ商法、の三つの取引類型を対象として制定されたものであります。その後、新しい形態の消費者トラブルの増加に対処するため、昭和六十三年には、連鎖販売取引規制の対象に役務取引等を追加し、平成八年及び平成十一年には、新たな取引類型として、それぞれ、電話勧誘販売及び特定継続的役務提供を追加するなどの改正を行ったところであります。

 このように、本法により取引類型ごとに取引の基本ルールが設定されたことにより、それぞれの業界や取引慣行の健全化が図られ、消費者トラブルの予防に効果が上がってきたものと認識しております。  また、今回の法改正案は、新たな悪質商法などによる消費者トラブルの増大に対して、現行法で対応できない点について必要な規制を新設するものであります。

 第一に、いわゆる内職・モニター商法について、急増するトラブルの実態に対応して、契約書面の交付義務づけ、不当な勧誘行為の禁止、クーリングオフ等の規制を設けておるわけでございます。第二に、マルチ商法については、新たな規制逃れの取引形態によるトラブルの増加に対応して、すそ切り基準の撤廃及び広告規制の強化を行っております。さらに、近年急拡大しているインターネット通販における申し込みのトラブルを防止するための措置も講じておるわけでございます。
 このような規制の追加により、近時急増している新たな消費者トラブルに対して十分な予防効果が期待できるものと考えております。


後藤(斎)委員 実際、この十年間で苦情件数も含めて三倍になったということで、具体的な効果というのは今お答えしていただいた中では私も十分納得はできない。そうはいっても、いろいろな多様な形態が発生するから効果が予測できないんだという話があるかもしれませんが。
 では逆に、論点を変えて、現行法の中で、要するに禁止措置で、行政処分等、主務大臣が発動した件数を販売形態別に過去何年か、三年か五年でも結構ですから、どんな形で件数があって、そしてそれをどのように通産省はフォローしているのか、その点についてお伺いをします。


杉山政府参考人 お答え申し上げます。
 消費者トラブルの防止のためには、法の厳正な執行あるいは取り締まりというようなことが重要でございまして、今まで通産省といたしましても、都道府県と協力をしながら、指示あるいは報告徴収などの行政措置を実施してきたところでございます。

 具体的に申し上げますと、平成八年度から平成十一年度までにおいて、報告徴収、指示、業務停止命令と数字を拾ってみますと、累計で二百五十六件、年度平均で約六十四件でございます。それを個別に例えば見てみますと、訪問販売で申し上げますと、平成八年度から十一年度にかけまして、都道府県あるいは通産省両方合わせますと、報告につきましては百五十件強でございます。指示につきましては十四件でございます。連鎖販売で申し上げますと、都道府県、通産省両方合わせまして、報告につきましては四十件ほど、指示については二件というような数字になっておるところでございます。


後藤(斎)委員 またこの点については、先ほどもお話ありましたが、今後もっと公告をするないし具体的な氏名公表もしていく等しながらのフォローアップをきちっとしていかなければ、繰り返しをする。要するに、やりっ放しということでは決してだめだというふうに思っております。
 時間が限られてきましたので、次の質問に移りたいと思います。

 インターネットが普及をして、インターネットを利用した通販、今回の法改正にも入っていますが、それとマルチ商法も世界じゅう、国際マルチとも言われているほど激増しているというふうに聞いております。例えば、アメリカに事業主体がある海外事業者が、本法の適用が受けられるのでしょうか。されないとしたら、どう法目的を達成していくのか。海外の同種の消費者保護法の運用のされ方も含めて、通産省のお考えをお伺いしたいと思います。


杉山政府参考人 お答え申し上げます。
 この訪問販売法は、いわゆる行政規制法でございまして、その意味で、国内でなされた行為につきまして適用されるというのが原則ではないかと考えております。
 ただ、ネット通販の場合、御指摘ございましたように、海外といろいろ関連をした活動がなされることも多うございまして、具体的にどういった場合にこの訪問販売法を適用するかということは、個々の具体的なケースに応じて判断をされるということではないかと考えております。例えば、我が国の事業者が、外国事業者のサーバーを経由して我が国にネット通販の広告を立ち上げるというような場合には、実質的には国内の行為として訪問販売法を適用し得る場合があるのではないかと考えております。

 ただ、いずれにしましても、御指摘ございましたように、今後ネット通販の進展に伴いまして、いわゆる国際間のトラブルというものが増加することも十分予想されることでございまして、当省といたしましては、ことしの二月に、世界二十八カ国の関係機関が連携をいたしまして、インターナショナルインターネットサーフデーというものを実施いたしましたが、こういった機会に参加するなどいたしまして、各国の法執行機関との連携を進めているところでございます。

 今後、悪質な外国事業者につきましては、こういった当該国の規制当局に通報する等の措置を講じまして、各国の法執行機関との連携を強化してまいりたいと思っております。
 また、国際間の消費者トラブルを防止するためには、いろいろな海外事業者とのトラブル実態というものを情報として消費者に提供して注意を促すということも大変重要だと考えております。関係団体とも連携をしながら、こういった意味での情報提供にも努めていきたいと考えておるところでございます。


後藤(斎)委員 時間がそろそろなくなりつつあるので、短い時間なので全部の意を尽くせないんですが、要は、本法の改正に当たって、どう今回の改正で法目的を担保していくか、実効性を担保していくかという問題だと思います。
 主務大臣が指定する指定品目も、国民センターに苦情として相談を持ちかけられているもののもちろん全部ではありませんし、先ほどもお話があったように、都道府県の消費者行政予算も、九九年度は約九十億、これは市町村は入っていないかもしれませんが、五年前の三〇%減。そして、消費生活相談員というのも、昨年の四月一日現在で二千五百十三人、正規職員がいない都道府県が何と十九県もあるというふうなことで、本当に実効性あるものになるかというのは大変疑問であります。

 そして、通産省が行っていると言われている、インターネット通信販売のホームページ上の先ほどお話があった表示義務の状況のチェックというものも、昨年だと思いますが、わずか千五百件程度しか対象になっていない。現在二万七千店を超すホームページ上の店舗があると言われているもののわずか五%であります。
 本法が改正したときに、本当に今回の法改正で実効性ある措置がとられ、消費者の利益保護がますます増進するということになるように、大臣を中心に皆さん方でぜひ監視等をしていただきたいと思いますが、最後に、実効性を確保していく中で大臣の御見解をお伺いしたいと思います。


平沼国務大臣 大変重要な御指摘をいただいたと思っています。
 消費者トラブルを防止するためには、法を厳正に執行することは言うまでもありませんし、悪質な事業者を強力に取り締まる、そういうことが必要だろうと思っております。当省といたしましては、警察や都道府県等とも密接に連携しつつ従来から適正に規制を実施しているところでもありますけれども、法改正後もさらに連携を深めて、その実効を上げるべく違反行為の取り締まりに全力を尽くしていきたいと思っています。

 また、こうした法規制とともに、消費者トラブルの防止のためには、消費者が自己責任を認識し、トラブルに巻き込まれないようみずから十分注意を払うことが有効であります。そのためには、消費者への情報提供、啓発運動が重要であり、地方自治体、民間産業団体や消費者団体とも連携して一層積極的に取り組んでまいりたいと思っておりますし、人員その他御指摘の点も十分踏まえながら努力をさせていただきたい、こう思っております。

後藤(斎)委員 よろしくお願いいたします。
 以上です。





古屋委員長 鈴木康友君。


鈴木(康)委員 民主党の鈴木康友でございます。党のしんがりを務めさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。
 時間の制約もございますので、私は特にネットビジネスに関連した質問に絞ってお伺いをしたいと思います。

 さて、インターネットが急速に拡大をしているわけでありますけれども、そうしたことを背景としまして、ネット広告を利用した新たなマルチ商法なども含めまして、いい悪いは別として、個人がインターネットを利用してビジネスを行う時代が今到来しているわけでありまして、このことは、とりもなおさず、今後訪販法の規制対象となるインターネットビジネスがどんどん分散をして無数に広がっていくという懸念がされると思うんですね。
 こうした状況の中で、消費者保護のためにどういう実効性のある取り締まりを行っていくのか、まず初めにその点についての御所見をお伺いしたいと思います。


杉山政府参考人 お答え申し上げます。
 今御指摘ございましたように、インターネット通販は急拡大をしておりまして、その中で消費者保護の重要性というのも格段と高まっていると考えております。そのためには、まず、広範かつ迅速な情報収集というのが大変大事だというふうに考えておるところでございます。これまでも、当省といたしましては、県あるいは国民生活センターなどといろいろ連携協力をいたしながら、消費者トラブル等の情報収集に力を注いできたところでございまして、来年一月には法の執行をいわば専門に担う消費経済対策課というものを新設いたしまして、情報収集と法執行への取り組みを強化したいという方針でございます。

 特にお話のございましたインターネット上の取引、インターネット通販につきましては、一昨年から毎年一回いわゆるインターネットサーフデーを実施しておりまして、ことしは千五百のインターネット上の店舗を集中的にチェックをして、問題のあるところには警告メールを発出したところでございますが、さらに十三年度からは、このような取り組みを抜本的に強化をするということから、常時監視の体制を整備したいということで、年間三万程度のインターネット上の店舗を調査できるように、現在予算上の要求などをして準備をしているところでございます。


鈴木(康)委員 今は年一回サーフデーを設けて調査を行っている、これから常時監視体制ということでありますけれども、これは本当に急速に拡大をしているわけでありまして、監視とともに、違法なそうしたホームページが見つかった場合の措置、今は警告だけということでありますが、これが本当に実効性のあるものかどうか、その点について再度お伺いをしたいと思うんです。


杉山政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、実効性を持って規制していくということが大事だと思っております。現在、インターネットサーフデーにつきまして、問題があるというような例が見つかった場合には再三にわたって警告のメールを発信しておりますが、さらにそれでも直らない、是正がされないというようなときには、法律上の適切な措置をとるということで対応してまいりたいと思っております。


鈴木(康)委員 ぜひ各地の関係機関あるいは警察等とも連携をして、悪質なものについては取り締まりを強化していただきたいというふうに思います。
 次に、今回の法改正からも明らかなんですけれども、本当に今社会の変化が激しくて、新手の商法というのが次々と登場をしてくるわけであります。特に今言ったネットビジネスなんというのは燎原の火のごとくあっという間に広がるわけでありますから、一たんそうしたことでトラブルが起こると、これも同時に急速に拡大をする危険性もはらんでいるわけであります。
 こうした流れの中、今トラブルや諸問題にスピーディーな対応が求められていると思うわけでありますが、その点について、あらかじめすべての可能性をチェックして取り締まるということは不可能であるわけでありますが、トラブルの兆しがあらわれたら即、速やかに対処しなければならないというふうに思いますが、その点について、通産省としての対応の方針をお聞かせいただきたいというふうに思います。


杉山政府参考人 お答え申し上げます。
 訪問販売法では、いろいろなトラブルの実態というものを見まして、問題のある取引類型につきまして必要な規制を課しております。お話ございましたように、トラブルの実態のないところまで規制をするということは、自由な事業活動の障害にもなりますし、取引の発展を妨げるという意味もございますので、今申し上げましたとおり、トラブル実態を十分勘案しながら、問題のある類型について規制をしているわけでございます。
 御指摘ございましたように、今後も規制の網をかいくぐっていろいろな悪徳商法が次々に出てくる可能性があることも事実だと存じます。これもさきに大臣から御答弁を申し上げましたけれども、こういったことに対しましては取引類型の追加や規制の強化といったことを迅速にやっていくということが大事であると考えておりまして、今後とも、トラブルの実態というものを十分に把握をしながら、適切に迅速に対応してまいりたいというふうに考えておるところでございます。


鈴木(康)委員 トラブルや苦情が増加しているというのは、やはり対応のおくれというものも否めないと思うわけであります。ますますこうした問題というのはスピーディーに起こってくるわけでありますから、迅速な対応、後手にならないようにということを再度お願いしておきたいというふうに思います。
 さて、先ほど大畠先生の方からも御指摘があったと思うのですが、諸問題への対処に関連して、再度国民生活センターにお尋ねをしたいと思います。
 これからさまざまなトラブルが多数発生することが予想される中で、そういうトラブル情報が集中してくるセンターの役割というのは今後ますます重要になってくるわけであります。そういう中で、集まってくる情報の管理、公開、あるいはそれをどう活用していくのか、それからまた、それを積極的に啓蒙活動に生かしていくのか、その辺の方針あるいは決意を再度お聞かせいただきたいというふうに思います。


糠谷参考人 お答え申し上げます。
 私ども、全国の消費生活センター等を通じて集まってまいります相談事例、今大体年間四十五万件を超える規模になっておりますけれども、そういった集まってまいりました相談事例を分析いたしまして、随時消費者注意情報というようなものを出して消費者の啓発に努めるとかいうこともやっておりますし、インターネット上でも相談事例等々を国民生活センターのホームページで公開をして、消費者の皆さんの御参考に供するというようなこともやっております。

 それから、マスコミ等からの取材といいますか、最近の消費者トラブル事例あるいは件数がどれぐらいあるというのが毎年大体二千件ぐらい来ておりまして、そういったところを通じて情報を公開して提供していくというようなことをやっているわけでございます。
 今後とも、そういった全国から集まってまいります情報を積極的に提供して、消費者啓発に努めていきたい、こう思っておるところでございます。


鈴木(康)委員 大体趣旨はわかりました。先ほど堺屋長官の方から消費者教育についての御答弁もあったわけでありますが、ぜひそうした面でも連携をしていただきまして、積極的にその情報を活用していただきたいというふうに思います。
 次に、通産大臣にお尋ねをしたいと思います。
 IT基本法でも触れられておりますけれども、インターネット取引というのは我が国の二十一世紀の経済社会の起爆剤となるものであるというふうに言われておりまして、こうした中で、さまざまな社会的な規制も必要なんですが、過剰規制をして新たなビジネスの発展の芽を摘むということがあってはならないというふうに思うわけであります。こうしたさまざまな新たな法規制を設けるに当たっての基本的な考え方をお聞かせいただきたいというふうに思います。


平沼国務大臣 IT革命とも言われているように、インターネットに関する技術やビジネスは極めて急速に御指摘のとおり進展しております。政府といたしましては、こうした発展を妨げることなく、その発展を促進するための環境整備を図ることが重要である、こういうふうに認識をしております。
 今回のインターネットに関連する改正においては、急増する新たな消費者トラブルの防止のため、インターネット通販に係る通信販売規制に、クリックミスによる誤操作などを防止するための必要最小限の表示措置を求める規定を追加しております。そして、これについては、新たな技術やビジネスの進展を妨げることのないよう、特定の技術的措置を義務づけるといった硬直的な規制はとらないように十分配慮して、やはりこれからのインターネット社会を構築していくために配慮をしてまいりたい、こういうふうに思っています。


鈴木(康)委員 次に、本法案とは少し離れるかもしれませんけれども、ITについてもう一問御質問をさせていただきたいと思います。
 IT革命のさまざまなメリットを消費者に広く還元していくためには、インフラ、いわゆるネットワークのサービスというものが、価格はとにかく低廉で、あるいは品質は限りなく高度に利用者に提供されるということが必要になってくると思います。こうしたネットワークのインフラにつきましては、直接には郵政省の管轄だというふうに思いますけれども、通産省の立場としてネットワークインフラのあり方についてのお考えをお聞かせいただきたいというふうに思います。


伊藤政務次官 今、鈴木委員が御指摘をされたように、IT経済社会のインフラともいうべきネットワークサービスにおいて、利用者の利便性を向上していくというのは大変重要なことであるというふうに認識をしております。今後のネットワークインフラのあり方についてでありますが、やはりこの部分についての競争の環境をしっかり整備していくということが極めて重要であるというふうに考えております。
 この点についてはさまざまな課題がありまして、先ほど大畠委員からも政治家としての話をというふうに言われましたので、ここから先は個人的な考えを少しお話しさせていただきたいと思いますが、一番重要なことは競争的な枠組みをしっかりつくるということであります。
 その競争的な枠組みをつくるに当たっては、二つの観点が極めて重要だろうというふうに思っております。一つは、エッセンシャルファシリティーについてのオープンなアクセスをしっかり確保するということであります。二つ目は、市場の支配力の弊害を排除していく、この観点から競争環境整備をしっかりやっていかなければなりません。

 では、具体的にどういう政策、方策をとっていくのかということになりますけれども、私は四つ視点があるというふうに思っております。
 一つは、現行の接続ルールというものをさらに充実し、そしてしっかりとした整備をやっていかなければいけないというふうに思っております。したがって、接続ルールの対象者の拡大あるいは対象設備の拡大というものをやっていかなければいけませんし、そして接続料金の算定の根拠というものを透明化していくということも考えていかなければいけないわけであります。
 二点目は、線路敷設権の問題への対応をしっかりやっていくということであります。これは独占禁止法の観点から、何が問題で何が問題ではないのかということを、具体的にガイドラインとして明示をしていくことが極めて重要ではないかというふうに思っております。
 第三点目は、電波割り当てのルールの整備をしっかりやっていかなければいけません。その前提として電波行政の透明化が極めて重要でございます。電波周波帯の帯域の利用状況がどうなっているのか、すべてそのデータを明らかにしていくということは極めて重要であります。また、今の電波帯の中で使われていない電波帯があるのではないか、このような指摘も受けているわけでありますけれども、そういった電波帯に対して、特区として指定をして、そこに今言われているようなオークションの制度というものを積極的に考えていくことも重要であるというふうに思っております。
 さらに四番目としましては、市場支配力を有する事業者に対する行為規範というものを明確にしていくことが重要であろうというふうに思っております。

 これらの問題は、これからネットワーク事業のドミナント性を有するNTTの今後のあり方をどうするのか、あるいはコンテンツ事業のドミナント性を有するNHKのあり方をどうするのかという問題にもかかわってまいりますから、これから国会でもいろいろな議論の中で、また私たちとしてもいろいろな角度から議論をさせていただいて、しっかりとした環境整備に努めていきたいというふうに考えております。


鈴木(康)委員 今、次官の御答弁をお伺いしますと、これは本当にいろいろな省庁との大変な事業になってまいりますので、ぜひ通産省の立場として関係省庁と積極的にインフラ整備について進めていただきたいと思います。

 時間がもうなくなってまいりました。最後に一点御質問をしたいと思います。
 ネット社会になってきますと、決済機能として今後ますますクレジットカードというものの重要性が高まってくると思います。ところが、反面、この犯罪というものが多発しているわけでありまして、実は私も先日偽造カードの被害に遭いまして、どこかでカードを使ったときにどうもスキミングされたようでありまして、要は、カードの情報が盗まれてそれが使われたわけですね。大変な目に遭ったわけでありますが、私と同じようなこうしたケースが最近急増していると聞いています。その一方で、日本では、こういう違法な情報の取得、つまりスキミングとかあるいは偽造カードの所持だけではまだ罪に問えない状況であるということでありまして、一種、カード犯罪天国というような状況になっているわけであります。
 こうした点に関して、カード犯罪の実態と今後の政府の対応についてお伺いをいたしまして、私の質問を終了させていただきたいと思います。


平沼国務大臣 御指摘のありましたカード偽造犯罪につきましては、我が国のクレジットカードシステム全体の信頼性、安全性にかかわる重大な問題であると認識しております。
 委員も被害にお遭いになられたということで、大変だったと思っているわけでありますけれども、我が国の刑法では、残念ながら偽造カードの所持や、いわゆる今おっしゃったスキミングと呼ばれるカード情報の窃取については、これを処罰する規定が整備されておりません。法整備の面で先進主要国に比べて残念ながらおくれているという実態がございます。このため、本年三月、当省といたしましても、法務省に対して、クレジットカード犯罪に対応するため、早急な法整備を要請しておりまして、現在、法制審議会において、次期通常国会への法案提出を念頭に置いて準備が進められているわけであります。
 当省といたしましても、今後の法制化の作業に積極的に協力をして、そして、法整備によって被害者がこれ以上出ないような、そういう努力をしていきたいと思っておりますし、また、法制度の整備に加えて、カードの偽造犯罪対策の実を上げるためには、カード業界みずから積極的に犯罪防止のための対策を講じていくことも重要であると考えています。
 このような観点から、関係省庁とも連携をとりながら、例えば、こういうスキミングができないようなICカード化の推進など、クレジット業界におけるカード犯罪防止を促進すべく積極的に取り組んで、先生も被害に遭われたようですけれども、そういう被害が起きないように万全を期してまいりたい、こう思っています。

鈴木(康)委員 カード犯罪に遭った当事者の一人として、強くその法整備の推進をお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。





古屋委員長 達増拓也君。


達増委員 自由党の達増拓也でございます。
 まず、インターネット通販関係の改正部分について質問をしたいと思います。
 ちなみに、きょう私がしてきているネクタイもインターネット通販で買ったものでございまして、これはリベラルインターナショナル、自由主義インターナショナルの公式ネクタイ、ロンドンに本部があります自由主義インターナショナルの、本部のホームページでまさにクリックをして買ったものであります。先週末、オタワで世界大会がありまして、我が党から小沢党首が出張して参加してきているところでありますけれども、クレジットカードを利用した決済でありまして、非常に簡単にパソコンだけで買えてしまう、届くのを待つだけということであります。

 そういうインターネット通販でありますけれども、今回の訪問販売法の改正によりまして、クリックミスによるトラブルがないようにする、わかりやすい表示を義務づけるという説明をいただいているわけでありますが、その十四条の改正部分を読みますと、わかりやすくするとかクリックミスがないようにするとかという文章ではございませんで、「顧客の意に反して売買契約若しくは役務提供契約の申込みをさせようとする行為として経済産業省令で定めるものをした場合」指示を出せるというような書き方になっているわけであります。この文章をそのまま読むと、よほど悪意を持ってだますようなもの、クリックしたときに変なところにリンクが張ってあって直ちにお金を取られてしまうとか、知らない間にだまされるようなケースを想定している文章にも読めるわけであります。

 そもそもこの改正の経緯は、産業構造審議会消費経済部会の提言の中で、「電子商取引に対する消費者の信頼確立のための課題」という中に「消費者の操作上のエラー等による意図しない申込の防止」という項目がありまして、これを受けての改正ということなのだと思います。そういう意味で、経済産業省令の中身次第なのかなと思うわけであります。ここで、よほど悪意を持ってだますようなページ以外の、うっかり間違いやすいようなページも、どのようにそれを防いでいくのかということを伺いたいわけであります。

 他方、インターネット通販というのは、わかりにくいと言えば全部わかりにくいと言ってもいいところがありまして、これは、統一されたフォーマットというのはございませんで、ページごと、出している事業者といいますかお店といいますか、全然違うページ。しかも、その独自性を競ったりしまして、格好よいページにするために、かえって使い勝手が悪くなるケースもある。ただ、一方では、画面自体はわかりにくいけれども申し込みの過程で非常に懇切丁寧に確認のための電子メールを送り返してくるとか、そういう買い手の納得を本当に丁寧に確認していく、いわば、ページとしてはわかりにくいかもしれないけれども、ビジネスモデルとして、全体としては非常に買い手の意図を丁寧になぞるような仕組みになっている。
 そういういろいろなことを念頭に置いた上で、基準を明確化していくために省令でどのように規定していこうと考えているのかを質問したいと思います。


杉山政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘の改正法十四条の省令でございますが、例えば、インターネット通販におきまして、あるボタンをクリックすればそれが有料の申し込みとなることを消費者にわかるように明確に表示していないこと、あるいは、申し込みをする際に、消費者が申し込み内容を再確認し、かつ訂正できるような措置が講じられていないこと、こういったことを省令で定めようかと思っております。
 逆に言いますと、あるボタンをクリックすれば、それが有料の申し込みになるということを明確に消費者にわかるように表示していなければいけない、あるいは、申し込みをする際に、最終的に消費者が申し込み内容を再確認いたしまして、訂正できるように措置していなければいけないという義務づけがかかるというふうに考えているところでございます。


達増委員 いろいろなインターネット通販の実情を踏まえながら、きちんとした省令をつくっていかなければならないと思います。
 さて、この十四条による改正、これは政府が今推進しようとしている電子商取引一般の発展のための法整備の一環であるというふうに考えられますけれども、この際、今後電子商取引一般の発展のためにどのような関連法整備を政府として考えているのかを伺いたいと思います。


平沼国務大臣 お答えいたします。
 通商産業省といたしましても、電子商取引の特質に応じたルールの整備が不可欠であると考えております。
 具体的には、今国会におきまして、まず明確な国家戦略を打ち立て、官民一体となって迅速かつ集中的に必要な施策を実施していくための基本的な枠組みとなる高度情報通信ネットワーク社会形成基本法案、これを提出し、現在内閣委員会におきまして御審議をいただいております。また、民対民の書面による手続を義務づけている五十本の法律について、電子的手段を認める書面法案も提出をいたしているところであります。
 さらに、次期通常国会に向けましては、内閣においては個人情報保護基本法案の策定作業を、そしてまた通商産業省においては、契約成立時期の明確化など電子契約や情報財契約のルール、インターネットサービスプロバイダー等の責任ルールなどにつきまして、必要な法案策定作業を法務省、郵政省とともに今協力をして行っているところでありまして、完全な法体系を目指してこれからも努力を積み重ねていきたい、こう思っております。


達増委員 インターネットの世界は、もともと学者あるいは政府関係者の専門的な人たちが使っていたものがどんどん一般にも開放され、商業利用もされてきている。もともとは一部関係者の自発的なルールあるいはネチケットなどと呼ばれるネット上のエチケット、そういう慣行でうまく来たのでしょうけれども、ここまで電子商取引が広がって、かつ国の経済力、競争力にも深くかかわるようになってきているわけでありまして、法整備をきちんとやる、国が先んずるということだと思いますので、きちんとした対応をお願いしたいと思います。

 さて、そういったインターネットの利用は、通信販売のみならず、いろいろな商取引にも使われておりまして、マルチ商法であります連鎖販売取引において、今回の法改正で、統括者のみならず個人勧誘員による広告についても規制すると改正することになっているわけでありますけれども、この広告が基本的に想定しているのは、個人勧誘員がどんどんホームページをつくってそこで広告する、非常に簡単にできるようになっていますからそれが想定されているのかと思いますけれども、電子メールを送ってくるということがあると思うのですね。
 私も、マルチ商法としてはまだ経験していないのですけれども、これはネズミ講ではないかと思うような、一カ月で五十万円もうかるとか一獲千金のチャンスとかいう件名の電子メールがしょっちゅう来るのですね。そういう形で、電子メールによる連鎖販売取引の勧誘というのがかなりあるのではないか、ふえるのではないかと思われるのですけれども、これもここで規制する広告に含まれるのでしょうか。


杉山政府参考人 広告の解釈の問題でございますが、ここで言います広告とは、顧客を誘引するために商品等について多くの人に知られるようにするということを意味しておると考えております。したがいまして、電子メールにおきましても、このような目的で多数の者に対して送られるものにつきましては、広告に該当するというふうに考えておるところでございます。


達増委員 こういったところも、後手後手に回らないように、実態を踏まえたきちんとした運用が求められていくのだと思います。
 さて、今回の法改正で、今までになかった新しい規制対象分野が創設される。いわゆる内職・モニター商法であります。これについて、業務提供誘引販売取引という名前で、定義から始まって新しい規定が行われるわけでありますけれども、この内職・モニター商法の被害が著しく増大しているということで今回の法改正へと、そういう経緯と承知しております。
 これについては、どういうトラブルがどのようにふえているのかという現場の声を直接聞くことができる国民生活センター理事長さんに伺いたいわけでありますけれども、どのように被害が増大しているのか、また、かなり生々しい報告が入ってきていると思うのですけれども、何が増大の理由と考えられるのか、その辺を伺いたいと思います。


糠谷参考人 お答えを申し上げます。
 業務提供誘引販売取引と見られますいわゆる内職・モニター商法の苦情相談件数でございますけれども、御指摘のように、ここ数年大変急増いたしております。平成六年度が三千百六十九件でございましたけれども、その後、五千百六十七件、八千四百八十八件、一万一千六百八十一件、一万三千五百二十二件、平成十一年度には一万七千三十四件ということで、最近五年間で約五・四倍に急増をしているという状況でございます。

 こうした増加の背景といたしましては、いろいろな要因が考えられると思いますけれども、やはり最近の長引く不況のもとで消費者が、生活が苦しい、少しでも収入を得たいというふうに考えたり、あるいはモニター商法等でございますけれども、少ない負担で商品等が手に入るというふうに考えまして、このような商法の勧誘に乗りやすい状況にあるというようなことが大きいのではないかと思っております。
 それから、モニター商法の場合につきましては、平成十一年度につきましては、多数の消費者被害をもたらしました業者の倒産というのが複数件発生をいたしまして、それに関連をした苦情相談件数が大変多く寄せられたということもあろうかと思っております。


達増委員 今の答弁の中にもあったように、内職・モニター商法というのは、不況の中で少しでも収入を得たいという切実な要求が絡んでいることもあり、さまざまな消費者被害の通常の買い物でありますとか、あるいは珍しいものを買いたい、教養のためにそういう財・サービスを入手したいとかいうのとはまたちょっと違った深刻さがある、そういう問題なんだと思います。

 業務提供誘引販売取引という名前になっておりますけれども、その特徴は、仕事のあっせん、これを買うとちゃんとこういう仕事がある、収入がある、そういうことで売りつける、買ってもらうところに特徴があると思うのですね。それがトラブルにも特徴として出てくると思うのですけれども、要は、買ったものが気に食わないとか、これじゃないはずだということではなくて、買ったものはこれはこれでいいのだけれども、仕事が来ないじゃないかというところでトラブルが発生する。

 通常の、まず買うことを決めて、よくよく考えてみたらこれはちょっと損な買い物だ、返品したい、させない、そこでトラブルが発生する、あるいは商品が届いてトラブルが発生するというよりも、この内職・モニター商法の場合には仕事が来ないというところで初めてトラブルになる。そういう意味では、かなりおくれて、契約後一カ月とか二カ月たってからのトラブルが多くなるのかなと思うのですけれども、その辺の実態について報告を受けていれば、国民生活センター理事長に伺いたいと思います。


糠谷参考人 国民生活センターにおきましては、契約の日から相談の受け付けの日までの区切り方といたしまして一週間単位でやっておりまして、一日から七日、八日から十四日、十五日から二十一日、それから二十二日以上、その四つの分類で統計を整理いたしております。
 そういうことでございますので、今先生御指摘の一カ月とか二カ月とかという分類での把握ができていないので申しわけないのでございますけれども、今の分類で、例えば二十二日以上の相談がどれぐらいかということで申し上げますと、業務提供誘引販売取引等に見られます内職・モニター商法の、契約から相談受け付けまでの日が二十二日以上のものの全相談件数に占める比率は、平成十一年度が五四%、十年度が四三%、九年度が四八%ということで、五〇%前後になっているということでございます。


達増委員 そういうことで、半分くらいのトラブルが二十二日以上たってから発生している。そこで、今回の法改正について私が一番疑問に思っているのは、クーリングオフの期間なんであります。
 業務提供誘引販売取引のクーリングオフ期間を今回の法改正では二十日間と定めているわけですけれども、実際トラブルが発生するのはむしろその後のことが多いのであれば、三十日であるとかあるいは四十日であるとか、そのくらいの期間にクーリングオフを設定する方が適当ではないでしょうか。

 クーリングオフという、無条件で契約を解除できる、契約自由の原則からすれば極めて例外的な措置ではあるんでしょうが、この業務提供誘引販売取引という取引自体の普通じゃない特殊性、まず買い手を事業所等によらないで業務を行う個人と限定している点でありますとか、あるいは物そのものを売るだけではなく同時に仕事のあっせんも組み合わせて売るような特殊性ですね、そういうのを勘案すれば、クーリングオフについては長目に設定して、売り手の保護をある程度制限してもいいと思われるんですが、この点いかがでしょうか。


坂本政務次官 業務提供誘引販売取引につきましては、物品販売とともに業務提供等の条件が契約内容に含まれており、連鎖販売取引と同様、取引の内容が複雑でありまして、個人が冷静に契約内容を検討するためには長い期間を要すると考えられますことから、連鎖販売取引に倣ってクーリングオフ期間を二十日間としたものであります。

 一方、クーリングオフ期間を二十日間を超える長期間とすることにつきましては、規制対象となる業務提供誘引販売取引には、定義上、悪質な商法のみならず、仕事のあっせんなどを特段のトラブルなく行う健全な事業活動も含まれます。クーリングオフ制度は、民商法の原則に対する強い例外措置であって、事業者に大きな負担を負わせるものであることから、現行制度上の最長期間である連鎖販売取引の二十日間を超えた制度を新設することは、健全な事業活動に対する不当な制約となって不適切と考えられます。

 また、クーリングオフの期間を仮に二十日を超える期間に設定した場合、例えば、パソコン等の有料の研修を行った上で仕事を紹介する健全な事業者が、研修の終了後に契約を解除されて未払いの研修代金の請求ができなかったり、既に払い込まれた研修代金を返還しなければならないといった事態も考えられます。また、研修をやって、やめちゃって別なところで自分が活動する、そういう方も出てまいります。
 以上のような点を勘案し、トラブル実態を踏まえた消費者保護の必要性と、健全な事業活動への著しい悪影響の回避との間のバランスを十分踏まえ、二十日間のクーリングオフ期間が適切と判断したところであります。


達増委員 健全な業者が販売と仕事のあっせんをパッケージにして提供するというのであれば、それなりのリスクを健全な売り手の側がかぶってもいいんじゃないかとも考えられるんでありますけれども、クーリングオフの趣旨として、トラブルが発生したからクーリングオフということじゃなく、その前にまずよく考えてほしいという趣旨であれば、クーリングオフはそうだということなんだと思います。

 であるならば、トラブルの発生についてやはり行政からもさまざまな支援措置が別途なければ、仕事のあっせん、仕事が来ない部分については裁判で訴えればいいじゃないか、司法的に決着をつければいいじゃないかという突き放したことになりますと、この業務提供誘引販売取引、内職・モニター商法、こういう特別な商取引について、消費者を保護するという趣旨からすると、やはり突き放したままではだめなんであって、行政による相談体制ですとか、最後は裁判で決着というところに至る前の段階のそういう行政の措置が必要と考えますけれども、この点いかがでしょうか。


坂本政務次官 消費者トラブルの迅速かつ円滑な解決のためには、御指摘のとおり、司法手続のほかに、各種民間団体による苦情相談処理体制とあわせて、行政による相談体制が重要な役割を担うものと思われます。この意味で、各地域の住民にとって身近な存在である都道府県や市町村の消費生活センターの果たす役割、機能は大変重要であります。また、通産省も、本省及び通産局に消費者相談室を設置し、消費者からの直接の問い合わせや相談に積極的に対応しているところであります。
 当省としては、今後とも、経済企画庁や国民生活センター等の政府機関や地方自治体の消費生活センター、消費者団体とも密接に連携協力して、消費者に対する相談体制の充実に努力してまいります。


達増委員 もう一つ、クーリングオフに関連しては、二十日の間にクーリングオフするかどうかの決断を適切にするために、契約書面を吟味するということが非常に重要になる、決め手になると言ってもいいでしょう。ですから、同趣旨の質問が赤羽委員からもありましたけれども、改めて、今回の法改正で、内職・モニター商法の契約書面についてきちんと中身を定めるとなっているわけですけれども、第五十五条二項の五号で、省令で定めるとされているんですけれども、具体的にはどういう書面内容を想定しているんでしょうか。


杉山政府参考人 お答えを申し上げます。
 法律の第五十五条第二項に関連することでございますが、契約を締結した際に、契約の内容につきまして記載をした書面を消費者に対して交付することが義務づけられているわけであります。この契約内容を記載した書面におきましては、法律上、販売する商品の性能、品質など、あるいは仕事の提供、あっせんについての条件、個人の金銭的負担、クーリングオフ等の契約の解除に関する事項の記載が法律で定められておりますが、省令におきましては、業務提供誘引販売業を行う者の氏名だとか住所あるいは電話番号、それから、これは大変重要でございますが、契約年月日などの記載を義務づけるということを予定しております。
 これらによりまして、契約内容があいまいなままに契約を締結されるということが防止されますとともに、後日契約内容をめぐるトラブルが生じました際に、いわば有力な証拠として示されるということが期待されるというふうに考えておるところでございます。


達増委員 次に、訪問販売法全体に関連することでありますけれども、訪問販売法は、指定商品制度ということで、膨大なリストをつくって、付表ということで、例えばこれこれこういう商品が訪問販売の規制対象になるというふうに規定しているわけでありますけれども、訪問販売にせよ通信販売にせよ、どんどんいろいろな新しい商品が出てきて、常に、既存のリストには当てはまらないけれども非常に微妙な商品として出てきているというのがあると思うんですね。

 例えば、ロボットの犬というのがあって、これはきちんとしたメーカーがきちんとつくって売っているものは、非常にすばらしい、日本が世界に誇れる商品だと私は思っているんですけれども、それに似たようなのがどんどんできていて、それではないんだけれどもそれに似たようなものの通信販売の広告を新聞紙上で見たことがあります。あれはおもちゃではないと思うんですね。既存のリストのどれにはまるのか、すぐにはわからない。そういうものがこれからどんどんふえるんだと思うのです。
 であれば、こういう指定方式について改めて考え直す必要があるのではないかと思うのですね。後手後手で、後から後からどんどんふやしていくよりは、健全な取引が圧倒的になっている生鮮食料品ですとかそういったものについては対象としないという、ネガティブリストの形で、むしろ広く規制の対象を可能とするような決め方もあると思うんですけれども、この点はいかがでしょうか。


杉山政府参考人 お答え申し上げます。
 現行の訪問販売法におきましては、法規制はいわば必要にして最小限なものにするというような基本的な考え方に立ちまして、トラブル実態から見て問題のある商品、役務等を訪問販売あるいは通信販売等の規制の対象として政令で指定をするということにいたしておるわけでございます。

 今先生からネガティブリスト化の御指摘もございました。そういう考え方もあるかとも思いますけれども、実務上見ますと、いろいろ多岐にわたり、また刻々と変化する商品などの中から、トラブル実態から見て問題がないというもの、規制対象外とすべきだというものを抽出して、すべてそれを列挙するというのも、なかなか実務上は現実的に困難ではないかという感じもいたします。
 要は、重要なことは、消費者トラブルの状況等を踏まえながら、機動的に政令の追加をして、必要なものを迅速に対象追加をするということではないかというふうに考えておりまして、今後も、新しい商品や役務提供の形態がどうなっているか、あるいは消費者トラブルの発生状況がどうかという点を注視いたしまして、規制対象とすることが必要なものにつきましては直ちに指定をするということで、実態に即応した規制対応を行っていきたいというふうに考えているところでございます。


達増委員 次に、前回の法改正で改正された継続的役務取引の規制について伺いたいと思います。
 さまざまな新しい消費者問題が発生し、必要に応じてそういう特殊な取引について分野を定義して規制していく。今回もそうですが、前回は、いわゆるチケット商法というのでしょうか、回数券のようなものを高額、一度にたくさん買って、一回一回のサービスを受ける途中でその店がなくなったりサービスがなくなったり、そういう継続的役務取引を法改正によって規制することにしたわけですけれども、その後被害が減っているのか。
 今回の法改正に当たってもそういう実際の有効性というのが問われると思うので、前回改正部分について、その後の現状、これも国民生活センターの糠谷理事長に伺いたいと思います。


糠谷参考人 お答えを申し上げます。
 法の施行が平成十一年の十月だったかと思いますので、比較といたしましては、年度前半を中心に、昨年度の年度前半と今年度、直近が十月二十九日までのデータを今持っておりますので、四月一日から十月二十九日までの相談、苦情件数、これを十一年度と十二年度で比較をするというのが一つの考え方かと思いますので、その数字を申し上げたいと思います。

 エステティックサービスにつきましては、平成十一年の四月一日から十月二十九日までが四千六百件、十二年の同期が四千百三件でございます。外国語会話教室が、同じく平成十一年が千二百四十三件、平成十二年が千百九十九件。家庭教師派遣が、平成十一年が千百三十六件、平成十二年が八百二十二件。学習塾が、平成十一年が四百四十一件、平成十二年が四百二十八件ということになっておりまして、いずれも、平成十一年に比べて平成十二年度の十月二十九日までは相談件数が減少しているという状況でございます。


達増委員 では最後に、こうした消費者保護のための規制という法律について一般論的なことを伺いたいのでありますけれども、規制はできるだけない方がいい、市場に任せて自由にやるのがいいというのが原則ではあるのですけれども、そもそもそういう市場経済モデルというのが成り立つのは、経済学の教科書でいえば、経済主体が市場に関する情報をすべて入手していて、それに基づいて合理的な判断をするという場合にそういう完全、自由な市場が機能するということでありまして、現実の世の中はそうではない。

 私は、市場経済の今起きているさまざまなトラブル、これは九七年のアジア金融危機なんかもそうですけれども、やはり情報のなさというのが問題なのではないか。十分アジア諸国の国内市場に関する情報がきちんと出ていて、政治や官僚との市場の癒着とかそういうものがなくてオープンになっていれば、ああはなっていなかったのではないか。
 消費者保護の問題もそうでありまして、こういうさまざまな商取引や商品、サービスに関する情報がきちんと消費者の方に伝わっていく。政府、事業者あるいはいろいろな団体がきちんと情報を収集し、かつそれを提供し、経済主体の間でそういった情報が共有されていく。そういう形をつくっていくことが、市場経済を発展させることでもあり、消費者を保護していくことにもつながると思うのですけれども、この点いかがでしょうか。


平沼国務大臣 達増委員御指摘のとおり、消費者問題の本質は、市場経済においては消費者であっても本来的にはみずからの判断と意思で主体的に取引を行う、それについて自己責任を負う、こういうことが基本であるということだと思っております。
 現実には、今御指摘のように、消費者には十分な情報と知識が不足する、こういった面からトラブルに陥ることが多い、そういうことでトラブルが起きる、こういうふうに理解をしております。このために、消費者トラブルを事前に防止する観点から、消費者に対して、取引、契約に関する知識、関係法制度の内容や消費者トラブルの実態等について、わかりやすく情報が提供されることが重要であると思っています。
 このような観点から、通産省といたしましては、従来から、経済企画庁や国民生活センター、地方の消費生活センター等と協力しながら、消費者への法制度等に関する説明の機会を設けるとともに、パンフレットの作成、そしてその配布、テレビ番組の作成、放映等を通じて、消費者への情報提供に努めているところであります。

 また、各種業界団体や通信販売協会などの産業団体、消費者団体においても、各種資料やホームページ等による情報提供や、消費者からの相談、問い合わせへの対応等を積極的に行っているところであり、当省としては、今後ともこれら官民の諸機関とも密接に連携協力をとりつつ、消費者に対する情報の提供に努めてまいりたい、このように思っております。

 若干具体例を、今までやったことを、御存じかと思いますけれども申し上げますと、我が省といたしましては、全国の成人式において、新成人に向けて、六十万人を対象として悪質商法への注意を喚起するパンフレットを配布する。あるいは、今申し上げたように、全国九局のテレビで、十三テーマについて五分間番組をずっと放映をしてきました。それぞれこういう情報の提供をさせていただきました。今言った成人式以外にも、何種類かのパンフレットをつくって配布する。それから、ネットルール教育の推進等をしております。
 また、地方自治体においても、平成十年度のデータでありますけれども、地方公共団体による消費者啓発の取り組みとしては、講習会が全国で延べ七千八十九回、そして展示会が延べ千百二十四回、こういうことを行うことによって消費者に周知徹底をする、さらに努力を続けていきたい、こういうふうに思っております。


達増委員 ナレッジマネジメントという言葉が最近はやっていまして、企業であれば社員一人一人が持っている知識を共有することで会社の経営をよりよくしていく、これは国でも同じだと思いますので、消費者が本当に知識を共有して市場経済をつくっていければ本当の消費者主権となっていくでしょうから、そういう方向への第一歩として今回の改正がいい方向に行くよう希望して、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。





古屋委員長 塩川鉄也君。


塩川(鉄)委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 初めに、業務提供誘引販売取引、いわゆる内職・モニター商法について質問します。
 この内職・モニター商法に関するトラブルは、九〇年、千九百二十六件から、九九年は一万七千三十四件へと急増しております。内職は、本来、事業者がみずからの仕事を振り分けて外注をするもので、この材料や機材は事業者が提供することが基本にあります。しかしながら、ここで言う内職商法などは、その仕事のあっせんにかこつけて、商品などを売りつけ、またはノウハウの教授料などと称して収益を得ることを目的とするもので、まがい商法そのものであります。

 東京都の生活文化局の消費生活課が行った「内職・副業等のセールストークを用いた内職まがい商法を行う事業者の調査指導結果」報告書によると、内職を始めようとする消費者にとって、実際に内職が行われるのかどうか、また収入が得られるのかどうかの情報は最重要であるにもかかわらず、取引の仕組みは非常にわかりにくく、事前に何らかの名目で費用の負担をさせられながら、あっせんの実績があると確認できた事業者は見られなかったと報告しています。
 また、調査対象事業者のすべてが、内職・副業に従事する条件と称して何らかの費用負担を消費者に課し、前払いさせており、事業者は、内職・副業をあっせんして内職従事者の労働提供による収入を得たり、自社の通信販売の商品の売り上げや広告掲載料が増加することはもともと期待しておらず、それよりは、専ら内職になるというトークを用いて、何らかの名目で消費者に負担させた金銭を得ることを主たる目的としている可能性が高いと指摘をしております。

 実際、私も地方の消費生活センターにお伺いをしまして事例のお話をお聞きしてまいりましたけれども、実際被害に遭っているのは、二十代、三十代の在宅の女性の方が多いというのが現状であります。今の不況の中で、収入が伸び悩んでいる家計の少しでも足しになれば、こういう思いで始めるのがきっかけであります。小さな子供さんがいて外で働けない若いお母さんが、夫の収入が減ったので、月に三万とか五万の収入になる、せめて赤ちゃんの紙おむつ代になれば、そういうことで、こういう収入になるといううたい文句につい引かれてしまうというのが実態だと思います。
 広告を見て連絡をすると、仕事をする上で必要だからと商品を購入させられるわけです。ローンを組んでも収入で賄えるから心配ないと言われて、高い商品を買ったけれども、最初の説明どおりの仕事のあっせんがなく、支払いだけが続く。二カ月ぐらいたって、ようやくおかしいのではと気づき、消費生活相談センターに問い合わせてくるというのが実態です。

 東京都の調査でも、内職商法による平均契約金額は七十三万五千円にも上るといいます。わずか数万円の収入を得たい、こういうささやかな願いにつけ込み、数十万円もの被害をこうむらせる、このような詐欺まがいの悪徳商法をはびこらせておくわけにはいきません。今回の法改正は、こういった被害を繰り返さないようなものとするために、しっかりとしたものをつくることが必要だと思います。
 この内職・モニター商法の発端、いわば誘われるきっかけというのは、広告やチラシが多いというのが実際だと思います。

 私もセンターにお伺いして、幾つかの事例、こんなひどい被害に遭った具体的な入り口としての広告をいただいてまいりましたけれども、例えば、在宅ビジネス大募集ということで、ダイレクトメール案内状書き、あるいはリーフレット配布、こういうことで、月収三万から十万以上は可能だ、こういうようなことがうたわれている。また、SOHOということが言われておりますけれども、これを見出しに立てて、在宅ワーク、テープリライター、テープを起こす作業ということで、まずは月に三万から五万円の収入からスタートという、これが入り口となっているのが事例であります。
 こういった広告を見た消費者の方は、いわば簡単に、元手がかからず、そこにうたわれているような収入が得られるかのような印象を持ちます。費用負担が明示されていないこういった広告は問題だと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。


平沼国務大臣 お答えをいたします。
 内職・モニター商法に関する消費者トラブルは、御指摘のように最近急増しております。特に具体的な事例として、昨年末、着物のモニター商法である愛染苑山久、健康寝具のモニター商法であるダンシングによる消費者の大きな被害が表面化しました。これは社会問題になったところであります。

 こうした問題に対応するため、今回の改正法案では内職・モニター商法に対する規制を新設したところであり、具体的には、事業者に対して、契約内容を明示した書面の交付の義務づけや、威迫、困惑等の不適切な勧誘行為の禁止をしっかりと規定しております。また、御指摘のような不適正な広告の問題についても、誇大広告の禁止などの規制を設けて取り締まることといたしております。
 このような規制の新設と厳格な執行により、これまでの規制が及ばなかった新手の悪徳商法に対して的確な取り締まりが行える、このように確信しておりまして、これは厳正にやってまいりたい、こういうふうに思っております。


塩川(鉄)委員 消費者被害を未然に防ぐ上でも、いわば入り口となる広告の段階で厳しい規制を行うことが重要だと思います。
 今お話のあったような中身で、今例示をしたような、収入見込み額だけを書いて消費者の目を引いて、特定負担についてはそれだけ見ても全くわからない、こういった広告はどうなるんでしょうか。


杉山政府参考人 ただいま大臣から御答弁申し上げましたとおり、内職・モニター商法につきまして、規制の一つとして広告規制を設けたところでございます。
 具体的には、二つの広告規制がございます。
 一つは重要事項の表示の義務づけでございまして、販売する商品の種類、あるいは顧客の負います金銭負担の中身、それから業務の提供について広告するときにはその提供条件あるいは収入の根拠、そういったものの表示を求めているわけでございます。
 二つ目は、いわゆる誇大広告、その禁止の規定でございます。
 こうした規定によりまして、例えば、本当は顧客が金銭負担を負うことになるにもかかわらず、広告にはこれを載せない、仕事による収入の面ばかりを記載するといったような、いわば不適切な広告を行えば、行政処分あるいは罰則といったものの対象になるというふうになっているわけでございます。


塩川(鉄)委員 実際には、業務をあっせんする業者とそれから商品を販売する、特定負担を強いる会社が違う場合というのがあります。実際には一体でありながら、いわばA社が業務をあっせんする、ただし、その業務を行う上でどうしても必要だからということでB社の物品、例えばコンピューターなどを購入させるという契約を結ばされる、こういう場合についてはどう対応されるのでしょうか。


杉山政府参考人 お答え申し上げます。
 今回の法改正のいわば内職・モニター商法、第五十一条でその定義が書かれております。これに該当するものは、商品の販売等の事業であること、それから購入した商品等を利用した仕事を提供またはあっせんするので利益が得られると言って誘引をすること、それから商品の販売等によって顧客に金銭負担を負わせるということ、こういった要素でこの定義が構成をされております。
 したがいまして、以上の定義によるわけでございまして、御指摘のように、商品の販売等を行う事業者が、自分みずから仕事を提供するのではなくて、ほかの事業者からの仕事の提供をあっせんするというような場合におきましても、つまり物品の販売と仕事の提供が別の会社によって行われるという場合におきましても、この定義規定により、本規制の対象に含まれるということになっておるわけでございます。


塩川(鉄)委員 内職・モニター商法の業者の目的は物を売りつけることにあるわけで、仕事のあっせんはそのための口実にすぎないわけです。業務のあっせん業者と物品の販売業者が別だからということで、業者が形式を盾にして、消費者が救済されないということのないようにしっかりとした取り組みをお願いしたいと思います。
 それからもう一つ、お聞きしたお話の中で、アクセサリー販売の代理店の募集、こういう形のものがこの内職商法ということで挙げられていました。商品を掲載したチラシを配布して、それを見た人が商品を注文すればマージンが入るという形のものであります。

 これなどもその例でありますけれども、代理店活動をあなたもしてみませんか、店舗が要らない、在庫なし、ノルマなし、リスクなし、こういううたい文句で入っているわけです。契約金四十万円で代理店契約を結んで、十万円はまず現金で払って、残りの三十万円は月々一万二千円づつ三十六回払いで払うことにした。当初は月々四、五万円の収入になりますと言われていたわけですけれども、チラシを幾ら配っても一銭にもならない。会社に聞いても、あなたのやり方が悪いのだとか、努力が足りない、こういうふうに言われるだけだ。結局、契約料を取られるだけなので解約をしたい、こういうことで消費生活センターに相談に来られたというお話であります。
 この例の場合、契約書の形式が代理店の契約、こういう形であっても、この第五十二条に言う「個人」に該当するということでいいのでしょうか。


杉山政府参考人 お答え申し上げます。
 今回内職・モニター商法に対する規制を導入いたしましたのは、これも大臣の御答弁にございましたが、事業者の不適切な行為によって、商取引にいわばふなれな個人に不当な被害が生ずることを防止するということを目的にしているわけでございます。その意味で、本法律案では、事業所その他これに類似する施設によらない個人との契約に対象を限定しているというところであるわけでございます。
 したがいまして、本法による保護対象に該当するかどうかというのは、仕事の提供についての契約が代理店契約という名称なのかどうか、あるいはその契約の形式がどうかということによって決まるのではなくて、個人が事業所等によって業務を行うかどうか、そういう実態を判断するということになっているわけでございます。
 したがいまして、代理店契約を締結した場合におきましても、例えばいわば自宅で内職として業務をするといったようなケースにつきましては保護の対象になるというふうに考えているところでございます。


塩川(鉄)委員 例えば、個人で事業をされている八百屋さんが、この不況で売り上げが落ちたということで、副収入として、アクセサリー販売のチラシ配りの内職商法にひっかかった、こういう場合についても、この「個人」ということに該当するということでよろしいでしょうか。

杉山政府参考人 お答えを申し上げます。
 ただいま答弁をさせていただきましたとおり、本法の保護対象になるかどうかということは、当該取引に関しまして提供されます業務を事業所等で行うかどうかということによって決まるものであります。したがいまして、今具体的に八百屋さんの例が出されましたが、例えば八百屋さんが、時間のある際に、いわばワープロ内職を行うといったようなケースにつきましては、本法の保護対象になり得るというふうに考えているところでございます。


塩川(鉄)委員 従来は、代理店契約という形になってくると消費者ではなく事業者同士の契約ということで、救済が難しいというお話も聞きました。仕事のあっせんを口実にしているけれども、商品を買わせることが目的だという実態で法規制の対象とすることが、この法案の実効性を持たせる上で欠かせないと思います。この点でのしっかりとした規制の取り組みを求めるものであります。

 次に、こういった悪質商法を正していく上でも消費者行政の拡充が求められていると思います。
 この訪問販売法につきましても、昨年、特定継続的役務提供が加えられ、今回さらにこのような改定が行われておりますように、消費者行政の強化が図られなければならないのに、都道府県の消費者行政が後退しているというのが実態であります。
 神奈川県や広島県などで消費生活センターの統廃合の動きがあるとか、都道府県の消費者行政関係予算は、平成七年度、全体で約百二十九億円から、十一年度では九十億円ということで、三割も減っております。しかし、相談件数はその同じ期間に五十一万件から六十八万件に三割増加をしているわけです。こういった現状を正していくべきではないでしょうか。


堺屋国務大臣 お説のとおり、消費者行政を充実していくためには、消費者と最も接点になっております消費生活センターを充実することは重要なことだと考えております。
 しかし、委員御指摘のように、各自治体の財政事情等がございまして、神奈川県、広島県等、一部で消費生活センターを削減し市町村に任せるというような状態が起こっていることも事実でございます。また、市町村の方も、予算の点では必ずしもふえていない、この点、非常に残念に思っております。
 これから、消費者センターの重要性を自治体の方にもまたそこの住民の方にも知ってもらうと同時に、より効率的な使い方で、少ない予算でも消費者行政に十分な情報と知識とそして安心できる相談体制を与えていきたい。そういう意味で、私どもといたしまして、PIO―NETを充実するとか、あるいはコンピューターの配置を助成するとか、できるだけのことは考えていく覚悟でございます。


塩川(鉄)委員 地方財政白書を見まして、都道府県財政、この予算を見ますと、平成七年、全体で五十五兆円の規模、平成十一年、五十五兆円の規模であります。ですから、全体の予算は減っていないのですね。それなのに、消費者行政の予算が三割も減っている。予算を削って悪徳商法がはびこるということではふさわしい行政の仕事が果たされていない、そういう意味で、これにふさわしい指導や行政をきちっと行うべきではないでしょうか。

池田政府参考人 先生御指摘のとおり、地方消費者行政の予算が減っているわけですが、都道府県全体の予算も減少しているという中でのことを御了解いただきたいと思うんです。
 それから、消費者行政予算のうちでも、先ほど大臣がお答えいただいたように、いろいろな効率化を図って、苦情相談受け付け処理業務は一貫して増加するよう努力をされているということだろうと認識しております。


塩川(鉄)委員 都道府県の予算については、この数字でも明らかなとおり、平成七年度は歳入予算合計五十五兆七千二百五十一億円、あるいは平成十一年度は五十五兆八千三百四十五億円、減っていませんけれども、こういったことも確認をされていない。これが今の経企庁のお仕事の中身ですか。

池田政府参考人 ちょっと今、その数字、私ども確認できておりませんけれども、全体的な流れにおいては、私ども、都道府県、市町村は厳しい財政状況にあって、予算は厳しい状況にあるというふうに聞いておるわけですが、今先生が言われた額については、ちょっと確認はとれておりません。


塩川(鉄)委員 こういった仕事に対する思い入れがどうかというのが、今の答弁でもうかがい知れるんじゃないんでしょうか。
 国民生活審議会の消費者政策部会がこの七月にまとめていただいたものですが、ここで、「都道府県と市町村における苦情相談・処理業務のあり方について」でも、都道府県センターの役割について、広域的、専門的苦情相談処理、市町村の補完としての苦情相談処理、適切な消費者行政を行う上でのセンサー機能、インフラ機能としての苦情相談処理という三つの側面があることを明確にしています。そして加えて、忘れてならないのは、地方消費者行政全体において都道府県が担う責任が大きいのは言うまでもないが、苦情相談処理についても、市町村の体制がいまだ不十分なことやその消費者行政全体を支える機能を考えると、都道府県の責任とそれに対する期待が大きいことである、このように述べています。実際に、都道府県の行政が後退している、あわせて、市町村も必ずしもふさわしい体制が整っていないのが実態だと思います。

 例えば、消費者行政についての専門に管轄する課や係を設置している市町村というのは全体の一一・八%です。私が住んでおります埼玉県、この埼玉県内に九十二の市町村がありますけれども、消費生活相談員を設置していない自治体というのが全体の四十九であります。九十二のうちの四十九が設置をしていない。この中には、三つの市も含まれているというのが現状です。相談や苦情処理業務をそもそも行っていない自治体も十九ある、このように挙げられております。年間予算がゼロ、こういった町村が三つ。わずか七千円というところも一つあります。
 センターを設置しているところでも、相談日の日数というのが限られています。月曜から金曜まで週五日間やっているというのは、九十二の市町村のうちの十二。四日が二つ、三日が八つ、二日が七つ、一日しかやっていないというところが十四、そしてゼロが四十九。これが実態であるわけです。
 私は、やはりこういった現状をしっかりととらえて、踏み込んだ仕事、取り組みというのを国としても行うべきだと思いますが、いかがでしょうか。


池田政府参考人 消費生活センター等が設置されていないとか、まだ不十分だ、こういう御指摘が今あったわけですが、消費生活センターの設置数については、全国ベースで見ますと一応増加しているわけです。例えば平成五年度では全国ベースで三百三、それが十一年度では四百十二という形で、全体ではふえているわけです。ただ、先生御指摘のとおり、一部の都道府県で、市町村のセンターが充実してきたとか、あるいは財政が厳しいとかいう形で縮小の動きがあるというのは事実でございます。

 それで、先生がまさに御指摘いただいたように、経済企画庁としては、国民生活審議会に地方消費者行政に関する検討委員会というものを設置して審議いただきまして、七月に「都道府県と市町村における苦情相談・処理業務のあり方について」という報告を取りまとめました。中身については、先ほど先生が述べたようなことであります。
 この報告書を受けまして、私ども、基本的には都道府県の消費生活センターというのは条例等で設置されるということで、各都道府県において自主的に判断されるべき事項ではありますが、この報告を参考として、消費者行政を適切に推進するようにという要請を行っております。
 それからまた、いつも秋になりますと、そういう消費者担当関係の職員と私どもとで意見交換会を持つようにしておりますが、そういうところでも、この報告の趣旨に沿って適切に推進をしていただくようにということを説明しておるところでございます。


塩川(鉄)委員 国民生活センターの国民生活動向調査の中でも、被害に遭った人の二・四%しか相談に来ていないということが言われています。ある自治体の話として耳にしましたのが、週一日の相談日を三日にふやしたら、相談件数が三倍にふえたということであります。つまり、そういった窓口がふえることによって多くの方が救済をされる、これが現状ではないかと思うわけです。
 消費者契約法に対する附帯決議の中でも、「消費生活センターが、消費者契約に係る紛争