145回-参議院-経済・産業委員会-07号 1999/04/15


平成十一年四月十五日(木曜日)
   午前十時開会
  
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  出席者は左のとおり。
    委員長         須藤良太郎君
    理 事
                成瀬 守重君
                畑   恵君
                平田 健二君
                山下 芳生君
                梶原 敬義君
    委 員
                阿南 一成君
                加納 時男君
                倉田 寛之君
                小山 孝雄君
                末広まきこ君
                山下 善彦君
                木俣 佳丈君
                谷林 正昭君
                長谷川 清君
                福山 哲郎君
                海野 義孝君
                加藤 修一君
                西山登紀子君
                渡辺 秀央君
                水野 誠一君
   国務大臣
       通商産業大臣   与謝野 馨君
       国務大臣(内閣官房長官) 野中 広務君
   政府委員
       公正取引委員会委員長      根來 泰周君
       公正取引委員会事務総局経済取引局長      山田 昭雄君
       金融監督庁検査部長       五味 廣文君
       経済企画庁国民生活局長     金子 孝文君
       通商産業大臣官房商務流通審議官        岩田 満泰君
       通商産業省産業政策局長     江崎  格君
       通商産業省機械情報産業局長   広瀬 勝貞君
       通商産業省生活産業局長     近藤 隆彦君
       中小企業庁長官  鴇田 勝彦君
   事務局側
       常任委員会専門員        塩入 武三君

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  本日の会議に付した案件
○不正競争防止法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○訪問販売等に関する法律及び割賦販売法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の適用除外制度の整理等に関する法律案(内閣提出)


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○委員長(須藤良太郎君) ただいまから経済・産業委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日までに、今泉昭君及び前川忠夫君が委員を辞任され、その補欠として木俣佳丈君及び谷林正昭君が選任されました。

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○委員長(須藤良太郎君) 不正競争防止法の一部を改正する法律案及び訪問販売等に関する法律及び割賦販売法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

○加納時男君 おはようございます。自由民主党の加納時男でございます。私は、訪問販売法と割賦販売法に絞りまして質問させていただきたいと思います。
 一昨日参考人質疑を行いまして、その結果幾つかの問題点が明確になってきたかと思いますので、参考人質疑を踏まえて質問させていただきたいと思います。
 第一は、対象業種をどう考えるかということでございます。継続的役務取引における消費者トラブルが急増しているということで今回の法改正になったわけでございますが、適用対象とする業種が今想定されております四業種でいいのかどうか、エステ、外国語会話、学習塾、家庭教師派遣事業、いずれも確かに苦情はございますが、これでよろしいのかどうかということについてお答えをいただきたいと思います。


○政府委員(岩田満泰君) 御指摘の四業種につきましては、これまで国会でいろいろ御議論をいただいた事案でございますし、また通産省におきましても省内に研究会をつくりましていろいろとこれまで検討をし、また業界に対して自主ルールの策定を指導するというようなさまざまな経緯を経てきた業種でございます。そのような経緯という意味において、今回法制の整備が必要なのではないかという検討に当たっても、こうした四業種というものをいわば継続的役務取引の典型業種として頭に描きながら議論をさせていただいたという経緯がございます。
 したがいまして、こうした四業種というものがまずは念頭にあるわけでございますが、いずれにいたしましても政令で指定をいたします具体的な継続的役務につきましては、こうした経緯も踏まえながら、改正法の特定継続的役務の定めに合致するものの中から、苦情相談の発生状況でございますとか業界の自主ルールの実効性、そういったものを総合的に検討いただき、消費経済審議会でも御議論をいただいて政令指定の内容を決めていきたい、このように考えておるわけでございます。


○加納時男君 従来の経緯だとか自主規制の成果を見て考える、あるいは典型的なものを取り上げたというので、私はこの四業種に決して異議を申し立てているわけではないんです。あえて申し上げると、四業種以外にも重要なものがあるのではないかというのが一昨日の参考人質疑でありました。
 私なりにちょっと調べてみますと、PIO―NET、パイオネットと呼んでおりますけれども、これで平成十年のデータを調べてみたわけでございます。平成九年度で今おっしゃった四業種、確かに多いんです、一万三千五百件。私は非常に多いと思うから、今回の、今の局長さんの御回答は私はいいと思うんですけれども、四業種を全部合わせたよりもさらに多いのもありますよということを私は申し上げたいわけで、四業種が全部で今一万三千五百と申し上げたんですが、一つの業種でもって一万四千五百もあるというのがそれが資格商法であります。
 おととい都の生活文化局の参考人の方に、東京都は全国と若干違うと思うんですけれども、どのくらいですかと伺ったところ、エステが千九百、会話が千百、塾が四百、家庭教師が三百六十、これは都内だけですけれども、こういう数字がありまして、そのときに、資格講座はどうですかと聞いたら、六百二十八とおっしゃいました。だから決して少なくはない。ですから、資格講座については確かにいろんな議論があったと思うんですけれども、今後ともぜひ考えてほしいということを申し上げたいと思います。
 資格講座について何かコメントがありましたらお願いしたいと思います。


○政府委員(岩田満泰君) 資格講座の問題でございますが、この内容がほとんどのものがいわゆる電話勧誘販売ということになっておりまして、実は平成八年に訪問販売法の改正をしていただきましたときの一つの実態的なテーマであったわけでございます。その意味で、電話勧誘販売に係ります消費者トラブルの対応ということで規制の導入をしていただいたということでございます。
 その結果と申しましょうか、資格講座に係る相談件数、それまで増加傾向にあったものが法改正後は減少に転じているということでございますけれども、苦情相談件数で見ましたときになお上位にあることは御指摘のとおりでございます。
 この内容についてでございますが、確かに電話勧誘という勧誘方法における問題点というものがまず第一に目につく点は明らかであるわけでございます。これは同時に、私ども、現時点におきまして御指摘も踏まえて考えてみまするに、解約に関する苦情相談というのも寄せられておりまして、今後ともこの苦情相談の内容というものをよく注視いたしまして、解約問題ということになりますればまさに特定継続的役務の問題として対応を図る必要がある可能性があるというふうに考えておりまして、そうした形で追加するということも含めまして対応を検討してまいりたい、このように考えております。


○加納時男君 そこまで回答していただいたので、この問題は打ち切りたいと思います。
 おっしゃるとおり、電話勧誘が九割ぐらいあったんです。平成八年に法改正をして訪問販売法の中にこの電話勧誘というのを織り込んだというので、電話勧誘による苦情が減ってきたというのはわかります。けれども、私しつこく言ったのは、平成九年度のフィスカルイヤー、会計年度の東京都の調査でも結構多い、全国調査でもまだ多いということなので、電話勧誘の分が減ったのはわかるけれども、今局長が言われたように、これは解約なんです。半分ぐらいが解約というのが非常に苦情の種になっております。そこで、こういうことがあるので、これは終わりということではなくて、資格商法についても今後ともぜひ目をつけていっていただきたいということで、今お話のあった中途解約を含む内容に次は移りたいと思います。
 私のテーマは、自主規制と法規制をどう考えるか、どう違うのかということであります。今話題になっている四業種は平成六年度から自主規制に入って、書面交付であるとかクーリングオフとか中途解約等について自主規制が行われてきた。これに期待していたわけでありますけれども、成果もあったけれども不十分なところもあった。特におとといのお話ではアウトサイダーが九割もあるということで、自主規制が内容はよかったんだけれども必ずしも徹底しなかった、苦情は減らなかったということで今回法規制に入ったと思います。
 そこで、自主規制と法規制の内容的な違いはどんなものでしょうか。自主規制をそのまま法制化したということでしょうか。


○政府委員(岩田満泰君) 今回の法制化に当たりましては、これまでの各業界によります自主ルールによる取り組みをまず参考にさせていただきまして、取引適正化の観点から、その中から特に法制化の必要の高いもの、あるいは法制化になじむものというような二つの観点から検討いたしました。
 具体的には、今御指摘ございましたような契約締結時の書面交付の義務づけでございますとかクーリングオフ、あるいはその契約に特徴的な中途解約の制度等々を盛り込みまして、また威迫、困惑、不実告知、誇大広告の禁止といった行為規制を導入したということでございます。


○加納時男君 わかりました。
 今のお話の中でちょっと触れておられなかったことでありますけれども、これまで自主規制の中に入っていたもので、前受け金の上限値を定めるというのが私はあったように思います。それから、おとといの議論では、これは日弁連の方だったですか、前受け金の保全措置を書くべきだというお話があって、私は若干違う意見なんですけれども、これについてはどんな御見解ですか。前受け金に限定してお答えいただけたらと思います。


○政府委員(岩田満泰君) 御指摘の前受け金の上限設定につきましては、御指摘のように自主ルールの中には定められているわけでございますが、産業構造審議会において御議論いただきました。ここは、法的な規制によってどこまでをカバーすべきであり業界の自主的な対応によってどこまでをするのか、まさに法律による規制になじむなじまないといったような議論、あるいは業界、自己責任というようなものとの関係をどのように考えるかということに関連する議論でございますけれども、一律にこうした前受け金を幾ら以上取ってはならないというような規制をすることは法的な規制としてもなじまないという結論になったわけでございます。このような分野につきましては、今後とも、業界の中における自主ルールと申しましょうか、業界の中で任意のあるいは適正な議論の集約として自主ルールとしてやっていただくということが適切なのではないかということでございます。
 また、前受け金の保全の問題について御指摘でございますが、この点につきましても、保全を法的に義務づけるということについては適切ではないという結論が出されたわけでございます。この理由はさまざまございますけれども、一つには立法例との関係でございまして、既存の立法例を見ますると、すべて業規制がとられているものに限り前受け金の保全措置がとられているわけであります。前受け金と申しますのは、業規制のような体系をとりませんと最終的には業を実施することを禁止するというような法的な担保措置がございませんといけません。そういう意味で業規制がとられているということもございますし、また、既存の立法例に見られますような前受け金保全措置がとられている例は、その前受け金というものの性格からいきまして、特定継続的役務というようなものの取引における資金の性格と同じであるかどうかという、いわゆる保全措置というものを義務づけるになじむ性格のお金であるかどうかというような点もございます。
 業規制に話をちょっと戻しますが、業規制をすること自身はもちろん基本的には業者を制限するということになるわけでございまして、このような新しい業界、いろいろな方が目指してこられる可能性があるものについてそうした業規制をとることがいいかどうか、あるいはまたそのための行政コストというものとの関係をどのように考えるかというような点の議論もございました。
 その結論としては、前受け金の保全措置ということではなくて、任意に前受け金の保全措置をとっておられるかおられないかということをまず消費者に明らかにさせる。そうした意味での情報開示をして、消費者が自分自身、前受け金の保全措置をとっている業者と自分は今契約をしようとしているのかしていないのか、あるいはそういう業者を選ぶのか選ばないのかというような意味の情報提供の措置をとるというようなことによって、消費者の選択のための便宜に資するとでも申しましょうか、そういうような措置をとることが大事なのではないかというようなこと。と同時に、その事業者の財務内容についてこれを開示するということで、財務関係の書類の閲覧あるいはそのコピーの提供というようなことを義務づける規定を置きまして、消費者の側において情報を入手して、それぞれのお立場から検討していただき、どのような事業者を選択するかというような形の体系をとらせていただきたい、このことがとても望ましいであろうという結論に達した、こういうことでございます。


○加納時男君 私は、保全措置についてはこれはいろんな意見があり得ると思います。今のお話も私は一つ有力な考え方だと思っています。特に、保全措置があるかどうかを消費者が知って判断して、そこで自分が契約するということは大事だと思いますし、財務状況も開示することは大事だと思っています。これは今回の法案に入っていると私理解していますが、そういう見方もあるということでこれは理解できるかと思います。
 それから、前受け金の上限値については、私はやっぱりこれはあった方がいいと思います。これは法で規制するのがいいのか、自主規制としてやるのかということですけれども、私は自主規制でもいいからこれはやはりやった方がいいだろうと。ただ、自主規制としてこれをやるべきだというのは自主規制とは言わないわけで、これは行政介入とかあるいは法規制に準ずるものでありますから、自主規制というのはあくまでも企業の自主的な責任として私はこれをやってほしいと思っています。
 そういうことを述べまして、次に抗弁権の接続に移りたいと思います。
 これも今回の法改正の大きな目玉の一つだったと私は思うんです。エステ業者を初めとして、この間、いろいろお話を伺うと小さな企業もあると。倒産してしまうのもあるし、転業したり廃業したりする。契約がなくなってしまったけれども、お金が一括前受けということなのでほかで調達をした、それが継続的役務提供契約業者のあっせんによってローンを組んでいるとか、いろんなケースがあって苦情になっているわけでございますが、中にはクレジットまがいの消費者金融からの請求が多くて苦情になっているというケースも随分あるようでございます。
 今回のローン提携業者、それから割賦購入あっせん業者に対する抗弁権の接続でこれらの問題が全部解決できると考えられるのか。私はどうも何か脱法行為が残るような気がしてしようがないんで、これにぜひきょう歯どめをかけさせていただきたいと思うんですけれども、例えば役務提供契約と金銭消費貸借契約、これは違う話なんです。これがリンクしているように一見見えるような場合、お客さんの方はこれはリンクしているんだと考え、よく見ると実は別だというので今後苦情が出るんじゃないかと思うんですが、こういう場合に抗弁権が接続されるかどうか、この辺どうでしょうか。


○政府委員(岩田満泰君) 御指摘のように、今般、割賦販売法の対象に役務取引を追加していただきたいということで改正の御提案を申し上げておるわけでございます。そうなりますと、商品の販売の場合と同様に、役務提供事業者に例えば債務不履行があったというような場合の事由をもちまして、消費者が割賦購入あっせん業者、信販会社のような、あるいは場合によりまして金融業者もありますが、支払い請求に対抗できるといういわゆる抗弁権の接続の手当てができるようになるということでございます。
 御指摘のような例えば金銭消費貸借というような場合に抗弁権の接続があるかどうかということにつきましては、実態的には個々の事案ごとに精査するということがどうしても必要でございます。と申しますのは、この割賦購入あっせんという割賦販売法上規定をされている定義がございます。この上で一つ重要な点は、役務提供事業者と例えば金融機関あるいは貸金業者との関係におきまして、金銭消費貸借契約と役務提供契約の間に密接な、いわゆる牽連関係とよく申されますけれども、そうした牽連関係が存在するかしないかという点がございます。したがいまして、このあっせんに該当すれば抗弁権の接続が図られるということになるわけでございます。
 また、そうしたもろもろの紛争が起きたような場合にも、最終的には個々の判断ということが残る場合があるわけでございますけれども、今般の訪販法の改正案十七条の三におきまして、エステのような特定継続的役務提供事業者に対して書面交付義務を課しているわけでございます。その内容といたしまして、お金を借りて自分の事業所にお金を支払ってもらうという消費者との間の関係が発生したときに、抗弁権の接続があるものであるのかないのか、役務の提供事業者の側がそういうことを書面の中に開示をする、説明をする、そういう情報開示をするということの有無を記載していただくことを義務づけたいというふうに考えております。このようなことをすることによりまして、消費者が自分が契約をするかもしれない、しようと思っている事業者が抗弁権の接続のあるような資金調達の道を紹介したりしているのであろうかないかということの判断をしていただく、そのような道を開きたいと考えておるところでございます。


○加納時男君 ありがとうございました。一番私が聞きたかったことを明快に答えていただきましたので、ぜひその方向で進めていただきたいと思います。
 残った時間が三分程度でございますので、最後に与謝野通産大臣にこれからの大きな課題について御見解を伺いたいと思います。
 電子商取引の話でございます。インターネットの利用が急速に進んできております。この結果、消費者トラブルもふえておりまして、中には、外国と通信をしていますと、これあなたどう思いますかというのがありまして、英語がよくわからないままに、うっかりイエスというのを押すとこれで取引が成立してしまうという恐ろしい苦情が実は出てきているわけです。その結果、事例を見ますと、高額な請求をされたとか、それからクレジットカード、パスワードが盗用されたとか、それから物は送ってきたんだけれど不良品だったあるいはにせものが来た、そこで文句を言おうと思ったらそれはもうつぶれていたとか、非常にこれは国際的な犯罪とも言えるようなものが起き始めてきております。ちなみに、国民生活センターの調べでも、平成九年度のこういった関係の苦情照会が六百件もあるということでございます。
 実は今回、電子商取引というのがこの指定業種に入っていないと私は思っていたんですけれども、いろいろ通産省の方に聞いたところ、いや訪問販売法の中で読むんだよということで、通信分野はもちろん入っていますから通信分野というので入っていますというんです。それはそうでしょうけれども、これは大臣の御見解をぜひ伺いたいのは、これから商取引が国際化、高度化、電子化してまいります。こういった電子商取引がふえてくるのに当たって、今回の法改正も踏まえ、通産省としてはどのような方向でこの問題に取り組んでいかれるのか、御覚悟のほどを伺って質問を終わりたいと思います。


○国務大臣(与謝野馨君) 電子商取引は、個人と企業、あるいは企業と企業というようないろいろな取引の形態がございます。正直に申し上げますと、現在、電子商取引に関しましては、国内の法整備は行われていないことはもとより、例えばヨーロッパ、アメリカ、カナダ等々と日本との間でもまだまだ電子商取引の国際的な法的な環境の整備が終わっていないというのが現状であるわけでございます。
 個人と企業の場合には、先生今御指摘のように、商品あるいはサービスの提供に対してコンピューターの通信上でその購入の意思を表示するということでございますから、これを消費者の立場に立ってどう守っていくかということは、国内の業者と消費者との関係もありますし、海外の販売業者と日本の消費者という関係もございます。現に、特定のスポーツ用品等については、私の友人たちも海外からそういうものの販売をインターネット上で知ってそれに対して契約をする、あるいは国内でもそういうことはもう既に行われております。
 したがいまして、そういうことに関しまして、通常は正しい御商売をしている業者がほとんどでございますが、例外的にそういう詐欺的な商法があったとしたらそれをどうするかということでございます。一般的には刑法の詐欺罪等が適用されるわけですが、コンピューター上での取引という特別な取引、紙の上では見えない取引でございます、これに対する消費者保護をどうするかという問題は残っております。
 それから企業間につきましては、電子商取引ということはこれからますます盛んになります。そのときに、通常の取引ですと、俗な言葉で言えば企業の本人確認というのは例えば印鑑証明等で行うわけでございますが、これを紙の上に書いた契約でなく、あるいは印鑑証明等、企業を正当に代表しているかどうかということを確認する、そういうことについてはコンピューター上あるいはインターネット上で電子商取引を行うときにはどうしたら相手の確認ができるかという本人確認の問題が契約法上当然あるわけでございます。しかしながら、この問題については、法務省、郵政省、通産省が事務的にこのための法律の整備を早急にやらなければならないという意識に目覚めまして、事務局同士は既に話し合いを始めております。
 いずれにいたしましても、これは国内法整備と、あるいは国際間の取引もございますから、国際間で統一した基準で取引を行う、安心して取引ができるという国際的な取り決めも必要でございますし、また国内においては、これもまた契約当事者間で契約当事者の真贋を見分けるための確認ということもまた法律上必要になってまいります。
 いずれにいたしましても、先生御指摘のように、この問題は早急に法整備を行いませんと、欧米諸国で盛んになっております電子商取引という分野に日本が一歩おくれるという私は懸念を持っております。

○加納時男君 ありがとうございました。終わります。




○畑恵君 自由民主党の畑恵でございます。加納議員にかわりまして、私の方は不正競争防止法について伺わせていただきます。
 〜略〜
 質問を終わらせていただきます。




○福山哲郎君 おはようございます。民主党・新緑風会の福山でございます。
 この問題についてはかなりこの委員会でも熱心に御議論いただきましたし、先日の参考人質疑におきましてもかなり具体的なお話がありまして、多少重複することがあるかもしれませんが、お許しをいただきたいというふうに思います。
 みずからの恥をさらすようで申しわけないのですが、ふと自分を省みますと、大学を卒業いたしましてサラリーマンとして企業に就職をして二年目ぐらいのときに、ある女性から一緒に英会話学校へ行きませんかと誘われて、ほいほいと行こうと思いまして、当時でいうと三十回、期限は一年間ぐらいで、値段にすると十万か十五万ぐらいだったと思いますが、その女性と一緒に行けるということでチケットを買いました。三十回分ぐらいだったと思いますが、チケットを持って、当時安い給料だったものでもちろんローンを組んで、実はそのチケットを二回ぐらいしか消化していないので、八カ月ぐらいたってからお金を返してもらえませんかと言うと、お金は返せませんと。あと残り四カ月ぐらいしか期限がなくて、どう考えても仕事が忙しくて行けないということで、これはもう自分がやっぱり浅はかだったんだと思いまして、もちろん英語を勉強したかったのは間違いないのですが、お金を払ってあきらめた記憶を実はこの審議をしている最中思い出しました。
 要は、参考人のときにもお伺いをしたのですが、あくまでもそこは自己責任だと僕は思っていた節が当時はありました。英会話学校の方もそれで企業が成り立っているんだから、行かないのは私の自己責任だという気でおりましたので、お金も結局払ってしようがないなというふうに思いました。ただ、今回、中途解約ができるようになったので、あああのときこれがあればお金は返ってきたのだと思っているのですが。
 ただ、この間の参考人のときにありました、例えば東京都だけで相談者の件数が九年度八万七千件、一日でいうと約二百四十件、それから役務サービスに関する相談件数でいうと九年度で三万件、これも一日でいうと約八十件から九十件、これは東京都だけで電話が鳴り響いているわけです。この間、参考人が言われていたように、相談の窓口に来られる方というのはわずか一%だと、先ほど加納先生もおっしゃっておられました。一%ということは逆に言うとその百倍件数があると考えたときに、大変ひどいと。
 ただ私は、先ほどみずからの恥ずかしい経験も含めて、自己責任だということと、そこにどう規制を加えるかということと、では産業の自由な活動の中で悪質な業者も含めてどうするんだという、自己責任と産業の発展と規制のバランスをどうとるのかというのを、自分の中では大変複雑な思いでおります。
 まずは、与謝野通産大臣にもし御見解をお伺いできればと思います。よろしくお願いします。


○国務大臣(与謝野馨君) 先生のケースは、会社が忙し過ぎたのか、英語の塾の教える内容が悪いのか、女性が悪いのか、にわかには判断がつきかねるわけでございますが、近代の契約法というのは、やはり契約当事者間の自由な意思に基づいて契約をするということで、これは口頭であれ書面であれ契約というのは成立するわけでございます。
 しかし、法律の建前はそういうことになっておりますけれども、口頭の契約というのは契約の内容について後で確認することに関しては不安定性がありますし、また契約当事者間が対等であるといっても、一方は知識を持ち一方は知識を持たないということがございます。これは法律の問題もそういうことでございますし、提供される物品、サービスの内容についてどちらが高い知識を持っているのか、どうやってその内容を確認するのかという具体的な問題になりますと、契約者間が対等で契約するといういわゆる教科書的な契約法というのは多分現代社会では適用できないだろうと。一連の訪問販売法、割賦販売法等々が消費者保護の立場に立っておりますのは、もろもろのそういう事情を勘案してできた消費者保護の法律であると思っております。
 したがいまして、原則は契約者は対等で契約するんだということであっても、やはり知識あるいは法律上の経験等々が薄い一般の消費者というものを保護するという法制というのは、当然現代社会が要請している大事な法制であると私は思っております。


○福山哲郎君 ありがとうございます。
 まさに大臣が言われたように、近代の特に民法上、契約というのはお互いの当事者間で成立をするわけですから、そこが一々不安定な状況でいつ解約されるかわからないような状況になった途端、もう商行為、取引が成り立たなくなるわけです。ですから、逆に四業種に指定をする意図というのは僕は大変よくわかっているつもりです。ただ、海外ではこうした指定商品制とか指定業種をとる国はなくて、原則適用、一部除外というふうな例もあると伺っているんですが、なぜそれが日本ではできないのかということと、海外ではその場合にはどういうふうな法律的な判断でやられているのかを教えていただければと思います。


○政府委員(岩田満泰君) 海外では私どもの日本にあるような訪問販売法のような形で、分野分野ではございますけれども、かなり広い分野を包括的に規制するような法律は必ずしもないようでございます。教育というような特定分野に限定をしたりというようなことでございまして、それ以外にはもっとむしろ消費者契約一般というような形でそういうものに対して対応するというような法制のとり方がされているというように理解をいたしているところでございます。


○福山哲郎君 そういった中で、今のお答えだとよくわからないんですが、例の四業種の問題、先ほど加納委員からもありましたが、大臣は本会議で「今後生じ得る新たな役務の指定に際しましては、苦情相談の実態等の総合的観点から検討を行い、機動的に対応するよう努めてまいります。」というふうに御答弁をいただきました。
 それで、流れとしては、例えば九四年に自主的な取り組みをしますという話をしたけれども、その自主的取り組みの実効性が余り見られずにどんどん増加をしてきた。だから、今回その増加の著しいというか、苦情件数の多い四業種を指定しました。それ以外のものに関しては、先ほど申し上げたように、政令で機動的に対応しますという話になっていると思うんです。その流れは私も理解をしているんですが、ということは、極端な話で言うと、四業種以外のものの苦情がふえたら新たに対応するというふうに、裏を返して言うとそうも聞こえるわけです。
 逆に言うと、では四業種以外のところで、被害、苦情がどんどん広がって、その被害が見えたところで、ではやっぱり指定をしましょうかというのは、当初自主取り組みをしたけれどもやっぱりだめで、ふえたから四業種を指定した。しかし、それ以外のところは自主的取り組みないしそういったもので苦情がふえてきたら新たに指定しますよということは、逆に言うと九四年の自主的取り組みの轍を、四業種以外では同じことをもう一度繰り返すのではないかなという危惧がある。その間に被害者がどんどんふえていくのではないかなという危惧があるんですが、その


○政府委員(岩田満泰君) したがいまして、この指定の問題と申しますのは、機動性というところが極めて重要なことでございますが、同時に、私どもがこうしたいわゆる指定商品・指定役務制ということを訪問販売法制定以来とっておりますのは、実は訪問販売法は今やいろいろな分野を包含する法律になっておるわけでございます。いずれにしても相当強力な行政措置というものが用意され、一方においては民法の特則としてかなり大胆な特則が設けられるというような形。今回で申し上げますれば、クーリングオフに加えて中途解約の権能というものが与えられる、しかも、事由のいかんを問わない中途解約権というようなものが与えられるということでございます。そういうかなり強力なと申しましょうか、そうした一般則に対する例外的な内容を持つものについて、これを被害とかトラブルとか、トラブルは数の問題だけではないと私どもは思っておりまして、その内容の問題があると存じておりまして、そうした内容に照らしてやはり深刻なものと申しましょうか、それをいかに機動的に把握し指定していくかということではないかと思っております。
 ありそうであればあらかじめ網を張っておくというのは、これはこれで一方において規制の行き過ぎという批判を受ける可能性があると思っております。特に、内容が訪問販売法のような法律というのはかなり強力な規制手段を伴っておりますので、そのような考え方で指定商品制・役務制ということをとらせていただいてきている、こういうことでございます。
 機動的に対応しろという御指摘は、御指摘のとおりでございまして、私どももその努力をしていきたいと思っております。


○福山哲郎君 そういう御答弁になるんだろうと思います。
 ただ、逆にそこで、例えば先ほどの資格講座とか自己啓発講座というのもかなり苦情件数としては多いわけです。それで、一体どこまで多ければ、その中身ももちろんそうなんですが、苦情件数もそうなんですが、先ほども申し上げましたように、ここに出てくる数字というのは一%とか四%だと言われている状況の中で、中身を勘案してというものの、ガイドラインとか目安とか、それはおっしゃられたように、機動的に個別の業種についてその場その場で対応するというふうにしか今方法はないんでしょうか。


○政府委員(岩田満泰君) ガイドラインというようなお話でございますけれども、そういった議論との関係において、機動性と同時に恣意的な指定ということは一方において慎むべきというようなことで、訪問販売に関していえば、消費経済審議会という場でこれを御議論いただいて、機動性と同時に恣意性を排除したような形での規制体系を保持する、こういうことになっておるわけでございます。
 したがいまして、今具体的に挙げられましたような業種というのは、一言で申し上げまして、私どもも重大な関心を持っております。持っておりますが、それぞれに取引と申しましょうか業種の実態にはかなりの複雑なものがございまして、例えば仮に中途解約というようなことが起きた場合において、いかなるところを損害賠償額の制限として設定することが合理的であるのかというようなことは、これは通常の民法に基づく契約であればはるかに高いお金を取られるであろうその上限をはるかに低いところに抑えようという趣旨を持っております。そうなりますと、そういうものについていま少しく私どもとしては勉強をしなければいけない点はある、しかし重大な関心を持って見詰めているというようなところがあるわけでございます。


○福山哲郎君 それでは、ちょっと別の観点からお伺いをしたいんですが、九四年に自主的取り組みということで通産省がやられたわけですけれども、その当時、エステ、学習塾、外国語会話教室、家庭教師派遣、今回指定の四業種に関しての組織率が把握をされていたのかどうか、もし把握をされていたとしたら、どのぐらいの組織率だったのかをお答えいただけますでしょうか。


○政府委員(近藤隆彦君) 今御指摘の四業種でございますけれども、現在の組織率で申し上げますと、エステティックが一番高いわけですが、これでも一三%強でございますし、また一番低い外国語会話教室、これは三%ぐらいでございます。また、残りの学習塾とか家庭教師派遣につきましては、おのおの七%ないし一〇%という数字でございます。

○福山哲郎君 もう一度。

○政府委員(近藤隆彦君) 七%とか一〇%という数字が現在の学習塾、それから家庭教師派遣の数字でございます。
 ただ、九四年当時につきましては、そういう意味でいいますと、明確に業界の組織率を把握しておりませんけれども、現状がこうでございますので、相当低かったのではないかというふうに推定しております。これは、新規参入が非常に多いとか、個人企業に近いようなものが多いということがありまして組織率が大変低いわけでございますけれども、現状から見ましても、当時はもっと低かったのではないかというふうに推測しておりますけれども、恐縮でございますが、正確な数字は把握をしておりません。


○福山哲郎君 そうすると、この四業種については、九四年の通達の時点で、当時ははっきりとした数字は御存じなかった。ただ、組織率が低いだろうなということはある程度類推はできた状況はあるわけですか。


○政府委員(近藤隆彦君) 恐らく、こういう新しい産業でございますし、それから経営の形態が個人企業ないしは極めて小さい規模でもできるものでございますから、もちろん当時から団体はございましたけれども、組織率は相当低いのではないかという感じはある程度は、特に企業数でいいますと考えられると思います。ただ、業界全体の例えば売り上げ規模とかそういった面でいいますと組織加入者は結構大きなウエートを占めている場合がございますけれども、企業者の頭数でいいますと圧倒的に小さい人が多いということもございましたものですから、企業数ベースでいいますとかなり小さかったんじゃないかという推測をしております。


○福山哲郎君 そうすると、先ほど御答弁いただいたように、現在でもエステが一三、学習塾が七、家庭教師が一〇、外国語会話教室が三%という状況で、九四年の取り組みのときはこれよりも少ないという状況はある程度類推できたと。
 僕は、今、当時政策が失敗だったとか反省しろとか、そういう後ろ向きの話をしているわけでは全然ないんですが、この状況なら当然自主的取り組みを促したって、だって九割がアウトサイダーなわけですから。今まさにおっしゃられたように、売り上げの規模でいうと、加盟をしている、組織化されている方が売り上げの規模は大きい。九割が売り上げの規模が小さくて把握できないとなれば、ここが悪質な業者である可能性というのは苦情がふえてくる段階で限りなく高いわけです。ここについて、この九四年の自主取り組みから今回の改正に至るまで、低組織化に対する通産省としての御努力、取り組みを何かなされたのか、その結果が現在の一三なら一三なのか、それまでは一応そういうことは余りせずに来たのか、そこら辺はいかがでございましょうか。


○政府委員(近藤隆彦君) 御指摘のとおり、業界全体にこのようなルールができるだけ浸透することは必要でございますので、いろんな普及啓発活動というのは国も行っております。業界に対しましても自主ルールをつくったことを幅広くいろんなことでPRするようにといったこととか、それから国もこのような自主ルールがあるといったことをいろんな場で説明しまして、できるだけ広く浸透を図る。こういった自主ルールの作成が逆に組織率を高めるという効果も期待できるという面がございますので、そういったことも期待しておった面がございます。
 他方、消費者に対しましても自主ルールの存在を十分知っていただけば、消費者との関係でもなお事業者が慎重になるという可能性もあったものでございますので、このようなことでできるだけ業界団体の組織率を高めたいといったことを業界を通じましていろいろな指導をしておったわけでございますけれども、数字は現状のとおりということでございます。


○福山哲郎君 これは実態としてお伺いしたいんですが、通産省がエステならエステの業界にこういう法案ができてこういうことになりましたよといっていろいろ浸透を図る。加盟をしていないそれ以外の例えば九七%のところには現実問題としてはそういうメッセージは、例えばポスターが張ってあるとかどこかの新聞に出たとか、そういう話ではなくてダイレクトにそういうところへ届く手だてというのは実際にはないわけですね。


○政府委員(近藤隆彦君) これは今回法律の改正をしていただきますと、ますます業界としましても自覚が高まると思いますので、そういう意味で言いますと、一つは業界団体に対する求心力も高まる可能性があるというふうに考えております。
 それから同時に、全国を回りましていろんな場で説明会等を行いまして、国としましても幅広く関係者にこういった新しい法規制の内容といったものをよく知ってもらう、そういうことを通じましてできるだけ隅々まで浸透できるようにということでございますけれども、願わくばこういったことを通じまして業界の組織率も高まっていく、それから業界の自主ルールもますますしっかりとしたものになっていくことを期待しております。そういう意味では、説明会等をできるだけ幅広くして多くの人に知ってもらうということが一番じゃないかというふうに考えております。


○福山哲郎君 ありがとうございます。
 この間も参考人がおっしゃられたんですが、一人とか二人の技術者が小さい規模でやっているところが多いという御答弁がありました。そこは、この間もエステ業界の加盟の入会金等を見ると年間何万円という形になるわけです。そうすると、一人とかで近所の御婦人相手にやっているようなところは、そこに加盟金を払って何らかのメリットがあるかというと、よくわからないという状況の中で、こういう法律ができたことすら全く知らないまま行ってしまっているようなことも僕は多々あるんじゃないかと。特に家庭教師派遣とか英会話教室でも学習塾にしても、学習塾といったっていろいろありまして、寺子屋さんみたいなところから、おうちで部屋を借りているようなところからいっぱいありまして、その中には、悪質なことでちょっともうけたろかというようなところがあるんだと思いますし、その辺の問題は本当に悩ましいなというふうに思いますので、ぜひそこら辺は御努力をいただいて浸透を図るようにお願いをしたいというふうに思います。
 その流れの中で、エステに関してなんですが、例えばこれは通産省の管轄の問題ではないかもしれないんですが、理容業、美容業、例えば床屋さんとかは技術者としての資格も要る、事業者にいろんな規則もある。エステに関しては、電気針を使用した永久脱毛サービスがあったり肌に直接さわったりするわけですが、これは恐らく通産省ではお答えにくいことだと思いますが、こういったことに対する資格制度の導入等については、厚生省さんになるのかもしれませんが、どのようにお考えなのか、もしお答えできる範囲があればお答えいただければと思います。


○政府委員(近藤隆彦君) エステの行っております一部の業務につきましては、おっしゃいましたような法規制のかかっているようなものもあるように承知しておりますので、そういう意味では法規制との調整が要ると思っております。
 御指摘の資格の問題につきまして、ちょっと切り口は違いますけれども、やっぱりいい仕事をしている事業者とそうでない事業者と差別化をする、そういうものが一般の消費者も理解しやすいようにするという観点からは、現在業界が自主的に努力しておりますのは、ロゴマークとかあるいは団体に入っているという加盟の証書みたいなものをつくりまして、それを見やすく張ったりしていまして、自分のところはしっかりとした業務をしていますということを明確にして消費者の選択に資しているというケースがございます。若干切り口は違いますけれども、こういったことをさらに普及しまして、消費者とすればちゃんとした事業者であるということを認識できるような、そういったことを通産省としてもできるだけのことをしたいというふうに考えております。


○福山哲郎君 ありがとうございます。
 また、ちょっと別の観点から質問させていただきます。
 今回の改正では罰則規定がかなり強化をされました。それは私は、フリーライドする悪質な業者がそれだけ警戒をするということで大変評価をさせていただいています。例えば業務停止命令に反したときは、これまでの百万円以下の罰金が三億円以下に引き上げられたりということで大変いいと思うんです。業務停止命令に反したとき罰金になるというふうに思うんですが、そもそもその前提となる業務停止に至るまでのプロセス、どういった状況があったらどういう段階を経て業務停止命令まで行くのかをちょっと教えていただけますでしょうか。


○政府委員(岩田満泰君) 業務停止命令に至るプロセスでございますが、一つは、取引の公正あるいは消費者の利益が害されるおそれがあるというときに、まず業務の改善等々につきましての指示を行うことができることになっておりまして、この指示に違反する行為をした場合には業務の全部または一部の停止命令を行うことになっております。この命令にさらに従わない、違反した行為を行った場合には、事業者を罰するほかに、その事業者の属する法人につきまして法人重課と申しましょうか、そうした罰則重課の対象になるということに罰則の内容を改正させていただきたいということで御提案しているわけでございます。

○福山哲郎君 そうすると、八八年にも法改正があったんですが、この十年間にこの業務停止命令は一体何件あったんでしょうか。

○政府委員(岩田満泰君) ちょっと手元の平成八年に前回法律を改正していただきました以降のデータで申し上げさせていただきますが、したがって平成八年十一月以降ということになりますけれども、訪問販売法に基づきまして業者に対して二十二件の指示処分と一件の業務停止命令を行ってきておるところでございます。

○福山哲郎君 業務停止命令は一件ですね。指示処分が二十二件ですね。そのときの例えば業務停止命令は公表義務があるんですか。

○政府委員(岩田満泰君) 業務停止命令につきましては公表義務が法定されております。

○福山哲郎君 では、指示処分は公表義務はありますでしょうか。

○政府委員(岩田満泰君) 指示につきまして法定された義務はございませんけれども、私ども、指示の対象になる行為というのは、この法律に違反をするような行為であり、かつ消費者の保護あるいは公正な取引という意味において、それを害する重大なおそれがあるというケースでございます。
 公表するということにつきましては、実質的な社会的制裁の意義を有しておりますし、かつまた消費者に対して、ある業者が問題を起こしているということの情報提供をするという意味合いもあるかと存じております。その意味におきまして、指示をするようなケースにつきましても、消費者被害の実態を踏まえながら必要に応じて公表ということも判断をしていきたいというふうに考えております。

○福山哲郎君 ということは、指示に関しては公表の義務はないけれども公表することもあり得るというふうに判断させていただいてよろしいわけですね。

○政府委員(岩田満泰君) さようでございます。

○福山哲郎君 そうすると、これまでで言うと、指示処分は二十二件出ていて、業務停止まで行ったのが一件だと。ということは、二十二件指示が出た段階で、ある程度、業者の方では自分のところでの自主規制なり多少の改善が見られたということですか。

○政府委員(岩田満泰君) さようでございます。一件につきましては改善が見られませんでしたので業務停止命令に至ったということでございます。


○福山哲郎君 そうすると、先ほどの公表の話になるんですけれども、公表は弾力的に対応できるというふうにおっしゃっていただいたので、それは大変いいことだと思うんですが、やっぱり悪質な業者にとっては、業務停止まで行かなくても指示処分を受けたことが公表されるというのも、その会社のイメージ、それからお客さんに対する影響も考えると非常に怖い部分があると思います。
 罰金が具体的に百万円以下から三億円以下に引き上げられても、現状の話を聞いているとほとんどこれは今は適用されていないわけですね。業務停止命令の一件は罰金が適用されたわけですか。業務停止命令で、それでも反したら罰金なんですね。ということは、段階としては罰金に至ったのはまだ一つもないんですね。


○政府委員(岩田満泰君) 訪問販売法というのは、今一応一連で申し上げましたけれども、どこからでも入れますので、直罰の規定がございますので、警察のお仕事になっている部分があるわけでございます。訪問販売法に違反していることを警察当局が確認いたしますれば、直ちに逮捕されて罰則が課されるケース、摘発のケースがあるわけでございます。
 したがいまして、かつまたそういう意味ではちょっと言葉が足らなかったかもしれませんが、指示をしないと業務停止命令ができないということでもございませんので、いきなり業務停止命令に行く道も認められております。ただ、業務停止命令の違反がないと確かに今回の法人重課というようなことにはなりませんけれども、いずれにいたしましても、警察当局における摘発のような道というのは、行政の私どもが動くこととはまた別個の道が、直罰の体系がとられておるということでございます。


○福山哲郎君 その摘発の例はございますか。

○政府委員(岩田満泰君) 詳細、正しいところは警察庁の方にお聞きいただいた方がいいかと思いますが、年間百件程度の摘発があるというふうに承知をいたしております。

○福山哲郎君 ちょっと戻るんですけれども、罰則規定を今回強化されました。具体的に罰則強化しないとこれは減らへんわという御認識だと思うんですが、でもこれまでずっとこの状況で来たわけです。百万円以下の罰金がいきなり三億円以下に引き上げられたわけです。これは罰則の強化としてはかなり大きな強化だと思うんですけれども、この立法趣旨はどういった理由だったのかをお知らせください。


○政府委員(岩田満泰君) 訪問販売法の関係の事案を見ておりますと、違法、不当な販売行為を行う業者が少なくないと、これはいろいろなデータからも推定されるわけでございますし、その手口と申しましょうか、そういうものもかなり悪質、巧妙になってきているものが中に含まれてきているという認識がございます。同時に、一件当たりの被害額が平均で見ましても一億円を超えるというような高額化の傾向がございます。
 そういたしますと、罰則の効力とでも申しましょうか、力という意味からいきましても、何百万円ということではなかなか強制力がないと申しましょうか、実効が上がらないということでございます。そういう認識を踏まえまして、産業構造審議会の御議論でも罰則の強化が早急に必要であるということで、訪問販売法全体を対象として罰則の強化を今回図らせていただきたいと、このように考えておるわけでございます。


○福山哲郎君 そこはもうぜひよろしくお願いします。
 ただ、この罰則に関して最後にお伺いをしたいんですが、直罰的な状態もある、指示から業務停止命令というふうに段階を経ていく場合もあると先ほどおっしゃいました。その指示から業務停止命令という段階を経ていくのが二十二件だと。
 先ほどから言っている東京都だけで八万七千件の苦情が来ていることから考えたときのこの二十二件というのは、防止をする、業者に対して警鐘を与えることも含めて、この二十二件という数字自体に関しては少ないというか、これが本当に実効性のあるような状況で行われているのかどうかということに対して少し僕は疑問に思います。
 逆に、その抑止力を生かすためには例えばどのように今後取り組んでいかれるのかとか、そういうことについてもし何か建設的な話が出ているんだったらお聞かせをいただきたいと思います。


○政府委員(岩田満泰君) 先ほど申しましたように、直罰のルートという言葉でよろしいかどうかあれですが、直罰のルートもございますし、行政的な措置を経てという、両方あり得るわけでございます。一つは、私ども、これまでもそうしてきたわけでございますけれども、警察当局との連携ということは重要でございまして、やはり捜査能力と申しますか調査能力と申しましょうか、そういうような意味におきましては捜査当局の方がはるかに上でございますので、指示をするにいたしましても違法であるという認定は私どもにとっても必要なことでございまして、そうなりますと捜査当局との連携ということは重要でございます。
 何人を問わず私どもに申し立てをしていただけるという条項がこの訪問販売法の中にはあるわけでございまして、いろいろな形で申し立てをしていただき、私ども自身がそれを調査するわけでございますけれども、必ずしも違法であると断定し切れないというものについては注意というような形で、行政指導になりますけれども、そういう形をもってとりあえず、しばらくその監視をすると申しますか、そういう状態にしていくという対応もあるわけでございます。違法であるということが確認されたものが今、平成八年十一月以降の数字で二十二件ということになっておる。それ以外に、行政指導的な意味合いでございますが、書面によって注意をするというようなことの措置は別途とっておるということでございます。
 警察当局との連携もあわせまして、そういう対応を今後ももっと強めていきたい、こう考えております。


○福山哲郎君 それからもう一つ、今回、指定法人制度が取り入れられたわけです。これは消費者を救済する手段がふえたということで大変望ましいことだというふうに思いますが、その指定法人制度の運用方法、実態がまだまだ不明確な部分があります。
 実際、どういうふうな団体を想定しているのか、それからその指定法人制度はどのぐらいの数を考えているのか、指定法人制度の具体的な活用の中身、その辺についてお答えをいただきたいというふうに思います。


○政府委員(岩田満泰君) 指定法人という仕組みをお願いいたしておりますのは、一般の方々からの申し立てなどを含めまして、これを初めといたしまして、この法律の適正あるいは確実な施行に貢献をしていただく方を政府以外のところにも求めたい、こういうところに問題意識が発しておるわけでございます。
 したがいまして、内容的には法律に書いておりますように、申し出にかかわりますこと以外に、もろもろの情報提供でございますとか、あるいはまた人材の育成の問題であるとか、重要なことをあわせやっていただけるような法人がぜひ出てきていただくことを期待いたしておるということでございます。
 法律に規定してございますように、これはあくまで法人からの申請に基づいて、中立性でございますとかお持ちになっている能力等々を勘案した上で指定をさせていただくということでございます。いずれにいたしましても、今申し上げたような趣旨のものでございますので、あらかじめ幾つの法人ということを決めてこの制度をお願いしているということではないということでございます。


○福山哲郎君 向こうから申し出をいただく法人について、こういう団体なのかという、ある意味で言う想定とかイメージというのは具体的にはないんですか。


○政府委員(岩田満泰君) せっかくの御質問でございますので、私どもとしては、財団法人日本消費者協会あるいは日本産業協会がこれまでやってこられましたお仕事等々を見ておりますと、一定の体制整備が行われればこうした仕事を担っていただくというのには適格な法人であるのではないかというふうに考えておるところでございます。


○福山哲郎君 だけれども、それにはこだわらないということですね。わかりました。
 それでさらには、これは重箱の隅をつついたような話で大変恐縮なんですが、本案は成立、公布後六カ月以内に施行というふうになっているんですが、本当の悪質な業者がいるとすると、施行一日前とかぎりぎりの駆け込み勧誘みたいな話をして逃げてしまうとか、駆け込み勧誘をしてあとは知らないよというような形で例えばチケットを何百枚売っちゃうとか、そういうような状況は想定できるのか、またそれに対してはどのような形で対応されるのか、本当に細かいことで恐縮なんですが、僕はあり得ると思いますので、御答弁をいただければと思います。


○政府委員(岩田満泰君) ある意味で一番難しい御質問だと思います。
 法律ができますれば、私ども、この内容を前広にいろんな形の媒体を使いまして周知徹底と申しましょうか、広く普及啓発に努めるつもりでございます。にもかかわらず、これを法律施行前にということの業者がいないかと言われれば、あるいはそういう業者もいるかもしれないということでございますが、ともかく可能な限り早く準備を進め、施行に持ち込む努力を一方でしつつ、法律の内容について広く消費者を含めて周知徹底を図る努力を法律成立後には早速させていただきたい、このように思っております。


○福山哲郎君 ありがとうございます。
 次に、不正競争防止法関連について少しお伺いをしたいんです。それと訪問販売法も関係するんですが、電子商取引、先ほど加納委員の方から御指摘がありましたが、この数年大変急増していると。これは相談件数という形では数字として出ているんですが、一つだけわからないのがありまして、例えば実態としてこの電子商取引は今、書籍、パソコン等があるんですが、インターネット上は最近実は車という話もありまして、例えばこの苦情の被害金額等についてインターネット上とほかのものとは多少違いが出てきてやっぱり高額のものが多いとか、そういうふうな傾向は出ているかどうか、これは私もわからないんでお教えをいただきたいんですが、そういうようなインターネット上は実態上異なった顕著な特徴があるというような問題は何かありますでしょうか。


○政府委員(岩田満泰君) 特段の実態上の差は現状においては認められないというふうに理解をしております。


○福山哲郎君 先ほどもありましたように、いろんな形の、例えばプロバイダーに契約をしたけれどもその契約がいいかげんだったとか、表示が違うとか、例えば最近で言うと、がんに効くとかいうような何か薬品まがいのものがあって、それを買いに行ってそれが効かなかったとか、先ほど言われたように、例えば自分の名前を片仮名で一文字打ち間違えたら、自分の本当の名前と片仮名で打って間違えたのとが二つ一遍に商品が来てしまったとか、こういう細かいことはもちろんこれからたくさん出てくると思うんです。それに関しては、先ほど大臣から御答弁がありましたように、これから通産省、政府としても法整備をしていかなければいけない。
 ただ、私が大変危惧をしているのは、国際的な取引が多くて海外との問題があるということが一つと、もう一つは、インターネット上は例えば車を写真で載せることも可能ですし、家具を写真で載せることも可能ですし、例えば宝石も、実物ではないけれども大変高額なものが画面上では幾らでも出てくるわけです。そうなったときに、今出てきている学習塾、エステ、家庭教師、外国語学校というような額とはひょっとするとけたが違うような状況の被害が出てくる可能性が私は非常に大きな可能性としてあると思っております。その辺に対しては先ほど大臣がこれから整備をしていくというふうに御答弁をいただいたものに対して御期待をすることになるんですけれども、そういった観点の議論というのはなされているのか、またそれに対してもし何か御答弁をいただければというふうに思います。


○政府委員(岩田満泰君) 今、先生のお話のものの中には、訪販法上の通信販売の規制によって既に規制下に置かれている内容のものと、あるいは通信販売の規制の観点とはやや違う内容のものとが両方含まれているように思います。
 私どもも例えばインターネットサーフデイというようなものをやって、具体的に今恐らく一万件、一万点と言わなければいけないかもしれませんけれども、インターネット通販が行われている状況にあると私ども理解をいたしております。これの総点検を通産省でして、その中に通信販売あるいは訪販法違反の状況の情報開示しか行われていないものについて、まさにインターネットを通じて警告を発して修正を求めるというようなことをこれまでもやってきておるわけでございます。
 さらに、こういったものというのは、もう少しシステマティックに頻度高く行えるような仕組みを今さらに検討いたしたいと考えておるところでございます。
 あわせて、通信販売の問題とは違う問題につきましては、先ほど大臣からも御答弁申しましたように、そうした新しい時代の取引形態というものに着目をして、あるいはこれはまた電子商取引一般の問題の中の一つの問題あるいは一部分の問題ということになろうかと存じますけれども、私どももそうしたものとして、通信販売的な規制では足りないかもしれない部分について、消費者保護法体系としての訪問販売法の中、例えばそういうようなものの中でどのような手当てを新たにしなければならないのかということは、今回の特定継続的役務の議論をしていただいた産構審の場におきましても宿題として指摘をいただいております。この点を今既に逐次勉強始めておるところでございますけれども、引き続き精力的に勉強させていただいて、できるだけ早くその成案と申しましょうか、しかるべき対策の方向性を見出したいと、こう考えておるところでございます。


○福山哲郎君 最後になりますが、今回政府は大変積極的にというか、早くこの法律改正案をということで大変御努力をいただいたというふうに評価をさせていただいているんですが、実際にその法案の改正で法案が国会を通りまして数年しますと、担当課長さんとか一生懸命つくられた方の声がだんだん薄まっていって、国会も今こうやって審議をしていますから、高揚感がありますから注意をしていますが、いつの間にかその立法趣旨等がなかなか反映しにくくなっていく状況も見られるというふうに思います。
 特に、今回、四業種以外の指定をどんどんしていかなければいけないという、本当に日々消費者と業者の間での競争が行われている状況の中で、そういったことがなく、ぜひしっかりとフォローアップをしていただいて、この立法趣旨がうまく機能するように御努力をいただきたいと思います。
 少し早いですが、これで質問を終わらせていただきます。


○海野義孝君 昨日、関係の当局の方々には通告してございますけれども、予想したとおりでございまして、私あたりになると大体貧乏くじを引いて、前の方々でほとんど話は尽くされているということなので、どうしても私は嫌がらせみたいなそういう話になるのをひとつ御勘弁いただきたいということです。
 冒頭に通産大臣にお聞きしたいんですが、これは御感想というか御所見です。
 私は、経済至上主義の時代は我が国では終わったと思います。と同時に、現在GDP五百兆の中で、五百兆は一向にふえもしない、多少減っているんです。その中で六〇%ぐらいが消費ということでありますが、消費も財から最近は役務といいますかサービス、こういったもののウエートが高まってきております。GDPの中の六〇%が消費と言われていますけれども、消費の中の約四割強がサービスだ、役務だと言われております。そうしますと、GDPの中の約四分の一、約百二、三十兆円がサービス関係であると、このように思われるわけであります。
 また、そうした消費の中でいわゆる消費者信用供与というか、そういった面がどんどん上がってきております。例えば三十年前ですと消費の中に占める消費者信用供与という部分は六%ぐらいだった、現在は大体二五%ぐらいを占めるようになってきておる。
 しかし、これも十年ぐらい前にもう既に二〇%台に入ってきておりまして、そういった点から見ると、私は、通産省というのは、どっちかというと、これまでの日本の、特にアメリカを意識していいかと思いますけれども、先進国にキャッチアップするという面で、そういう面ではかなり物の面に重点を置かれた。
 つまり、産業振興とかそういうような面で、生産者サイドに立った行政ということじゃなかったかと思うんです。そういった中で、消費者という面あるいは生活者、これがどっちかと言ったら、置いてきぼりとは言いませんけれども、車の両輪とは言えないんで、ややぎくしゃくしたような車の運行でなかったかというように思うわけでございます。
 そういった面からすると、きょうここでこういった問題を討議しているということが果たして時代に合っているかというと、私はかなり時代からずれているんじゃないかと。例えば、今から五、六年前に自主規制というようなものを四サービス業務に対して行政指導をなさったときに、これを立法化するというようなことにどうして踏み込まなかったかということが私はやはり一番問われてしかるべき問題ではないか。そこから始まるということがこういったいろいろな行政を進めていかれる上において今後まだまだいろいろ出てくるということじゃなかろうかと、こう思うわけでございます。
 そういった点で、行政というのは、御担当の方々は、民間の企業だとか我々と違って、二年ぐらいずつで担当がおかわりになっていくんで、その辺のところは一貫したものがあるはずでしょうけれども、どうも今回、大臣を初めとして、当局、各局の皆様方も、五、六年前にそういった自主ルールが始まったころには恐らく担当なさっていなかったということもありますので、この点を私がとやかく責めるのはどうかと思います。やはり行政として考えた場合に、通産の行政というものが今日までいかなる評価を得てきたかという点から見るといろいろな評価がございまして、担当がかわるごとに行政も変わっていくというようなことを私はよく聞くんです。
 いろいろ申し上げましたけれども、そういったことを含めて、今回のこの法案の討論に当たって、まず大臣の御感想というか取り組みの御姿勢というか、お聞かせいただきたい。


○国務大臣(与謝野馨君) 規制については先生よく御承知だと思いますが、経済規制と社会規制というふうに仮に分けたといたしますと、私どもとしては、いわゆる需給調整的な経済規制というものはやはりなくしていく方向に日本の社会全体が進んでいると。その方向性は、実は政府も通産省も一貫して経済規制、特に需給調整的な規制というものはやめるべきだということが基本でございます。
 これはどういう理念に基づいているかといえば、なるべく競争を通じてコストを引き下げることによって消費者がメリットを受ける、社会全体がメリットを受ける、あるいはイノベーションも進むと、そういう考え方に基づいているわけでございます。
 一方、社会的規制は、通産省の分野で申し上げますと、市場主義原理の時代は終わったと先生はおっしゃいますが、純粋な意味での市場主義、市場を絶対的な考え方というのは私どもとしてはとれない。これは、すべての人間がすべての知識と経験を持っているということを前提にすれば、またすべての人間が善意であるということを前提にすれば、そのような模範的な市場原理というものは働く可能性がございますが、やはりそうではないという状況では、社会的規制としての例えば消費者保護ということは私は必要であると思っております。
 ただ、消費者保護と申しましても、従来のような考え方ではなかなか社会の変化に対応できない。例えば明治時代につくった民法でも瑕疵担保責任というのがあって、一方の契約の当事者を保護する規定もございます。しかし、それだけでは追いつかないということで、割賦販売法とか訪問販売法とかという中で消費者保護という規制を行ってまいりました。ただ、いろいろな局面で余り法律で踏み込んでいくのはどうかということもございまして、全部が全部規制の網をかぶせるということはいかがかという考え方も実際はございまして、その点はやはり業界の自主的なルール、あるいは業界全体でみずからをコントロールしていく、そういう良識にゆだねた部分は今でも相当私はあると思います。
 ただ、自主規制に任せておきますと、アウトサイダーの問題もございますし、自主規制というものが社会の変化全体に対応できないという面も出てまいりますので、その場合はどうしても法律によって消費者を保護する。これは契約時においても、契約後、解約等々もございますし、また今般問題になっております消費者が無理やりにローンを組まされて、実際のサービスの提供等に関する契約とローンの契約が別個であって、結局消費者が泣くというような、そういう本来契約者が保護されるべきものについて、自主的なことだけでは悪質なものに対する対応ができない、あるいはアウトサイダーに対して適用ができない、そういうものに対しては自主規制の世界からやはり法律によって規制する世界に入っていかざるを得ないと、そういうことが原点だろうと私は思っております。
 決して通産省は担当がかわるたびごとに物事の考え方を変えているわけではありませんで、経済規制については需給調整的な面をどんどん少なくしていく、これは通産省の方針でもあり、また政府全体の方針でもあると思います。ただ、必要最小限の社会的規制は、消費者保護などについてはやはり必要だということはぜひ御理解をしていただきたいと、そのように思っております。


○海野義孝君 最後の部分で、大臣の御決意のほどは大変よくわかりました。
 最初の部分で、ちょっと取り違えていらっしゃるのか、御承知の上でおっしゃっていたのかわかりませんが、私が申し上げたのは、至上主義という問題はマーケットということでなくて、日本がこれまで経済至上主義、経済がすべてだと、成長がすべてだというような考えに立ってきたという中に行政もおありになったんではないかと。
 消費というものが大きく変貌してきている中で、これはむしろ経済企画庁の国民生活局の方が御担当かもわかりませんけれども、私はそういう部分で、今おっしゃったようなことは、大臣が御就任になるよりも前の前の大臣のころから既にトラブルがどんどん多発している。自主規制というのは本当につかの間の効果があったかないかわかりませんけれども、ほとんどなかったということ。それにはいろいろな理由があるでしょう、アウトサイダーが圧倒的だったから問題はあると思いますけれども、そういう中で、とにかくこの問題は何もここへ来て起こっていることじゃありません。
 だから、そういう意味で私は申し上げたわけです。


○国務大臣(与謝野馨君) 富をつくり出すということが例えば経済至上主義だとしますと、富をいかに分配するかということもやはり政治の課題であろうと私は思っております。
 そのほかに、最近は経済至上主義の反語としては環境問題とか、従来考えられなかったような課題に人類は直面しておりますし、特にある一定の経済規模に到達した日本のケースにおいては、先生の言われる経済至上主義のほかに、環境問題を初めとした社会的な公平とか平等とかあるいはその他の精神的な価値の追求とか、そういうこともやはり日本社会全体の課題であるというふうに、多分先生もそういうふうにお考えだろうと思いますが、私もそのように考えております。


○海野義孝君 今まさに至言でございまして、社会的公平平等という問題、そういう面からいいまして、今回のこの法律改正もまさにその点が、産業界と、これはサービス業界ですけれども、仰せのような消費者保護という問題、この辺の兼ね合いというのが一番重要な問題だろうと、こう思うんです。
 これまで自主ルール、自主規制規約によってやったけれども、これは効果をあらわさないというか、これは大臣も衆議院の方でたしか御答弁になっておられたと思いますが、どうやら壁にぶつかったというか限界に来た、限界が見えたということで、最小限の立法やむなしというようにおっしゃっているんですが、そういう理解でよろしゅうございますか。


○国務大臣(与謝野馨君) 先ほどの御質問にもお答えしたんですが、本来は契約というのは契約者同士が対等であるというのが大原則であるわけでございます。しかし、契約者対等と申しましても、一方の当事者の力が圧倒的で、消費者の方の力、力と申しますのは別に腕力ではなくて、判断力あるいは法律上の知識、商品に対する知識が少ない場合には、やはりそれを補うための法整備が必要だろうと。あるいは、錯誤によって契約を解除したいというような場合にも、純粋に民法の原則の錯誤による契約の解除ということでは救済できない面が実はあります。
 それから、だます方はだます方でいろいろな法律上のテクニックを駆使しておりますから、民法の契約の原則の特別規定をつくって一方の当事者を保護する、あるいは損害の回復を実質的に担保する、そういう考え方が出てくるということは私は当然のことだろうと。そのための必要最小限の法律改正を国会にお願いするということで今回の法律を提案しているわけでございます。


○海野義孝君 よく理解できます。
 そこで、これまでのそういった自主規制規約は、残念ながら最近のいろいろなトラブル、苦情件数等が激増している、年々ふえていると。統計的には九年ぐらいまでしかありませんので、去年、ことしというのはわかりませんけれども、恐らく傾向的にはここ数年ふえてきています。
 ですから、これは、一つはこういう不況であるというようなことも業者にとってみれば死活問題でもあるし、悪徳とは言いませんけれども、相当そういう面があると思うんです。
 そうしますと、今回のこの訪問販売法にしましても割賦販売法にしましても、これを改正されるということによってかなりの効果が期待できる、トラブル等については相当減っていくというように御判断になっているかどうかという点をこれは審議官にひとつお願いしたい。


○政府委員(岩田満泰君) 今回の継続的役務関係の法的手当ての中では、これまでのトラブルと申しましょうか苦情相談の内容などを見ますと、七割方が契約関係あるいは解約関係でございますので、その意味では、中途解約権を今回の改正で設定していただきますれば、解約をしたいけれどもできないとか違約金が高過ぎるとかといったような問題によって起きているトラブルというのが相当程度解決できる道が開かれるのではないか、このように思っております。


○海野義孝君 その点ですけれども、一昨日も参考人の方々に御質問しましたが、さっきも福山さんからも御質問あったように、四サービス業務について見ましても三ないし一三%ぐらいの組織率ということですから、問題はアウトサイダー、これが立法化によって、改正によって本当に効果があるのかどうか、ないとは言えませんけれども、私は大変その辺に危惧の念があるんですけれども、これはどうでございますか。要するに、トラブルとかそういったものが減って消費者もある面では保護されていくというか、そういう効果はこの法改正によってはっきり出るかどうかという点です。
 同時に、出るためにその運用の面とかいろいろな面でどういうことを今後お考えになっているか。法律が公布され六カ月以内に施行されたからそれでいいと思うんじゃなくて、むしろこの施行に至るまでの過程とかいろいろな面での御準備とかいろいろな整備とかあろうかと思うんですけれども、そういったことを含めていかがでございますか。


○政府委員(岩田満泰君) 契約締結前、締結後、双方についてもろもろの新しい規定の改正をお願いいたしておるわけでございますが、やはりこの継続的役務契約について最も大きなこれまでのトラブルがあった部分というのは契約、解約関係でございます。そこの点について事由のいかんを問わない中途解約というものが、消費者側にそうしたいわば権利のようなものが与えられるということでございますので、今、法施行までにということでございますが、最低限と申しましょうか、中途解約についてそうした法律が新しくできたんだということをまず消費者の方々に知っていただいて、中途解約をしたいという具体的な個人の問題というか、そういう事態が発生したときに、やはりそういうことを知っておられないと、また、そういう法律があるはずであるということをまず知っていただくための普及啓発とでも申しましょうか、そういう努力は最低させていただくということだと思います。
 同時に、それ以外にも、抗弁権の問題でございますとか、解約の場合の違約金と申しましょうか、法律で言う損害賠償の問題でございますとか、いろいろございますので、関連をして重要な点はございますけれども、少なくともこの法律の改正は中途解約権の設定というところに極めて大きなポイントがあるということをまず一般の消費者の多くの方々に周知をしていただくような努力を私どもはしていくということによって問題の解決が相当程度図られるのではないかというふうに思っておるわけでございます。


○海野義孝君 仰せのお話は消費者の問題でありまして、業者をほっておいていいかという問題なんです。
 私はよく勉強していませんからわかりませんけれども、現在、一応規制対象になっている四サービス業種につきましては、これは許認可業務になっているんですか。例えば、学習塾であるとか、あるいは家庭教師派遣業であるとか、あるいは外国語会話教室であるとかエステティックサロンであるとか、こういう業務については一つ一つどこでこれは認可しているのか。これは勝手に、雨後のタケノコじゃないけれども、景気がいいときにはどんどんやって、さあっとどこかへ消えてしまう、今度はまた別の仕事をやり始めると、こんなことがある。
 というのは、ついこの間というか、そういう会話教室か何か、あれは予備校だったか何かですか、相当前金を受けて生徒を集めておいたんだけれども、倒産しちゃったというのがありました。今回は、そういう財務内容について閲覧権とかそういったものをきちんとやるということが義務づけられるようになりましたからあれかと思いますけれども、ああいうのを見ていて、私は、これらの業務というのが本当に許認可権をどこかが持っていてきちんと業者に対して許認可している業務なのか。あるいは、それぞれ勝手につくってやっているのか。
 これは、こういう消費の問題、サービスの問題が起きるようになってきたときにいかがかと思うんですけれども、その辺はどうなんですか。


○政府委員(岩田満泰君) 今回私どもがお願いいたしているこの訪問販売法という法律で適用対象になると想定をいたしております業界あるいは事業者につきましては、基本的には業規制のようなものは一切存在をいたしていないというふうに考えております。
 英語の会話とかなんとかということをやっておられるということについては学校法人のようなスタイルでおやりになっているところが存在すると思いますが、訪問販売法の適用対象という意味では業規制は一切存在をしないということでございまして、私ども行為規制と申しますけれども、むしろその中でやってはならないこと、やらねばならないことをそれぞれに法律の中に個別具体的に規定をしてそれをお守りいただく、守れない場合にはそれに対して、先ほど来御質疑がございますように、行政措置をとるか、あるいは警察の直罰として、警察の問題として処理をするかというような体系を全体としてはお願いいたしておりまして、そういう実態にあるわけでございます。


○海野義孝君 私が考えていたほど踏み込んだ御答弁をいただけなかったような気がします。
 それはそれとしまして、次に、今般のこの法改正をより効果あらしめるという意味で、この間の参考人のとき、きょうもまた同僚委員の方々からも話にいろいろ出ておりましたけれども、今回のこの四業種を含めまして、役務の受領者、つまり消費者側です、その契約締結の判断となるように、第三者による業者の評価機関設置、それと評価を公開する制度を設けるようなお考えはありませんか。


○政府委員(近藤隆彦君) 直接的にこの法律の施行との関連で、評価ということでは必ずしもございませんけれども、消費者、サービス受領者に対します選択の幅を広げる、できるだけ的確な情報のもとに選択ができるように、そういう情報提供という意味で通産省がいろいろ勉強しておりますのは、サービス業に対しますいろんな切り口からの評価というものをできるだけ普及させまして、いろんな機関がいろんな形から評価をして、それを消費者が参考にして自分の希望の方法で適切なサービスが選べるようにする。そのような意味で、サービスに対する評価をどのようにしたらいいか。評価する場合にいろんな評価の基準とか、それから評価をした場合にそれをどういうふうに公開するかといったことにつきましても昨年あたりからいろいろ一般会計のお金をもって勉強しております。
 具体的に幾つか試行的に実験もしておりますものでございますので、こういったことをさらにこれから進めていきまして、第三者の方々ないしは消費者団体の方々、あるいは事業としても評価事業といったものが場合によっては新しい事業として普及するように、そういった切り口から今いろいろなことを考えております。そういったことは、こういった一方の規制強化と同時に、両輪で、ぜひ評価というものにつきましてもできるだけのことをしていきたいというふうに考えておる次第でございます。


○海野義孝君 今の点については大変対応がおくれていると思います。ですから、そういった面で近年のいろいろな問題、トラブル等がやっぱりふえていると思います。
 例えば、はっきり覚えていませんが、床屋であるとかあるいは食品を扱っているところであるとか、あるいは食堂、レストランであるとか、そういったところへ行くと秀とか、はっきり覚えていませんが、そういうステッカーが張ってありまして、その店の格というか、そういったものがありまして、やっぱりどっちかといったらいいところへ行こうと。いいところで安けりゃ、なお結構なんですけれども。そういうあれが我々子供のころから興味を持ってありました。
 この場合も、大きい小さいということでなくて、技能の問題であるとか、あるいはその経営者の見識の問題であるとか、あるいは技術のレベルの問題であるとか、いろいろな面で早急にそういったものを評価するものをつくっていただければ。
 ただ、消費者にとってみれば、契約締結の際とか契約を結ぶに当たって書面でそれを提供を受けるんだよとか、それはそれでわかりますけれども、これもなかなかいろいろな不動産物件なんかを見たって、大事な見たいところはとにかく虫眼鏡を持ってこないと見えないような書き方をしています。金額がどのぐらいだとか間取りはどうなんということは、まず見えません。そういうように、書面できちんと消費者に提示するという面も、不親切な部分が多いと僕は思うんですよ。あの辺のところがトラブルになっているんじゃないか。駅から十二分というのは駅からジュウニブンだと、十分これは行けるところだとかいうふうにとっちゃうなんという笑い話がありますけれども、そういう面でこれは早急に権威のあるものをやっていただきたい、私はそういうふうに思います。その点、もう一度。


○政府委員(近藤隆彦君) サービス業の評価につきましては私どももいろいろこれから勉強してまいりたいと思っておりますが、今先生おっしゃいました、例えば今回指定をすると考えております業種につきましても、自主規制を守っている事業者であるとかあるいは団体に加入しましてきっちりと仕事をしているとかというものにつきましては、おのおの工夫をしまして、登録証でありますとかロゴマークを自分の店ないし自分のいろいろなパンフレット等にきちっと書いている場合もございます。これは業界の自主的な努力でございますけれども、消費者が見れば、こういったステッカーなりロゴマークを持っている事業者は大丈夫ということでございますので、そういった点からも、できるだけ消費者が適切な選択ができるようにということで、これはさらに業界に対しましてもこういったことを進めていくようにこれからも指導してまいりたいというふうに思っております。


○海野義孝君 時間に制約がありますので質問を飛ばしまして、企画庁お見えですね。
 一問お伺いしたいのでありますけれども、ことしの一月の国民生活審議会消費者政策部会の報告によりますと、消費者契約法をできる限り速やかに制定すべしというような提言であったように思うんです。所轄の企画庁としましては、検討が十分に進み、条件が整ったら来年の通常国会に法案として提出することを目標に最大限努力されると、そのように伺っているんですけれども、現状とそういった法案化に向かっての見通し等についてお聞きしたいと思います。


○政府委員(金子孝文君) お答えいたします。
 消費者契約法につきましては、まず、昨年の一月でございますけれども、国民生活審議会消費者政策部会から中間報告をいただいたわけであります。その中間報告に基づきましていろんな団体から私どもも意見を聞きましたし、それから、この政策部会の中で、トータル五十二団体ですけれども、そういうところからいろんな意見を聴取いたしました。そういうようなことを踏まえまして、この法律の意義、必要性、さらには具体的なあり方について検討を行ってきたわけであります。
 その結果、委員が先ほどおっしゃったように、ことしの一月、消費者政策部会の報告におきまして、消費者契約法をできるだけ速やかに制定すべきという御提言をいただいたわけであります。また、それと同時に、さまざまな事業の特性あるいはトラブルの実態を踏まえて、細部についてさらに詰めるべき点があるということも指摘されたわけであります。
 そういうことを踏まえまして、私どもとしては、これらの論点に基づきまして鋭意検討を進めまして、関係各方面との調整を十分に図りながらできる限り速やかな法制化を目指すということであります。したがいまして、条件が整えば次期通常国会に法案を提出することを目標として最大限努力してまいりたいと思っております。


○海野義孝君 最後に、与謝野大臣にお願いします。
 今回の訪問販売法、割賦販売法の改正による運用上の今後の御決意あるいはこれに対する御期待、それからもう一つは、今も出ましたけれども、消費者契約法に対するお考え、最初の二つは業法的なものでしょうけれども、こちらはどちらかといったら民事上の一般ルール的な感じなので、私もこれはよくわからない法律なんですが、お考えを。
 以上、お願いします。


○国務大臣(与謝野馨君) この種の法律の難しさというのは、企業がいろいろな企業活動を行う上で国が余り介入するというのはもともと好ましくないことでございまして、運用上は消費者保護のための必要最小限の措置であるというやはり基本的な考え方を持ってこの法律を運用しなければならないと思っておりまして、企業は企業で自由な企業活動をしていただくということが日本経済全体の発展のためには必要だろうと思います。
 したがいまして、この種の法律というのは、真にやむを得ない場合に国が法律をもって介入するというのが基本であろう、それも消費者保護という基本的な視点に立った法の運用ということがやはり立脚点であろうと私は思っております。
 それから、消費者契約法というのが一部で議論されておりますが、これは一般的な消費者保護というのは法技術上大変難しいことでございます。一般法としての契約法というのは民法に書いてあることでございまして、それを消費者契約法という形で一般法としての書き方にするということは法技術的には大変難しいというふうに思っておりますから、個別のケースごとに対応するような法体系の方がむしろ実効性が上がるということで、精神規定から成り立っている消費者契約法というのは実は実効性については私は多分疑問があろうと思います。
 ただ、私は全面的に否定しているわけではございませんで、この種のことが政府の中で議論されているということ自体、消費者を保護するという基本的な考え方を持って政府がこの種の行政を進めていく、そういう姿勢をあらわす上では大変大事なことだと思いますけれども、消費者契約法が法体系として一体成り立つのかどうかということについては、私もそう深い法律の知識はありませんけれども、実は疑問に思っているところでございます。


○海野義孝君 時間になりましたけれども、大臣、ちょっと私最初に申し上げた今回の訪販法と割販法、この関係の運用上についての御決意というか展望というか、それを答えていただきたい。


○国務大臣(与謝野馨君) 冒頭に申し上げましたように、これは消費者を保護するという、いずれも共通の理念で成り立っている法律でございます。一方では企業の自由な活動は阻害すべきではないということもありまして、そのバランスの上に立った運用ということに心がけていくべきだろうと私は思っております。

○海野義孝君 終わります。


○委員長(須藤良太郎君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時十分まで休憩いたします。



   午後零時四分休憩

     ─────・─────

   午後一時十分開会



○委員長(須藤良太郎君) ただいまから経済・産業委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、不正競争防止法の一部を改正する法律案及び訪問販売等に関する法律及び割賦販売法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。


○山下芳生君 近年、継続的サービス取引に関する消費者トラブルが増加をしているもとで、私は、被害の実態を踏まえた実効性ある対策が求められていると思います。
 一昨日、参考人としておいでいただいた東京都の九八年十一月の要望書でも、消費者トラブルのほとんどが一括前払いの継続的サービス取引であるというふうに分析をされています。これは私は実態を深く分析された指摘だと思うんですが、そもそも継続的サービス取引において、一つは長期多回数契約、二つ目に一括前払い契約、三つ目にクレジット契約というのはなじむんだろうかと。合理性が余りないんじゃないか、消費者が不利益をこうむるおそれが強いだけではないのかと、いろいろ実態をお聞きする中で私は強く思っているわけです。
 今回の法改正では、こうした契約方式についていずれも許容した上で、消費者被害の防止と救済を図ろうとしているわけですが、果たしてそれで十分なのか、少し議論をしてみたいというふうに思っています。
 そこで、まず長期多回数契約について伺います。
 これは、例えば英会話のレッスンを向こう一年あるいは二年、あるいはレッスンの回数でいえば百回、二百回、三百回と契約するわけですが、こういう契約について日弁連が九三年一月にお出しになった意見書はこう指摘しております。「長期多数回の継続的契約は、業者にとっては顧客を固定できるという大きなメリットがある」、「しかし、消費者にとっては、内容・効果の予測が困難なサービス取引にいきなり長期間拘束されることになり、不利益を被る恐れが強い。 本来、事業者としては、長期多数回の契約で拘束することによって顧客を固定するのでなく、サービス内容の充実と信頼確保によって顧客を拡大することこそ健全な姿である。」と。私は全くこれに同感いたしたわけでございます。
 そこで、こういう指摘が、九三年の指摘ですから、随分あるわけですが、これに対する政府の御認識、それからこの間の審議会等の議論も踏まえて、まず聞きたいと思います。


○国務大臣(与謝野馨君) いわゆる契約法の世界では、先ほど申し上げましたように、契約者間で当事者の自由なる意思で契約が成立をいたします。文書であろうと口頭であろうとこれは成立するわけでございます。この契約自体は、公序良俗に反しない限り契約として成立するわけでございますから、契約自体が公序良俗に反する場合には、その契約自体は成立しないという原則に立っております。また、民法的な考え方の中では事情変更の原則という原則もございまして、当事者間で予測しない事態が起きたときには契約自体は破棄できる、あるいは契約条件を変更できるという考え方も実はございます。
 私どもとしては、契約は自由なる意思に基づいた当事者間の約束であるというこの原則はやはり大切にする必要があると思います。ただ、弁護士会の意見も大変うなずけるところも実はございます。ございますが、この契約法の大原則というものを揺るがせることはどうかというふうにも考えられるわけでございます。
 したがいまして、現在の法律は、具体的な被害の態様、あるいは被害の発生する業種に関しましていろいろな対策を講じるということが当面具体的な対応として社会から要請されているものだろうと思っております。長期契約自体を一概に否定するということは法技術的には多分難しいんだろうというふうに思いますし、また、長期契約によって企業も、あるいは物品、サービスを購入する消費者にとっても便利な場合ももちろんあるわけでございまして、一概に一律的にそういうものを規制していくということについては、理のあるところもあるということは十分私もわかるわけでございますけれども、一般的な禁止ということまではなかなか踏み込めないというふうに私は考えております。


○山下芳生君 そこで、実態を具体的に少し見てみたいんですが、公正取引委員会が九八年六月に英会話教室について実態調査を行っております。その中でこの長期多回数契約についても調査をしておりまして、こういう記述があるんです。「普通の社会人が一年間に消化できるレッスン回数は五十回から百回の範囲とする英会話教室が多かったにもかかわらず、「レッスン回数七百回、有効期限三年」といった、一年当たり百回を超える回数を消化しなければならないコースを設定し、レッスン回数を多くすればするほど安くなるシステムを採りこれを強調した広告・表示を行っている英会話教室がみられる。」と。
 それで、私はこれはもうはっきり言いまして、もともと無理を承知で販売しているケースだと思うんです。しかし、これは先ほど福山委員から御自分の体験も踏まえて御発言があったように、消費者の側は自己責任というふうに認識をし、あきらめてしまって結局泣き寝入りをする。業者の方は、無理を承知で売ったんだけれども、あきらめてもらえば丸もうけになるということになるんじゃないかと思うわけです。
 そこで、こういう長期多回数契約の場合の実際の消費者の利用率が幾らぐらいになるのか、これは非常に大事な数字だと思うんですが、これはつかんでいるでしょうか。


○国務大臣(与謝野馨君) 先生の御指摘になられた点は、消化できない回数を契約するということ自体は、通常の常識からしてまさに先ほど申し上げました公序良俗の原則に恐らく反しているんだろうと思います。これは、当事者が消化することについて無理だという契約の内容を押しつけること自体、契約法上は現行の法規に照らしますれば契約自体は成立しているけれども、公序良俗と申しますか、実際消化できないものを押しつけ的に販売したという意味では多分契約が無効になる可能性のあるケースだろうと私は思います。これはただ一般論として申し上げたわけでございます。


○山下芳生君 利用率は手元に資料がないということなんですが、私も幾つかの英会話学校に聞いてみたんですが、なかなかはっきりした答えが返らないんです。だから、非常にあいまいな、きちっと消費者の立場に立って、長期多回数契約をした方にはちゃんとそれを全部消化してもらうということにどうもなっていないような実態があるんじゃないかと推察されるわけです。
 別の業界といいますか、ちなみに日本道路公団のハイウエーカードというのがあります。これは少し違うかもしれませんけれども、私は調べてみました。平成十年四月から十一年二月までのハイウエーカードの利用額、それから利用可能額に基づいて実際の利用率というのを出していただいたんですが、八八・五%ちゃんと利用されているんです。こういうことだったら私は、消費者にとってもやはり一々料金所でお金を払うよりもチケットの方が便利だし、一定割引もありますから、八八・五%使っているのであれば安くなっているんだろうなと思うんです。
 そういう意味では、英会話教室等の実態というのもよく調査をしていかなければならないと思うわけです。
 それで、この中でも指摘されているんですが、長期多回数契約の場合、消費者にとって安くなるということが非常に宣伝されて、メリットになるかのように言われているんですが、これも果たして本当に安くなるんだろうか、深く考えますとおかしいのではないかという疑問が生じてまいります。
 大阪弁護士会の消費者保護委員会というところが、従来から英会話学校に関する問題を取り上げて研究を続けておられるんですが、ことしの三月に意見書をまとめられました。その中で、いろいろ調査した上でこう分析されているんです。「一括前払い制を採用したことにより授業料が安くなるとは考えられない。語学教室においては、大量発注により物流、経理といった原価以外のコストの軽減が見込まれる物品の販売などとは違い、教室側の経費の大部分は講師の人件費、教室の賃料といったもので占められているからである。」、「授業料の前払い分が大量長期になればなるほど単価が安くなる語学教室も見受けられるが、上述のとおりコストを考えると大幅に安くなるはずがない。限度を超えて安い場合には将来の倒産の危険すら考えられ、」と。
 これはそのとおりではないかなと私は思うんです。たくさんチケットを買っていただいた方が多ければ単価が安くなるというような、語学教室の場合はそういう仕組みではないはずだと。にもかかわらず安くなっている教室があるというのは、私はこれはおのずと二つの道しかないと思うわけです。やはり、さっき言ったように途中であきらめる方が出てくるだろうと、おとといも出ましたけれども、やらずぶったくりを前提にしているのか、あるいは本当に皆さんが来たらとてもじゃないけれども経営が大変になる、倒産の危険性があると。いずれにしても、こういうやり方というのは教育産業にあるまじき道ではないかと思うんですが、これはいかがでしょうか、こういう実態。


○国務大臣(与謝野馨君) 先ほど申し上げましたように、長期契約の業者側のメリットというのはそういう量産によるコスト低減ではないというのは多分先生の御指摘のとおりだと思います。ただ一つメリットとして考えられますのは、収入が長期的に予測できるという点だけだろうと思います。
 先ほど申し上げましたように、社会的常識から見て消化できない回数の契約をして、なおかつそれに期限を設けるということが、期限自体が契約条件としては多分公序良俗に反しているのだろうというふうに私は解釈できるのではないかと思っております。


○山下芳生君 今、そういう大臣の答弁なんですが、今度の法改正でそういう期限というものは何らかの規制がされるんでしょうか。

○政府委員(岩田満泰君) 期限を一律に規制する規定をこの法律改正においては御提案申し上げておりません。

○山下芳生君 私、この英会話教室に通われている学生の皆さんがどういう意識なのかということもやはり大事な問題だと思うんです。
 去年の四月に関西でアレス・トーザという英会話学校が倒産いたしました。そこの受講者の皆さん方が被害者の会をつくられました。圧倒的に二十代の若い方々であります。
 被害者の会で要望書をまとめられた中身を見ますと、こういうくだりがあるんです。「私たち消費者は、自分に合ったスクールや授業を選択し、納得のいく授業料で受講し、安心して語学修得に励みたいところです。しかし、私たちにとって満足のいく教室が少ないといっても過言ではありません。語学スクール業がサービス業でありまた教育産業であるという認識が業者側に不足しているように思えてなりません。」。
 この被害者の会の方々は、二千人に上る登録被害者同士でさまざまな情報を共有するとともに、語学教育の場を取り戻すために業界へ振りかえレッスンの呼びかけをされたり、あるいはそういう場がなかなかない場合は格安の自主レッスンの開講をされたりして、あくまでも英会話、語学の習得のために自主的な努力をされています。
 私は、こういう真摯な学ぶ意欲に誠実にこたえることこそ業者の社会的使命ではないかと思うんですが、この点は大臣、いかがでしょうか。


○政府委員(近藤隆彦君) おっしゃいますとおり、こういう教育というものは、一方では大変今需要がある面もあります。自己啓発でありますとかあるいは自分の個性を発揮するという意味で大変需要がある面がございます。
 しかしながら、その需要にちゃんとこたえないで、今おっしゃいましたように変な誘引で、あるいは中身につきまして若干おかしな話をして、せっかく勉強したいという人に対しましてちゃんとした格好でこたえない。これは確かにおっしゃいますように、業者としましては適切な対応ではないというふうに思っております。
 そういう意味で、私どもとしましては、必要最小限な規制でこのようなせっかくの意欲を持って自己啓発をしたい人に対する希望にこたえると同時に、ちゃんとした授業をして需要に対してきちっとこたえている事業者に対しての信頼がそがれるといったことのないように、必要最小限な規制をすることは必要だというふうに考えているわけでございます。


○山下芳生君 そこで、こういうことがないように具体的な提案として、公取が先ほどの調査を踏まえた報告書の中でこう提案されているんです。「長期で多量のレッスン回数を設定している英会話教室においては、例えば、「普通の社会人が一年間に消化できるレッスン回数は何回程度である」といった点について適切な情報を具体的に提供することが適切である。」。これは私は非常に親切であり、かつ必要だと。長期多回数契約そのものを規制するのではないとすれば、これは必要だと思います。それから、トーザの被害者の会の方々の提案は、「大量に契約すると授業料が安価になることについて、割引率は三〇%を限度とする」べきではないかというふうな提案もされています。
 この二点についていかがでしょうか。


○政府委員(近藤隆彦君) 業界のといいましょうか、関係の事業者の中でいろいろなことを考えまして、どういった中身が適切であるかということについて、あるいは社会の信頼という関係からどういったものが適切かということにかんがみまして、自主規制という格好でそのようなルールをつくられることについては大変有効であろうというふうに思っております。
 そういう意味で、業界の方の実態に即した自主ルールがさらに一層いいものになりまして、それがきちっと普及するということが重要であろうというふうに思っております。


○山下芳生君 次に、一括前払い契約について伺います。
 先ほどの日弁連の意見書では、「本来のサービス取引は代金後払いあるいは一回毎の清算が原則であるが、事業者は一括前払い制により投下資本の早期回収が可能となる。エステティック・英会話教室など経営基盤の弱い事業者が急激に事業を拡大しているのは、こうした事情によるものと考えられる。」、「他方、消費者は、内容不明確な将来のサービスのために多額の資金を預けることになり、万一事業者が倒産した場合などには、一方的に不利益を被る。」という指摘ですが、これも実態からすれば当然の指摘でありまして、日弁連さんはこういうことが全く無制約に放任されることについても検討が必要であろうというふうに提起されておりますが、この点、政府の見解ないし議論の経過を聞かせていただきたいと思います。


○政府委員(岩田満泰君) 前払い金の御質問かと存じますが、これらの契約の中には、今回私どもが議論をしてまいりました四業種の中にもそれぞれ業種によりまして、前払い金の比率でございますとかあるいは一括前払いという形態が多いか少ないかというのはややさまざまと申しましょうか、業種によりましてばらけているというのが実態でございます。
 前払い金の比率というかあるいは金額といったものを一律に規制するということは、いろいろな意味での問題が多いというふうに私どもは考えておりまして、言ってみれば前払い金というものがどのくらいの大きさのものであるかということについては、契約をする消費者のサイドにおいてもやはりいろいろと考慮していただく必要のある部分も、一面もあるのではないかというふうに思っておるわけでございます。


○山下芳生君 私、前払い金をするというのは、これは消費者にとってどんな利益があるのかよくわからないんです。これからサービスを受けるのであって、受けたものに対する対価を払うんじゃないわけですから。やっぱりこれは事業者の側にとってのメリットがもう大半であろうと。しかも、事業者の側にとっても、いわばメリットだけじゃなくて、日弁連さんも指摘されておりますけれども、こういうことをやっていると経済的にも不健全な経営形態に傾くおそれが強いという指摘も同時にされています。
 それで、実態をまた幾つか御紹介したいんですが、先ほどの大阪弁護士会の意見書には関西中心に倒産した四つの外国語教室の事例が載っておりまして、例えばその中のアトニー英会話教室、平成六年に倒産されましたけれども、

  弁護団加入被害者二百二十七名である。本件では受講中に次々と買増しを求められ、その結果被害者の購入レッスン数は平均で七百三十七回にもなった。一回の契約でも最高購入レッスン数千回というものもあり、一人あたりの最高損害額は四百三十万九千七百六十三円にも及んだ。一人当たり被害額の平均は約七十四万五千円である。
  また被害者の平均未受講レッスン数は三百十七回であり、数年先までのレッスンを購入させられていたことがわかる。
  なお同社の倒産の主な倒産原因は、経営陣によるリゾート開発その他の乱脈経営である。負債総額約三十二億円の内、未受講の受授料に対応するものが約十一億五千万円を占めた。

つまり、前受け金として預かったものをリゾート開発に流用していた、それで倒産しちゃったというとんでもない事例であります。
 それからもう一つ、リープ英会話スクール、これは平成十年に倒産をいたしました。

  本件では破産申立人が破産に至る経過を報告しているが、それによると前払制の英会話教室の実体がよくわかる。同スクールでは平成五年十月に資本金わずか三百五十万円でスタートしたが、同年十一月の最初の教室の開業資金だけで約千四百万円を要し、その不足額は金融機関からの借入によってまかなった。その後、平成七年三月、同八年十月と、新教室をオープンしたが、その開設費用約千九百万円は生徒からの前払授業料および借入金によってまかなわれた。また固定費として、賃料(三校合計)月額百三十七万五千円、年額千六百五十万円、人件費は九月及び十月の給与未払額(九月分は一部)が二千二百六十二万六千九百八十円(五十名)ということから人件費だけで年約二億円ということになる。これに広告宣伝料、税、社会保険料などが加わるのであるが、売上は年二億円が最高であった。そうすると、賃料、広告宣伝費、税、社会保険料、借入金の元利返済分は少なくとも赤字だったのであり、これらは生徒からの前払い授業料の預り金で支払われていたことになる。つまり赤字の累積を生徒からの預り金という借金でまかなっていたのであり、新規の契約(新しい預り金=借入金)が減少すればただちに資金繰りがいきづまる状態にある一方、前払金をうけた生徒に対する授業を行う債務だけは累積していったのである。

  このように前払い式の英会話教室では、生徒からの実質的な借入によって運転資金がまかなわれるという自転車操業状態であり、生徒は一方的に信用リスクを負担させられているといえる。
という実態であります。
 これは前払い金を原資にして自転車操業で教室の経営がされている。こういうふうになりがちだということです。これはまさしく業者にとっても、こんな安易な道を進んじゃうと大変経営的にも不健全になるという、これは日弁連さんの指摘がまさにそのとおりあらわれた事例だと思います。
 そこで、私は、これはいろいろ理由はあるんでしょうけれども、こういう実態を、前払い制度をこのまま放置していいんだろうか、こういう実態を踏まえるなら何らかのやはり規制をしなければならないんじゃないかと思いますが、もう一度その点、こういう実態を踏まえて意見を伺いたいと思います。


○政府委員(岩田満泰君) 確かにそのような事例があるのかと存じますが、やはり前払い金というものが、先般の参考人の意見聴取あるいは質疑の中でもお話もございましたように、消費者サイドにとっても、計画的なエステのサービス提供を受けるとか、あるいは英会話の場合においても非常に計画的な授業を組んでくれるというような、もろもろのサービス提供の形態があるわけでございます。実態といたしましても、学習塾でありますとかあるいは家庭教師派遣については非常に前払いの比率が低いという実態が私どもの調査でもわかっておるわけでありますが、エステとか外国語会話というところに比較的多い。これは計画的な受講というようなものが一つ絡んでいるというような御説明が、エステの業界の問題として先般参考人質疑でもあったわけでございます。
 確かに、お説のように業者側の利益のためでもあるというような点が、側面がないということは申しませんが、したがって前払い金制度を一体どういうふうに一律に規制し得るのかということについては、それぞれの事業者において前払い金というものをそれなりのサービスの提供との見合いにおいて設定され、十分情報を開示した上で、消費者もそれを判断して事業者を選択する、こういう仕組みというのがやはり基本でございます。前払い金というのはおよそこういうものでなければならないという上限設定というようなことまで法律の規制をもってやるということが適切かどうかという点の問題でございます。この点は私ども、産構審においてもいろいろ議論をされた部分ではございますけれども、今回はただいま申し上げたような考え方で法律の規制の対象ということではない問題として処理をされるのが適当であろうと、このような結論に至ったということでございます。


○山下芳生君 こういう事態、倒産したから深刻になっているわけですが、今回の法改正で、この前払い金で運営されているような英会話教室等が倒産した場合、これは消費者はどうなるんでしょうか。


○政府委員(岩田満泰君) もし仮に、前払い金との絡みと理解をいたしますれば、キャッシュでお支払いになっている場合というのは、これは一般債権に多分なると思いますので、その限りにおいて、その倒産の実態がどういうものであるか、破産であるのか会社更生的な道を選ばれるのかにもよると思いますけれども、一般債権としての配分があるというようなことに、これは一般論でございますが、なろうかと存じます。
 クレジットを使っておやりになるというようなケースになりますと、これはどの時点によるかによりますが、抗弁権の接続という形が発生をいたしますので、基本的にはと申しますが、その限りにおいてそれまでの役務の提供を受けたまでがクレジットとして支払われるということでございますから、前払いをしたものが役務の提供も受けられずに終わるというところは基本的にはないと申しましょうか、相当部分それはないように措置がされるということであろうかと思います。


○山下芳生君 今度はクレジットの場合は抗弁権の接続が可能になるのでこれはかなり効果的だとは思うんです。
 実は先ほど紹介したトーザの場合は、ローンを利用する人もいたんですが、むしろ利息が高いとかスタッフがローンを勧めなかったなどの理由でローンを組んだ方は少数派で、九割の方が現金あるいは銀行振り込みで授業料を貯金をおろして払っちゃっているんです。だから、これは法改正前ですけれども、今後もそういうことが起こらないとも限らないわけで、そういう点での今後ウオッチをしながら適切な指導も必要ではないかなということも紹介、指摘しておきたいと思います。
 それで、今度の法改正でこういういろんな懸念というものを大きく救済していく一つの改正ポイントというのは、中途解約ができるようになったということであると思います。
 そこで、これはクーリングオフ期間経過後も役務の提供を受ける者による契約解除を認めるということなんですが、具体的に実際どういう手続になるのか。これは非常に消費者にとっては大事だと思うんですが、中途解約をしたいと思った消費者が一方的に中途解約しますと言ったら自動的に返金はされるのでしょうか。そして、それを自動的に返金しなかった業者は罰則を受けるのでしょうか。


○政府委員(岩田満泰君) まず、中途解約につきましては一方的な性格のものであるということでございます。
 したがいまして、形としては書面をもって中途解約を申し出られるのがよろしいと思いますが、それを一方的に宣言されること、これがこの中途解約権の意味合いでございます。
 したがいまして、その上では、これは法律にきちっと規定が置かれておりますが、中途解約が行われた場合には、事業者は消費者に対してそれまでに提供された「役務の対価に相当する額」と「解除によつて通常生ずる損害の額」を加えた額を超える金額を支払い請求することができないというふうに支払い請求額の上限が定められておるわけでございます。
 特に、この後段で申し上げました「通常生ずる損害の額」を加えた額とは何かということにつきましては、法律上、政令で定めることになっておるわけでございまして、私ども、これがいかなるレベルというものが適当であるかということをこれからよく再度検討いたしまして政令で定めさせていただこう、このようなことでございます。


○山下芳生君 そこで、前払いの話にまた戻るんですが、前払いしているわけですからもう支払っているわけですね。そこで、中途解約したいと一方的に通告すると、良心的な業者であれば、わかりました、では、法律、政令で定められた上限規定に基づいて損害賠償料としてこれだけいただきます、あとは返金いたしますというふうになるんでしょうが、業者がそれをしなかった、意図的に隠すといいますか、消費者の側もそういうことができるという権利があることを知らなかった場合、これはどうなるんでしょうか。わからずじまいで消費者被害が救済できないまま放置される可能性も残るんでしょうか。


○政府委員(岩田満泰君) 消費者にはそういう権利が与えられているということをぜひ御理解いただかないと話がちょっと始まりません。
 特に、今回新しく法律をおつくりいただいているわけでございますけれども、ぜひそういう御理解はあるという前提でお話をさせていただければ、もしこれらの規定に反したような、逆に言いますれば、支払い請求額の上限を定めておりますので、その差額は返還されるべき金額ということになるわけでありますが、この支払い返還がされない場合には債務不履行ということでこの法律の中にも規定が置かれております。
 これが直罰の道を歩むか、私どもが指示、業務停止命令の道を歩むかという二つの大きな分かれ道はございますが、いずれにいたしましても、そういう形で最終的には罰則をもって担保されるという道が規定されておるわけでございます。


○山下芳生君 今のは前提が消費者がそのことをちゃんと承知しているということですけれども、はっきり言いますと、先ほどから出ているように、消費者の皆さんがそういう継続的役務取引において不満に思うということを感じた場合に、いろいろ訴えたり相談したりする件数は一割ぐらいしかないんです、二割ぐらいかな。だから、八割の方は不満を持ちながらもそのまま放置されているのが実態です。
 ですから、ここのところをどう本当に消費者の皆さんに理解していただくのかということがなければこれは絵にかいたもちになって、消費者被害というのは救済されないまま、法律ができてよかったねと言っているだけで実態は変わらないという危険性もあると思うんです。
 そこで、書面の交付に関して、書面の交付は義務づけられているんですが、書面の交付というのは交付が目的じゃないと私は思うんです。そういう権利があるということを消費者が理解する、わかる、これが目的のはずであります。
 そうすると、書面の交付さえすればいいというのでは、書いている文書をぱっと示したぞということで、悪質な業者はそれで済ます場合もあるでしょう。それは消費者が理解した、わかったということには到底ならないはずであります。
 日弁連も、この間来られた東京都の方も、やはり書面の交付と同時に説明をするということ、理解させるということも義務づける必要があるんじゃないかという提起ですが、これはいかがでしょうか。


○政府委員(岩田満泰君) 先ほどの御説明に足らないところがございまして、消費者がそうした中途解約権というものを持ち、それによって損害賠償額に制限が法律上あるんだという、その辺の絡みにつきましては、今先生もお触れになりました交付義務のある書面の中に義務として書き込むことを予定いたしております、もし中途解約が行われた場合の措置につきましては。
 したがいまして、契約をされた方についてはそういうことになるわけでございますが、それでもそうした交付された書面についてさらに説明義務、説明をさせるべきではないかというのが今の御質問かと存じますけれども、今回の提案の中では、消費者に対する情報提供ということで、契約を締結するまでに二回にわたりまして書面交付をすることを義務づけておるわけでございます。
 さらに、書面には、現行の訪問販売法と同様でございますけれども、書面の内容を十分に読んでいただきたいという旨を赤枠の中に赤字で記載するということを通商産業省令で義務づける予定でございます。
 なお、この使う文字はJISの八ポイント以上の文字を用いて書く、つまり物すごく小さな字ということではなくて、それ以上のものを書くということになって、これは現行の訪問販売法もそうなのでございます。赤枠で読んでいただきたいということを赤字で書くということで注意を喚起しようということにいたしておるわけでございます。
 御指摘のように、説明ということでございますけれども、私ども、まずは、特に高額の御契約をされるような消費者については、重要な点についてやはり結んだ契約書の内容をぜひ読んでいただきたいということでございます。
 したがって、そのうち特に重要なものということについて、現在、訪問販売法の運用の上におきましても、クーリングオフというような重要な項目につきましては説明を行うよう指導いたしてきておるわけでございます。
 今回、特定継続的役務提供というものがございまして、従来の訪問販売法の中におけるクーリングオフとの関連でいけば、極めて重要な要素として例えばクーリングオフや中途解約の問題といったような点があろうかと存じますが、そういうものについて同様な措置を講ずるということも考えていきたい、このように考えておるわけでございます。
 私どもが期待をいたしたいのは、高額の契約を結ばれる場合に自分が結ばれた契約の内容はぜひ読んでいただきたいということもあわせて期待をいたしたいと思います。

○山下芳生君 終わります。

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○委員長(須藤良太郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、中曽根弘文君及び陣内孝雄君が委員を辞任され、その補欠として阿南一成君及び山下善彦君が選任されました。

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○梶原敬義君 本題に入る前に、金融監督庁の方にちょっとお聞きし、お願いしたいんです。先般、統一地方選挙で帰ってずっと地方をぐるぐる回って、中小の金融機関の経営者の皆さんとも数人と話をし、また借り手側の中小企業の皆さんとも話をしました。今、御承知のように、赤字法人率というのは六五%を超えております。こういう状況の中で、金融監督庁さんの言うようなそういう基準でいったらもうどこも貸せません、こう言うんです。
 また、最近、倒産がずっとふえてきておりますが、金融監督庁もこのマニュアルというのをつくったようでありまして、それも見せていただきました。
 しかし、地元の中小の金融機関というのは業者の皆さんとは長いつき合いをしているわけです。それで、今、彼らの責任で悪くなったのではなくて、今日の経営不安というのは、あなたも大蔵省にいたが、大蔵省や日銀がバブルの形成過程において放置をしたままどんどん大きくなっていって、そのバブルを突き刺して経済が収縮して、いわば失われた資産が八百兆とこう言われておる。大多数は民間の中小零細企業というのは不況の波に洗われているんです。自分だけの努力ではどうしようもならぬのです、。大変厳しい状況なんです。
 そして、地方銀行、地方の金庫、何々金庫とかあるいは信用組合とか、あるいは第二地銀とか、そんなのがいっぱいありますが、そういうところは本当に実情はもう音を上げているんですよ。私たちもやっぱり貸し渋りをやらなきゃならぬようになっていると。
 これは、そういう実態は十分承知の上でやっているのかどうなのか、いかがですか。


○梶原敬義君 対象になる。
 これはなかなか相手が捕まえにくいですね。だけれども、これはそれでやるというんだから、よっぽどよく捕まえぬと警察が泥棒を捕まえるよりも難しいかもわからぬ。これはわかりました。
 一応、不正競争防止法については私は賛成でありますが、売っている人があっちこっち散らばってなかなか押さえにくい、それで一体幾ら損害がその店で出たのか、あるいはあっちこっちで売っている、果たしてそれをどうするのかというのは非常に難しい問題だと思うんですが、今後行政指導を徹底するように期待したいと思います。
 次に、訪販法のところでありますが、時間がありませんので、はしょった形になると思うんですが、エステティックについてこの前参考人からいろいろお聞きしまして少し知識が広がったんですが、どういう層に一番問題が出ているのか、二十代ということを聞きましたが、きのう通産省の皆さんからちょっと聞いたらもっと若い層、そこら辺、男女別とか層とかつかんでいるものがあれば教えてください。


○政府委員(近藤隆彦君) 被害者といいましょうか相談者の年齢層でございますけれども、二十代が大体六六%、三十代が一二%でございますけれども、それに対しまして二十歳未満という方々もおりまして、九%でございます。これは国民生活センターの最近の調べでございます。


○梶原敬義君 この四業種を訪問販売法の規制を受けるように入れるということについては賛成でありますが、先ほど同僚委員からも話がありましたように、どうしてこれをアウトサイダーの多い業界に徹底するのか、あるいは消費者に書面交付とかあるいはクーリング制とかあるいは中途解約可能だというようなことを徹底させる方法について少し具体的なものがあれば教えてください。


○政府委員(岩田満泰君) 今回の法律の内容につきましては、もし成立の暁には、まず事業者につきましては、もちろんインサイダー比率が低いという問題はありますが、事業者団体がございます。それから業界によりましては、いわゆる自主ルールを策定してこられた団体以外に別途の団体ができているというのがございまして、そこはまたそれなりの一つの集団でございますから、自主ルールの策定がされなかった団体なども含めて、事業者の団体は当然のことといたしまして、アウトサイダー比率の高いという実態にかんがみますと、私どもとしては、一つはまず地方自治体の御協力を得ましてパンフレットの配付とかあるいは説明会というようなものを開かせていただく必要があると思いますし、それから、そういう会合には事業者のみならず消費者の方々にもということでございますが、そのほかにテレビ番組など各種の広報媒体を用いまして御説明をするということであります。
 それから、もちろん消費者関係団体と申しましょうか、消費者のためにいろいろな形の活動をしていただいておる消費者団体にも御協力をお願いして、そうした窓口を通じても今回の法律改正の内容というものをお知らせするということに全力を挙げていきたいと考えております。


○梶原敬義君 そこらをちょっと薄々感じたのは、業界に対しては、通産省は地方の通産局もあるし、通産局の方が指導をずっとするという感じで、私は、地方自治体、県、市町村、そこが本気でやる気にならなきゃ、一々通産省が全部やるといったってそれはできないから、そことの関係はどうなっているんですか。


○政府委員(岩田満泰君) ただいま手段の一つというかあるいはルートの一つとして地方自治体と私申し上げたわけでございますが、先ほど来いろいろな苦情相談のためにPIO―NETのデータのお話が出てまいりますように、各都道府県、自治体には消費者センターのようなものが存在をするわけでございます。そこにはまさに国民生活センターの数字として出てくるようなものの集計の原点が存在をいたしておるわけでございます。それぞれに毎日御苦労をおかけいたしておるわけでございますので、逆に申しますと、そういうところにこの法律の趣旨の徹底のための一つのルートとして御協力をお願いする、あるいはまた当然そういう意味合いにおいて問題意識も各自治体においては高いわけでございますので、そういうところの御協力も得て説明会をやる、パンフレットを配付するというような形で今回の法律改正の内容を周知していきたい、こういう意味合いで申し上げたわけでございます。


○梶原敬義君 こういうのは各県にあります県の消費者センターとか、こういうところを通じる、あるいは県行政を通じて広げていかないと、それはちょっと実現不可能だと思うんです。日常それはもう現地は現地でよくわかっておりますから、そこは通産省が抱え込むんじゃなくて、少し地方にお金が要るならお金をおろしてぜひ協力させるようにしたらどうかと、このように思います。
 それから、法案十七条の七では業者に対して改善の指示をするということになっておりますが、指示というのは非常にわかりにくいわけです。必要な指示といってもなかなか、それはどういう形で、これも一々通産省がやるのか、地元の市町村に協力してもらうのか、実際のやり方、こういうところもちょっとわかれば。


○政府委員(岩田満泰君) 御指摘のとおり、十七条の七で主務大臣の指示があるわけでございまして、これはまず基本的に、契約に基づく債務または契約の解除によって生ずる債務の履行の拒否または不当な遅延行為、あるいは重要な事実の不告知、威迫・困惑行為等々があった場合に対応する措置でございます。
 例えば指示の内容といたしまして例を申し上げれば、主務大臣が、不備のある交付書面につきまして記載の内容を適正化させる、あるいは法律に違反する行為を行わないように従業員の教育について徹底させるように指導するというような、不当な状態を改善させるために必要な措置を講ずるということでございます。
 基本的には大臣ということでございますが、この継続的役務につきましては地域性というような点もあり得るかと存じておりまして、ただいま地方自治体への権限委任と申しますか、そういった点の御指摘もございましたけれども、今後その点についても御指摘も踏まえまして検討させていただきたいと存じます。


○梶原敬義君 あと一分あるんです。
 通産大臣、もとに返りまして最初の話ですが、金融監督庁の指導が地方においては大変なんです。地方の銀行は貸したくても、それはマニュアルどおりくれば、検査の厳しいやり方あるいは分類の仕方、こういうものからくると、地方の銀行やあるいは金融機関はやっぱり貸し渋りをやらざるを得ないと泣いているんです。それでまた借り手も今困っているんです。その辺について、金融監督庁や大蔵省サイドだけじゃなくて、少し借り手やあるいは地方の立場に立って大臣に頑張っていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。


○国務大臣(与謝野馨君) 私どももほぼ先生と同じような懸念を持ちまして、金融監督庁にいろいろなことを申し上げました。それで、最終取りまとめにおきましては、通産省が指摘した問題点は修正されたというふうに評価をしております。特に検査マニュアルを口実にした貸し渋りの防止がチェック項目として追加されたことは重要であると考えております。
 検査マニュアルの実施、運用に当たっては、中小企業の抱えるいろいろな問題も、形式的な検査、マニュアルどおりの検査ということも一方では必要でございますけれども、やはり実情に応じた物事の判断をしていただきたいと我々は思っております。

○梶原敬義君 終わります。



○渡辺秀央君 この訪問販売法、割賦販売法、この自由主義経済社会の中で難しい一つの法規制とでもいいましょうか、経済活動を円滑にやっていく、あるいは国民生活を円滑にやっていく条件をつくっていくのになかなか難しい法律だということはよくわかるんです。しかし、私もたびたびこの法律の改正には過去携わってみましたけれども、やっぱり依然としてこの苦情問題というのは、これは切りがないのかもわかりませんけれども、非常に多い。しかも、どうも本質的に解決されていない。先ほどから同僚議員の質問に答えておられた事務当局の答弁もわからぬではないけれども、きれいごとでは済まされない、どうも人間の知恵がどんどん発展してきているのかもわかりませんが、しかし若干そういう感じがいたします。
 しかし、基本的に、今日の段階に来て、この種の改正でやむを得ないという意味においては、私ももちろん冒頭にこの改正案についての賛成の意は表明しておきます。しかし、後で申し述べますけれども、やっぱりもう少しこの自由主義経済社会の中で消費者が安全な消費生活をやっていける、あるいはまた購買生活をやっていけるような仕組みは政治の場として考えていかなきゃいかぬと思うんです。
 そういう意味で、最近も国民生活センターに寄せられた消費者からの苦情相談を見たりしますと、平成九年には三十九万件、全国で二十歳以上の成人が二百五十人に一人の割合で苦情相談を持ちかけたことにもなります。その内容を見ると、さまざまな商品やサービスに及んでいますが、また年代によっては苦情の相談内容も変化しているようです。そういう意味において、今審議しているこの両法案では、規制する商品やサービスはそれぞれ政令で指定されているわけですけれども、消費者トラブルが社会問題となって被害が大きくなってから業種指定が行われるなど、常に私はどうも後追いの感がいたします。
 通産事務当局は、被害や苦情がどの程度になったら、またどの程度社会問題化されてきたらその対象とする業種を指定するのか。あるいはまた、その社会問題になったものは、今度の問題のように三年前、五年前に自主的にルールをつくりなさいといってやってきた、その間、どうも荒稼ぎされているものはされてしまっているような感じもする。一体これをどういうふうに考えたらいいんでしょうかということが一点。
 二点目は、継続的な役務取引の対象となるのは、エステティック、外国語会話教室、学習塾、家庭教師派遣事業の四業種だけだと。これは一昨日も参考人からお聞きしました。しかし、東京都の舟橋参考人の話ですと、私はそこを確かめたわけですが、資格講座、結婚情報サービス、自己啓発講座の苦情が多発している、非常に多いという問題についても触れられました。
 今回、どうしてこの四業種に限定してその対象としたのか。なぜこのあとの三つのものは対象外になったのかということを、前段と後段の話は関連があるけれども、ちょっと伺っておきたいというふうに思います。


○政府委員(岩田満泰君) 業種指定のお話でございますが、必ずしも被害が出ているその程度だけといいましょうか、あるいは苦情相談の発生状況ということだけではなくて、やはりその苦情相談といいましょうか、トラブルが起きている内容の質的な側面というようなものもあわせ考える必要がございますし、この四業種以外にもいろいろな業界の中に自主的な対応、自主ルールのようなものが存在をしていても、それが全体としてどのような実効性があるのかというようなこともあわせて検討をして、指定をする必要があるかどうかということでございます。
 なお、この四業種以外のお話につきましては、今回、この法律によりまして指定役務につきましては政令で指定をするということに授権をいただきたいという法律改正になっておりますので政令指定でございますが、私どもがまず少なくともこの法律を提出させていただく段階において政令で指定をする対象業種にするものは、この四業種ということを念頭に置いて法律を検討させていただいてきたということでございまして、まずこの四業種が念頭にあるということでございます。これからさらに検討しなければならない点が残っておるわけでございますけれども、この法律改正後の法律の施行までのプロセスにおいて、四業種以外は絶対に指定をしないと申し上げているつもりはございません。
 ただ、今御指摘がございました三つの業種でございますが、午前中にも御質疑があったところでございますが、資格講座のようなものというのはどちらかといいますと従来は電話勧誘販売の問題として対応し、今回の継続的役務というのはいわば契約問題に着目いたしておりますので、その中において契約問題というものは、そういう内容というものはもう少し見させていただく必要があるのかなということは思っております。
 自己啓発の問題といいますのは、数字的にはともかくとして、私どもの相談室に寄せられているようなものの中に、内容的にいわばかなりマインドコントロールというようなものに該当するようなものであったり、高額なものであるということでございまして、したがいまして苦情というものが親御さんのお話であるというようなことがございます。この点をどういうふうに踏まえて対応するかというのが必要かと思っております。
 そういった点も含めてもう少し勉強させていただきたいと思います。


○渡辺秀央君 もう少し早く勉強するように、ゆっくり勉強していたんじゃ追いつかない、そのことを申し上げておきたいというふうに思います。
 消費者トラブルの実態は、おとといの参考人の話、エステティックのことを聞いてもはっきり申し上げてどうも余り健全な商法だとは思えません。これは私の主観ですから、私の感じですから何ら恥ずることなく申し上げて、それはやっぱり体にさわるような仕事は資格を持つ人間にやらせるべきだ、そういうことを役所としては考えていくべきです。表面のことだけ考えてやっていくからいろんな問題が社会的に起こってしまうと思いますよ。それは、いや毛が深いとかきれいになるとか、そんなのは全く医療そのもの、そういう感じがします。
 だから、やっぱりもう少し突っ込んで、各通産局というのがせっかく地方にあるんですから、通産局というのは受け身の仕事じゃないんです。本省から行った仕事を下請してやる仕事じゃないんだ。地方通産局というのは、地方の生活の実態を把握して、通産行政に誤りがあるかないかということをやるべきでしょうが。そういう意味においては、守り、あるいはまた苦情が多くなってからということでは遅過ぎるということを申し上げておきたい。
 しかも、私もかつてはかかわったんですが、葬祭互助会の場合でも今なお苦情が多い。申し込んだ本人が死亡して、葬儀の祭壇の内容が契約時のパンフレットと違っていても家族は世間体を気にして余り苦情を言えない。その点では消費者の心理、内面の弱さにつけ込んだ商売のような感じがします。しかも、冠婚葬祭互助会については既に割賦販売法、私も改正に携わった一人ですけれども、今もってそういう状態では非常に残念で仕方がない。
 断っておきますけれども、私の郷里の新潟県などは極めて健全にやっている。この互助会の活動はほとんど苦情がないと思う。私もよく知っている経営者だ。要するに都会に多い。国民生活センターに寄せられている苦情相談件数を見ても、年間千五百六十件だとこの資料によると書いてあるんです。
 東京都の消費生活総合センターに持ち込まれた冠婚葬祭互助会に関する苦情の内容は、都合で解約したいが業者と連絡がとれない、または応じてくれないというようなことが多過ぎる。締約時には火葬料は含まれているという説明であったが、今回の説明では上乗せしないと火葬はできないと言われている。そんなばかな話はないわけです。パンフレットに記載されている会員特典の利用を申し込んだが、現在は盛り花やフルーツ詰め合わせはもうやっていないとの返事で対応が悪いとか、ちょっと苦情のあれを調べてみるとそういう苦情が寄せられているわけです。これらの互助会の利用は一生に一度のことであって、世間体もあるでしょうし、消費生活総合センターに寄せられた苦情件数以上に、さっき同僚議員も言っていたが潜在的に苦情がある、そっちの方がむしろ問題だと私は思います。
 そういったこともこれありで、業種を政令指定するに当たっては、単に苦情件数や被害件数の多い少ないをもって決めるのではなく、こうした外見上苦情の出にくい業種があることも考慮して考えていくべきではないですか。だから、さっきの地方通産局等の耳をもう少し大きくして、ウサギの耳になってやっていかなきゃいかぬ。
 また、確かに冠婚葬祭事業は割賦販売法によってこれまで法規制を受けてきたわけであるけれども、にもかかわらずこういう状態だということに対して、一体どういう指導をあなたたちはやっているのか。
 さらに、もうちょっと耳ざわりの嫌なことを言うと、行政とこういうところの団体との関係、せっかくOBなりあるいはまた役所にかつていた人間がその団体に行くが、この訪問販売法では民法に基づく公益法人として訪問販売協会、通信販売協会が規定されている。これを受けて日本販売協会と全国信販協会が設置されている。冠婚葬祭互助会の業界組織として全日本冠婚葬祭互助協会や全日本葬祭業協同組合連合会、いずれもみんな通産省の人たちが行っているんです。こういうところがしっかりやっていないで、一体国民は安心した生活ができますか。たまには出ていった連中を役所に呼んで、一回クーリングオフをやったらどうだ。私は、この外郭団体に通産省から行くことはいかぬとは言いません。しかしその後のフォローができていない。それが私は極めて残念でならないのであります。
 そういう意味で、団体に関係者が行って、しかもこの今度の法律の対象となっている団体などは組織率がたった一〇%前後だというんでしょう。たった一〇%前後のところに行って、しかも団体が全然大きくなっていかない。要するに加入がふえていかない。それでこの法律をつくって、そしてこの法律の効果が出るであろうと期待をしている。我々も期待しますよ。そういう意味では、団体への出向者でもないんでしょうけれども、経験者とでも言いましょうか、そういう人たちと役所とのしっかりした連携をもう少し図られたらいかがかと。そうでないと、この法律はつくったはいいけれども、ある意味では今度は逆に団体は大きくなってもやっぱり苦情は依然として絶えないというようなことにもなっていく。そういう感じがいたしますので、一体どういうふうに皆さんはお考えになられるか。
 エステティックや外国語教室などは自主ルールを策定して被害の未然防止に努めてきたわけだが、組織率の低さもあって消費者からの苦情は一向になくなっていない。逆に増加している。
 基本的には、おとといの参考人も指摘しておりましたが、私も全く同感でしたが、水野議員が消費者契約法のことについて質問しておられました。私も時間がなかったのでおとといは質問できなかったんですが、もうその消費者契約法のような統一的な消費者取引法制ということは少し考えていかなきゃいかぬ。
 規制が必ずしもいいと思わない。思わないけれども、このように、キノコのように、タケノコのようにどんどんいろんな問題が出てくる。商売がたくさんふえることも結構だし、廃業よりも新しい事業が起こることの方がはるかに大事であることもよく承知している。また、そのことを大いに奨励もしたい。しかし、消費者をだますような商売あるいは事業がふえていくようなことであってはならぬ、私はそう思う。
 そういう意味において、ちょっと事務当局の見解を承っておきたいというふうに思います。


○政府委員(岩田満泰君) 互助会の関係でございますが、私ども、契約約款の適正化でございますとか業界における消費者対応の指導というようなことでそうした対応を図ってきたわけでございます。
 もう少し具体的に申し上げれば、御指摘のように、消費者と実際の例えば葬儀なら葬儀のときの内容との乖離の問題というのがしばしば確かに起きておりました。その意味で、消費者と事業者の間の認識のギャップの解消に向けるということで、契約約款におきます役務内容の明確化ということで、十二万円のコースであるとすればどういう内容の役務が提供されているかということをあらかじめ明確にする、あるいは二十四万円であればどうなのかというようなことを明確にするというようなことで、非常に細かく葬儀なり冠婚なりについてのサービス内容を明らかにする、そういうことの指導をし、業界としてもそういう努力をしておるということでございます。
 なお、不十分な点があるということの御指摘でございますので、引き続きこの点につきましては、特に個々に、確かに私どもも、祭壇と書いてあっても、祭壇の中身が不満であるとかなんとかという、そういうレベルの御議論もあるようでございますので、そうなりますとなかなか難しい点が入りますが、引き続き御指摘のようなことを踏まえまして指導に努めてまいりたいと、このように考えておるところでございます。
 なお、今回の四業種につきましては、確かに、インサイダーの占める比率も低いということで、なお団体としては弱体なものでございますが、私どもとしても、引き続きこの四業種の関係の団体につきましても、生活産業局などとも協力をして自主ルールの策定等々しっかりした団体活動が、より立派なことが行われるように努めるということはもちろんのことでございます。
 なお、役所の関係の人間だというお話でございますけれども、私、どの点の御指摘かちょっとわかりませんでしたので、お答えを求められているかどうか存じませんけれども、どの点の関係のことか、ちょっと私、今直ちに理解ができなかったものでございますから、もしあれでございますれば……


○渡辺秀央君 しっかり聞いていなさいよ。
 役所にかつていたことのある人が団体に勤務をしていたりということを私は、速記録をもう一回読んでみなさい、あなた、ちゃんと聞いていなきゃだめだ。そういう意味で、かつて役所にいたことのある人たちがそれぞれの団体にいるんだから、その人たちを再教育というか、物事の徹底あるいは現状ぐらいのことは把握するように、そこまで気を使って行政というのはやったらどうですか、もうそういう時代じゃないですかということを申し上げたかったのです。わかりましたか。特定のどこどこの団体にだれがいたからどうだと言っていることじゃないんです。
 このエステティックの方も、聞き及びますと、役所にいたとは言っていなかったが、役所に関係する団体にいた人が今現在やっぱり行っているんです。本人から聞きました。だから、それならばそのようにちゃんとやってくださればいいわけです。そのことを言っている。行ったことがいけないと言っていないんですよ。同じことを何回も言うのは時間がもったいないんだけれどもね。
 後の質問に答えてください、企画庁。


○政府委員(金子孝文君) ただいま消費者契約法について御質問がありましたので、その部分についてお答えしたいと思います。
 現在、自己責任ということが非常に強調されているわけであります。それで、いろんなトラブルがあるわけですけれども、その中で、行政もしっかりやっていかなきゃいけませんけれども、やはり消費者自体が自己責任ということを踏まえてしっかり対応していくということが非常に求められているんではないかと、こう考えている次第であります。
 そういうときに、消費者契約法の基本的ねらいは何かと申しますと、消費者契約に関する基本的な民事ルールを定めることによって、仮にその契約取引において被害が生じた場合にはみずからの努力によって救済を行うということを容易にするということが基本的なねらいであります。
 これは単にそれだけにとどまらず、平成七年に施行されました製造物責任法、これもどういう効果があったかといいますと、やはり事業者が安全に相当努力するように自発的な努力を促したという非常に大きな効果があったと思います。したがいまして、こういう契約における新たなルールの設定というものは、結果として事業者が不適切な契約取引を行うことを防止する上で非常に大きな効果もあるのではないかと、こう考えている次第であります。
 それから三点目としましては、これは非常に包括的な民事ルールでありますから、適用範囲にすき間が生じないわけですから、いろんな新たな商法、新たなサービスが出てくるわけですけれども、そういうものにもあまねく適用されるというメリットがあるということを考えております。そういうことでありますから、午前中にもお答えいたしましたけれども、私どもとしましては、国民生活審議会消費者政策部会の報告に基づきまして検討を進めまして、関係各方面と現在いろんな調整を行っているわけですけれども、そういうことで条件が整えば次期通常国会に法案を提出することを目標として最大限努力をしてまいりたいと、こう考えています。


○渡辺秀央君 私はやっぱり勉強してみる必要があると思います。我々政治家も勉強してみる必要はあると思いますけれども、経済活動あるいは市民生活を規制社会に持っていく、あるいは規制取引、今、規制緩和という時代に逆行みたいなことはやっちゃいかぬが、しかしもうここまでいろいろ考えてくると、何か一つの網がないと、訪問販売法、割賦販売法だけでカバーできるのかという問題はどうもあるような感じがします。
 そういう意味では通産省も、私は、消費経済課というところに行く担当課長はこういう通産省においてももう歴代なかなか難儀な課長。こういう問題が絶えず出てきているんで、そのこともよく承知しております。そういう意味で、一回これは勉強してみる必要があるのかなということだと思うんです。
 私は、法規制をしても消費者行政はそれでいいなんということで申し上げているつもりはありません。せっかく法改正をして、問題はやっぱりその実効が担保されなきゃ意味がないということだと思うんです。単に事業活動を規制するだけでなくて、自由かつ公正な事業活動を目的とする経済体制をどう維持するかということが一番問題なんで、そういう観点から、これからも我々も検討、努力をしてみる必要があるように感じながら、現状におけるこの種の問題がこれ以上余りにも雨後のタケノコのようにどんどん問題を惹起しないように、むしろタケノコの芽が見えてきたらそこである程度の警告、警告というか注意でしょうね、これは別に通産省でなくても警察庁に頼んでもいいわけです。そういうことで、いろいろな行政の連携が図られていかなきゃいかぬ。こんな法律を、みんな順番に片っ端から対象の業種を指定してなどいったらこれはもうたまったことではないという意味で申し上げているわけです。
 これは役所としてぜひ考えていき、政治家として考えていき、本当にまじめに正直に、あるいは市民生活に期待しながら、何もだまされようと思ってだまされるわけじゃないので、だまされた人はそれで終わりだというような社会にしておいてはいけないという観点から私の感じを申し上げてみたということであります。


○水野誠一君 まず不正競争防止法について