海外先物取引規制法8条においては、
営業所以外の場所で海外先物契約を取り交わした場合、
契約から14日間が経過するまでの間は、いきなり商品取引を
開始させないこととし、熟慮期間・取引待機期間を設けています。
悪質な業者に煽られ、勢いで契約させられてしまった消費者が、
実際に海外先物取引を開始するかどうかについて、
取引開始を一時保留し、冷静になり、14日間という長時間、
慎重に検討する機会を確保し、時間的余裕を確保することで、
契約者の保護を図っています。 |
この14日間の取引待機期間内は、海外先物取引業者は
顧客から売買注文・売買指示を受けることは許されていません。
もし業者が勝手に売買注文を出したとしても、その取引は
業者が自分自身のためにした取引と看做されます。
当然、業者は、顧客に対し、その取引によって生じた損失や
売買手数料を請求することは許されません。
これは、悪質な海外先物業者が、電話勧誘などの際に、
「もう既に注文してある。取引は既に開始されているから、
契約に応じる義務がある、証拠金を払う義務がある」
などと、一方的に取引成立を強弁し、強引に契約を迫る
ケースがあまりに多かったことから、
海外先物規制法8条によって、14日間の熟慮期間・
取引待機期間を定め、熟慮期間を確保することにより、
・消費者が断る機会を奪われることのないよう、
・一方的に取引が開始されることのないよう、
・取引を開始するか否か、よく検討した上で決める事ができるよう
・相談をしたり、取引の仕組を理解する機会・時間が得られるよう
消費者の保護が図られることとなっています。 |
よく見られる契約の流れとしては、
業者と取引委託契約書を取り交わした際に、その場で
担当者から口頭により売買注文の内容を告げられ、
「委託証拠金として○○万円が必要です」 などと、
証拠金の現金前払いを求められるケースが多く見られます。
しかし、上記で述べたとおり、営業所以外の場所で契約した
海外先物取引は、いきなり取引が開始することは許されておらず、
14日間の取引熟慮期間を経過するまでの間、海外先物業者は
顧客から売買注文・売買指示を受けてはならない
決まりになっています。
従って、既に将来の売買注文の予約をしたからといって、
すぐに海外先物取引が開始する訳ではありませんし、
海外先物取引が解約できなくなる訳ではありません。
そのせいか、14日間が経過するまでの間は、売買注文・売買指示
は、口頭のみで行われることが多く、業者が顧客に交付することが
義務付けられている「売買指示の内容を記載した書面」が
消費者に交付されることはあまりないようです。 |
この14日間の取引待機期間中は、
海外先物業者は、顧客から売買注文・売買指示を受けることが
許されておらず、また、当然、先物取引を勝手に開始することが
許されていない訳ですから、
この期間内に、顧客が売買指示の予約・売買注文の予約を
撤回しても、商品取引による損失や、売買手数料が生じる
余地が無い、当然にキャンセルできる、ということになります。
例えば、海外先物の取引委託契約書を取り交わしていて、
既に委託保証金全額を支払い済みであり、
具体的な商品の売買注文の予約を入れていたとしても、
契約締結から14日間経過するまでの間は、
具体的な商品取引が開始していない以上、
消費者は売買注文・売買指示の撤回をすることができます。
もちろん、支払済みの委託保証金の返還も請求できます。
つまり、これが海外先物取引の、事実上のクーリングオフ制度
・クーリングオフ類似制度ということになります。 |