SNSサイトでたまたま仲良くなった人から、「今度会って話そう」「遊びいこう」「食事に行こう」などと誘われた。 |
数日後、繁華街の駅前で待ち合わせて、相手と直接会った。
相手と一緒にファミリーレストランに入って、しばらく雑談していたが、そのうち、相手から、
「よい投資の話しがある。自分の知り合いがやっている投資だが、とにかくすごい話しだから、聞いてみるといい」
「自分ではうまく説明できないから、場所を変えよう。自分の知り合いから、直接教わるといい」
などと言われ、場所を移動することになった。 |
ファミリーレストランを出て、しばらく歩き、事務所かショールームのような場所に案内された。
中に入ると、説明役の人を紹介され、パソコン画面を見せられながら、投資についての説明が始まった。
「最近の金融機関や投資家は、自動売買プログラムという、コンピューターソフトを使って投資判断をしています」
「投資のタイミングを、人間が判断するのではなく、ソフトウェアが行っているんです」
「もちろん100%確実に勝つことはできませんが、投資とは、要するに確率の問題ですから、的中率を100%に近づけることはできます」
「トータルとして勝つことが出来れば、利益を出すことができます。単純に言えば、10回の取引のうち、6回勝てれば、4回負けても利益が出る、ということです」
「この投資ソフトを使って、過去のデータを分析すれば、高い確率で予想を的中させることができます」
「あなたもこの投資ソフトを使って、投資をするといい」
「この投資ソフトを購入して、投資用のアカウントを開設すれば、あなたも効果的な投資ができます」
などと、パソコン画面を見せられながら、これまでの的中率や、運用成績について説明された。 |
ソフトウェアは100万円近くする高価なものだったので、最初のうちは契約をためらっていたが、説明役の人から、
「企業秘密の詰まった投資ソフトですから、確かに安くはありません。しかし、投資の的中率が上がり、収益が得られますので、先行投資はすぐに回収できるはずです」
「ソフトの代金100万円と、投資資金が用意できないなら、とりあえずキャッシングで用意すればいい」
「投資の収益が入りますから、キャッシングを利用したとしても、すぐに返せるはずです」
などと、決断するよう背中を押された。
結局、投資話に好奇心をくすぐられたこともあり、契約することにした。
現金で100万円を用意して、その日のうちに支払った。 |