クーリングオフ制度とは


クーリングオフとは、契約や申込を行なってから一定の冷却期間を設けることで、
「冷静になって (COOLING) 契約を解除(OFF) する」
冷静に考え直す機会を消費者に確保しています。

しかし、一度した契約や申込みを、理由も無く、一方的に撤回できる制度なので、
クーリングオフ制度の適用対象はかなり制限されています。

クーリングオフ制度の対象となるのは、主に
自宅や勤務先に訪問を受けてした契約 訪問販売に該当・・8日間
飲食店や公共施設、自動車の中など、
業者の営業所以外の場所でした契約
訪問販売に該当・・8日間
販売目的を告げられずにお店に呼び出された場合など 訪問販売に該当・・8日間
街頭で呼び止められ、お店に誘い込まれた場合 訪問販売に該当・・8日間
マルチ商法や内職商法などの複雑な仕組みの取引 マルチ商法・・・・20日間
内職商法・・・・・・20日間
海外先物取引など、特定の慎重を要する投資取引 海外先物取引・・14日間
預託取引・・・・・・14日間
投資顧問契約・・10日間
特に指定を受けた長期間のサービス契約
(エステ・英会話・結婚相手紹介・家庭教師派遣 他)
8日間
特約などで業者が自主的に契約者保護を図る場合 特約の内容による

そして、クーリングオフできる商品についても、一定の制限を受けます。

特に指定された一定の商品・サービス・権利などに限定
(ただしマルチ商法・内職商法などの例外もある)

クーリングオフ制度の適用される取引は、おおまかに区分すると

 自宅に訪問を受け、自宅でした契約・申込。いわゆる 訪問販売

  例  布団、布団打ち直し、布団クリーニングの訪問販売
     浄水器、掃除機、磁化処理装置、風呂循環機
      生ごみ破砕機、ミシンの訪問販売など
     学習教材の訪問販売

  例  工事・リフォーム工事の訪問販売
     リフォーム工事、シロアリ駆除、床下換気扇設置、床下薬剤散布、
     排水管清掃、屋根補修工事、耐震補強工事、外壁工事など
 喫茶店や飲食店、公共施設、車の中など、業者の営業所以外の場所で
   した契約・申込。この場合も 訪問販売 に該当します。

  電話での呼び出しや、キャッチセールスなどにより、飲食店や
  ホテルのロビー、ファミレスにおいて行なった契約・申込。

  レジャークラブ会員権および商品購入の勧誘
  キャッチセールスによる化粧品、健康食品、
  美顔器、ジュエリーの勧誘など
  海外先物取引 (飲食店 自動車の中など)
 街頭で呼び止められ、そのまま営業所へ連れて行かれて
   する形となった契約・申込。 いわゆる キャッチセールス

  例  絵画、シルクスクリーンのキャッチセールス
     化粧品、健康食品、美顔器、エステ、
     ジュエリーのキャッチセールス
     霊感商法、占い名目の印鑑キャッチセールス

  例  高齢者を景品などで釣る 催眠商法 SF商法 など
     路上で高齢者を呼び止め、景品配り気分を高揚させ、興奮状態で
     布団や磁気治療器、着物などを買わせる高齢者キャッチセールス
 販売目的を告げられずに、あるいは販売目的を否定されて、
   電話や郵便、ビラなどで来訪の誘引・来訪要請を受け、
   あるいは、格安で購入できるなどと来訪誘引・来訪要請を受け、
   業者の営業所や展示会場でした取引。
   いわゆる 呼出し販売 アポイントセールス デート商法

  例  アンケート名目・プレゼント当選名目での呼び出し
     メンバーズクラブおよび商品購入の勧誘
     ダイヤや貴金属などのデート商法
     絵画の展示会商法
     毛皮やスーツなどの呼び出し販売
     体験名目で呼出されるエステ・化粧品・健康食品など

  例  異性と親密になる・出会いを装った来訪誘引
     デート商法 恋人商法 毛皮商法 スーツ商法

  例  解約商法 二次勧誘
     過去の契約の解約をもちかける「解約商法」
     不良会員として違約金が請求されている、
     解決には費用が必要などと商品を買わせたり
     解約費用として現金を要求する手口が流行しています
     (飲食店での契約なら、勿論クーリングオフの対象となります)
 電話勧誘による契約・申込。 電話勧誘販売 資格商法 など)

  例  行政書士、旅行業務取扱主任者などの資格教材
     ビジネス自己啓発教材 経営管理教材
     電験3種 エネルギー管理士講座

     健康食品・ホームケア用品などの電話勧誘販売
     内職商法 (広い意味での電話勧誘)

     広告掲載の勧誘 紳士録 人名登録簿
     人権や政治活動・環境活動名目・「〜写真集」など
     数万円程度の書籍を強引に購入させる電話勧誘
 ビジネス参加や仕事のあっせんなど、収入を謳って勧誘するもの。
  仕組みを理解するのに一定の時間を必要とする、
  慎重な判断を要する取引

  例  マルチ商法 ネットワークビジネス MLM
      内職商法 在宅ワーク商法 モニター商法 など
 長期間におよぶ、高額のサービス契約。 特定継続的役務提供契約

  体験してみないと内容を吟味できない特定のサービス契約は、
  クーリングオフ制度・中途解約制度の対象となります。(種類は限定)

  例  エステ メンズエステ 脱毛エステ 痩身エステ
     英会話スクール 語学スクール
     パソコンスクール
     結婚相手紹介サービス お見合サービス
     学習塾家庭教師派遣

     かつら・育毛サービス契約の場合、自主的な特約
     クーリングオフ制度を設けている場合があります。
 投資など、一般消費者が不慣れであり、仕組みを理解するのに
   一定の時間がかかり、かつ、慎重な判断を要する取引

  例  海外先物取引  (国内先物取引は除く)
     預託取引 (いわゆるペーパー商法)
     ゴルフ会員権  ・投資顧問契約

  日本国内の取引所 (例 東京工業品取引所)における先物取引は、
  クーリングオフ制度の適用対象ではありません。ご注意ください。
 本来はクーリングオフ制度の対象ではないものの、契約書の特約
   により、自主的にクーリングオフ制度を定めている取引もあります。

  例  大手着物販売会社
      大手の育毛サービス・かつら作成
      大手有線放送サービス。当選商法などで有名
      一部のスキューバダイビング器材販売会社
      一部の自動販売機・訪問販売など
 不動産取引のうち、業者自らが売主のもので、飲食店など、
   不動産業者の営業所等以外の場所でした取引

  例  投資用マンション・資産運用マンションなどが典型例。
      自宅や職場に来るよう要請した場合は対象外となる場合有。

  なお、クーリングオフ制度が利用できる不動産取引は、
  宅建業法37条の2の要件を充たした取引のみです。

  なお、クーリングオフ制度の利用が受けられない場合は、
  手付金放棄による手付解除の可能性があります。

上記が、クーリングオフ制度の適用がある代表的な例として挙げられます。


クーリングオフ手続は、必ず通知書で行ないます。


クーリングオフの手続は必ず書面(通知書)により行ないます。

クーリングオフは、電話で申し出るものではありません。
また、事務所に行って手続をするものでもありません。

 よくある質問 クーリングオフ手続は、具体的にどうすればいいのですか?

電話や口頭でのクーリングオフの申し出は、「言った・言わない」となり、証拠が残りません。
クーリングオフの意思を伝えたことの立証が困難であり、
後日「クーリングオフした・しない」のトラブルとなります。

後になって両当事者間に「言った言わない」というトラブルが残らないよう、
必ず書面 (通知書・書留等) で、明確に手続きを行なうことが、
法律や、契約書の記載・特約などによって求められています。

また、クーリングオフ手続は、書面を発信した時点で
契約解除・申込撤回の効力が発生します。(発信主義)



 クーリングオフ期間の数え方

クーリングオフ期間計算の多くは、初日算入といい、
原則として申込日・契約日の初日を含めて計算されます。

例えば、クーリングオフ期間が8日間の場合で検討してみますと、
1月1日に契約した場合、1月8日の消印 がクーリングオフの最終日となります。

よく起こる間違いが、1月1日+8日で、1月9日が最終日だと勘違いしてしまうケースです。
クーリングオフ期限を1日間違えてしまい、クーリングオフ期間が過ぎて
利用できなくなってしまったケースが案外少なくありません。



電話勧誘・資格商法の場合では、クーリングオフ期間計算は、
契約書・申込書を受け取った日から期間計算が開始します。
「電話で申し込んだ日」ではありませんので御注意下さい。

 資格商法・電話勧誘の注意点



クーリングオフ期間については、会社によって、契約条項により
クーリングオフ期間を伸長している場合もあります。
念の為、契約書の記載をもう一度確認しましょう。


既に商品やサービスを使用している場合について


クーリングオフをした場合、既に商品やサービスをを使用している場合であっても、
下記の指定消耗品に該当しない限り、買取義務や使用料、損害賠償の必要はありません。

一方、化粧品や健康食品など、下記表に掲載されている指定消耗品
消費・開封した場合は、使用済み分については、買い取り義務が発生する場合があります。

ただし、未使用・未開封部分についてはクーリングオフの対象となります。

使用・開封とは、商品としての価値が無くなる事を意図していますので、
密封されていること自体に意味のある商品を開封した場合、
例えば、化粧品について、化粧品そのものは使用していなくても、
パッケージを破ったり、封を開けた場合など、
客観的に商品価値が回復困難となった場合なども含まれます。

最近では、業者側も工夫して、化粧品のフタに一つ一つシールを貼ったりして、
それを剥がした時点で「開封・使用した」と看做す扱いも増えています。

また、業者の勧めで「試しに使ってみようよ」「使用方法を説明しますね」などと称して
開封・使用させられた場合、消費者の自発的意思に基づかない使用・消費に
該当するものとして、クーリングオフの対象となると解釈される場合もあります。

ちなみに、特定商取引法で指定されている消耗品は下記となります。

いわゆる健康食品、化粧品、毛髪用剤、石けん、浴用剤、コンドーム
不織布、幅が13センチメートル以上の織物、生理用品、歯ブラシ
合成洗剤、洗浄剤、防臭剤、脱臭剤、防虫剤、殺虫剤
履物、壁紙つや出し剤、ワックス、靴クリーム

つまり、布団や浄水器は、上記の指定消耗品に該当しないので、
既に使用していても、クーリングオフの対象となる、ということです。




同様に、工事やサービス(役務)などを既に利用していても、
クーリングオフにより違約金や利用代金の支払いは必要ありません。

例えば、既にエステのサービスを利用していても、クーリングオフに伴い、
施術料を払う必要なくなります。また、シロアリ駆除や、排水管清掃、
耐震補強工事、床下換気扇工事などの工事や役務提供についても、
クーリングオフに伴い、工事代金の支払義務はなくなります

「サービスを利用しているのに支払わなくてもいい」と聞くと、
多少申し訳なく感じる方も少なくないと思いますが、それは下記の理由によります。

昭和63年4月13日(水曜日)、第112回国会 衆議院-商工委員会-07号
旧訪問販売法(現 特定商取引法)改正時に議論された内容です。

抜粋

○小澤(克)委員 〜中略〜

現実に実態からいたしますと、お年寄りが一人で留守番しているときに訪販業者が訪れて何か売りつけた、あるいは役務提供契約を結んだ。屋根を修繕するとかシロアリ駆除とか、いろいろあろうかと思いますけれども、上がり込んでやいやい言うもので、お年寄りがもう仕方ないからその勢いに押されて契約をしてしまった。何も言わないわけですよ。ある日こんにちはと言って屋根修繕に伺いましたとかシロアリ駆除に伺いましたとか、あるいは商品の布団とかなんとかを持ち込んだ。そのときになって周りの者が気づいて、これは大変だ、おじいちゃん何したの、おばあちゃん何したの、いや実は余りうるさく言うものだから判こ押しちゃったんだよ。それで、それじゃクーリングオフ、解除しようと思ったときにはもう八日過ぎている。業者の方は八日過ぎるまでじいつとしておって、過ぎてからやってくる、これが実態なんですね。〜中略〜

〜中略〜

○末木政府委員 恐縮でございますけれども、先生最初におっしゃいました方をまずちょっと御説明させていただきたいのです。六条の五項でございます。これにつきましては、新しく役務を指定対象に加えまして、その役務についてクーリングオフが行われた場合には、もし役務提供が済んでいても対価の請求ができないという規定を設けたわけでございまして、これがかえってクーリングオフ制度を何かくぐり抜けるようなことになりはしないかという点については、私どもは全く逆に思っておりまして、先生最初によく思い切ってとおっしゃったので、初めてお褒めをいただいたのかと思ったわけでございますけれども、確かに思い切ったわけでございます。
 これは、シロアリの駆除をやりませんかといって駆除しちゃった、しちゃったけれども何もその程度のことでやってもらうことはなかったのだというのでクーリングオフをした、クーリングオフはしたのだけれどもサービスはしちゃったのだから、したという効果は残ったからそれを不当利得という形で、代金相当額を不当利得でいただきますと言われたのではクーリングオフの意味がございませんので、この規定を思い切って入れたわけでございまして、何が起きるかというと、おっしゃるようにクーリングオフ期間が終了するまではシロアリ駆除をしないであろう、恐らくそういうことになると思います。もちろん消費者が急ぐ場合には、それは消費者が具体的に自分の方の発意で訪問販売にならないようにシロアリ業者に注文をなされば、それはもちろんすぐできるわけでございまして、そういう意味では、これはクーリングオフ制度を実効あらしめようと思ってできるだけのことは考えたつもりでございます。お尋ねのないのに申し上げさせていただいて、大変失礼しました。

第112回-衆議院-商工委員会-07号 1988/04/13

なお、工事などによって、土地や建物が元の状態と変わってしまった場合、
業者の費用負担で元の状態に戻すよう販売業者に求めることができます。

同様に、既に商品を受け取っている場合や、商品が設置済みの場合でも、
販売業者の費用負担で商品を引き取りを求めることができます。


クーリングオフ制度についての国会議事録


クーリングオフ制度をイメージする上で、参考となる国会議事録がありますので、
抜粋しておきます。これは、昭和63年4月13日(水曜日)、
第112回国会 衆議院-商工委員会-07号 旧訪問販売法(現 特定商取引法)改正時に
議論された内容です。

抜粋

○末木政府委員 〜中略〜 

それから第二点の起算点でございますけれども、これもクーリングオフの基本的な性格にかかわる問題かと思うのですけれども、訪問販売の場合には消費者の方が能動的に物を買うという立場で意思形成が行われるのではなくて、話を持ち込まれて受動的な形で意思形成が行われるというところに特質があるわけでございますので、結局その意思形成のところに問題点がある。そこで、その点に着眼いたしまして、購入者が意思形成を行ったところから物事を考えるのが論理の筋道ではないだろうか。そういうことでございますと、つまり契約をしたときからということになります。事実上契約をしたときというのを外形上はっきりわかりやすくすれば、これはクーリングオフができることを知った日、今回の改正案の中ではこれを交付書面の中に書かせるようにしておりますので今回はそうなりますが、結局現行法でいえば契約をしたときにクーリングオフができることを知らせなければならないというようになっておりますから、その意思形成の時点からカウントするというのが理論といいますか考え方の筋道であろう、こういうことで第二点についてはお答えさせていただく次第でございます。〜中略〜

○末木政府委員 〜中略〜 

 もう一つの方の、八日目が休日に当たった場合でございます。あるいはこれは誤解をなさっていらっしゃるのではないかと思うのですけれども、クーリングオフは発信主義をとっておりまして、文書で発信をしたときに有効でございますので、具体的には発信というのは郵便の消印になります。ですから、八日目の日付の消印があれば有効でございます。〜中略〜

○小澤(克)委員 クーリングオフは、今御説明があったとおり発信主義なんです。ですから、理屈としては今おっしゃったとおりになるのです。弁護士なんか相談を受けて、内容証明でクーリングオフの意思表示をするというような場合は、まさに今言ったようになされるわけです。ところが、実態はそうじゃないのですよ。まず大騒ぎになります。若い方やお年寄りが訪販にひっかかった場合に周りで大騒ぎになって、それでもうきょうがクーリングオフ最終日だ、何はともあれ一体どこの業者から何を買ってどうなっているのだ、契約内容はどうなっているのだと電話で問い合わせます。ところが、幾ら鳴らしてもだれも出ない、わからない、もたもたしている間にクーリングオフの期間が徒過してしまう。こういう実態から考えてみますと、まずその業者のところに電話をかけて相談してみようと思うのは、一般の消費者からすればある意味で当然のことでございますので、発信主義云々という理論的なところはともかくといたしまして、次の営業日に発信したものをもってクーリングオフ成立というふうにするのがむしろ実態に適していると思うわけでございますので、先ほどから言っているわけです。この点についても御一考を願いたいと思うわけでございます。

   (注 この当時のクーリングオフ期間は現在と異なっていましたので、
      誤解の無いよう、期日のみ修正してあります)

第112回-衆議院-商工委員会-07号 1988/04/13



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